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三原市「肺の日」講演会

   慢性呼吸不全と運動療法について

慢性呼吸不全と運動療法について
医療講演レポート三原呼吸器教室
“ほっと”(HOT)らいふを送るために・・・
主催 広島低肺友の会
協力 備三地区保健所・三原市医師会
共催 帝人在宅医療(株)
慢性呼吸不全と運動療法について
講師:三原市医師会病院 奥崎 健 先生
(1)呼吸不全
 私たちは、ほとんどは無意識のうちに、絶えず呼吸をしています。呼吸とは、文字通り、“すうこと”と“はくこと”とから成り立ちます。吸気は気管・気管支を経て肺の末梢(肺胞)に達します。ここで、体内でエネルギーを産生するのに必要な酸素を取り入れ、不要になった炭酸ガスを捨てるという“ガス交換”が行われます。これが気管支・気管を経て呼気となって排泄されているわけです。“ガス交換”が障害されると生命の維持が困難になってしまいます。この状態を呼吸不全といいます。
 呼吸不全を、経過の長さから、急性呼吸不全と慢性呼吸不全に分類することができます。急性呼吸不全は、従来は肺に重篤な疾患を持たない方が重症肺炎に懸かったり外傷を受けたりして呼吸困難や意識障害を来たす場合です。適切な治療により回復することもありますが、病勢が上回る場合は、致命的になります。一命を取り留めても、慢性呼吸不全に移行することもあり得ます。
 慢性呼吸不全は、呼吸不全の状態が1ヶ月以上に及ぶ場合です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症、間質性肺炎などが主な原因疾患です。主症状としては、ガス交換障害によるものとしての低酸素血症、高炭酸ガス血症と、これらが慢性化して心臓に負担をかけた結果としての肺性心があります。低酸素血症では、体内でのエネルギー産生不全により、食欲低下・嘔気・頻脈・血圧低下・判断力低下・意識障害が起こります。高炭酸ガス血症では、その中毒様作用により、頭痛・不眠・錯乱・皮膚紅潮・発汗過多、さらには傾眠・昏睡が起こります。肺性心では、頚静脈怒張・浮腫・呼吸困難・体重増加・不整脈などの心不全症状をきたします。

(2)COPDの日常ケア
 COPDで慢性呼吸不全を呈した場合、それらを増悪させないように生活することが大切です。日常ケアについて少しご説明します。
 まず、禁煙は必須です。
 呼吸法としては、口すぼめ呼吸が推奨されます。
 低酸素血症に対しては、在宅酸素療法が有用です。これは多くの方が実践していらっしゃいます。ここでは、酸素流量を必要以上に大きく設定しすぎると高炭酸ガス血症を誘発するので危険であるということを、再認識していただきたい。
次に、食事療法です。慢性呼吸不全の食事としては、高カロリー・高蛋白・塩分控えめが原則です。食欲増進のためには、口すぼめ呼吸や体操・散歩などが有用です。
 最後に、感染予防です。これには、規則正しい生活や趣味の活用などで免疫力(抵抗力)を高めること、うがい・手洗い・清潔などで病原体の体内への侵入を抑えること、及び適切な予防接種を受けることが大切です。


(3)COPDの運動療法
 もとより呼吸がしんどい人にさらに運動をして体を鍛えろというのか?という風に解釈なさらないで下さい。ここでは、スポーツ選手が行うような過酷なトレーニングを想定してはいません。まず運動の意義について、次のような2つのサイクルが知られています。
  しんどいと思って運動しない⇒生活動作が不活発になる⇒気分が晴れない⇒食欲不振となり外出も億劫になる⇒筋肉が萎縮して動きにくい⇒運動しない・・・。
 散歩などの運動をしてみる⇒食欲が出てくる⇒息切れが改善し生活動作が楽になる⇒外出や趣味の時間がもてる⇒筋力が増強し動きやすくなる⇒運動できる・・・。

 運動療法の実際について概説します。まず、コンディショニングです。運動に耐えうる体調の下準備と言えます。口すぼめ呼吸を主体とした呼吸訓練、呼吸補助筋のマッサージとストレッチ、胸郭圧迫・伸長による呼吸介助からなります。次に、持久力トレーニングです。

 平地歩行や階段昇降・踏み台昇降、 トレッドミルなどを通して全身の大きな筋群を使用したリズムを保った運動を行います。最後に筋力トレーニングです。自重や弾性ゴムバンドなどを利用して四肢・体幹の筋力増強をめざします。これらに加えて、より実際に即した日常生活動作(ADL)を行えるためのADLトレーニングもあります。これらは、医師や理学療法士の指導の下に行われるものですが、習得されれば自宅でも訓練可能です。


(4)おわりに
 今回は慢性呼吸不全と運動療法についてお話させていただきました。ところで、なぜこのようなお話を医師は行い、皆様はお聴きになるのでしょうか?私は、みんなが元気で長生きを求めているからだと思います。では、医師は、また医学は、長生きの秘訣を獲得しているのでしょうか?残念ながら答えは否です。皆様が、経験を生かして身をもって実践していただくことを期待いたしております。

医療講演レポート三原呼吸器教室
広島低肺友の会 平成19年10月
三原支部 久保秀明
 秋深き隣は何をする人ぞ この名句を身近に感じる季節となりました。
 在宅療養に立ち向かっておられる皆様には恙無(つつがな)くおすごしでしょうか?立冬も過ぎて一枚一枚着重ねする季節になりますが、運動療法の実践に努めてまいりましょう。
 去る9月8日三原市サンシープラザ3Fにおいて三原呼吸器教室を開催し医療講演を行いました。秋日和に恵まれて近辺の三原市内はもちろん尾道市高須町、向島町、新高山、又遠く福山市からも来場くださり30名の参加がありました。私も外来診察日の折お誘いの声をかけた数人の方たちが出席してくださりお世話することの喜びを体験しました。
 講師は三原市医師会病院副院長 奥崎 健先生です。先生は三原市医師会病院外来診療を現在も続けておられ今回受講される皆さんの中には先生に掛かっておられる方もおられる事でしょう。
 演目は「呼吸不全と運動療法について」です。前回同会場で先生には感染症について講義していただきましたので今回は在宅酸素療法の日常ケア、呼吸方法、運動療法のお話を受ける事になりました。
 全国的に在宅酸素療養者は戸外に出ることを嫌い家にとじこもる人が大半だといわれています。カニューラをつけることへの羞恥心(しゅうちしん)からだと思われます。酸素吸入をしながら閉じこもってばかりいると代謝(たいしゃ)が悪くなり又炭酸ガスが血中に残り増悪の原因にもなると先生は常に注意されます。
 先生がお話されるには在宅酸素療法の真の目的は本人が家庭において元気なときの状態にできるだけ近づけるためであり、病状に異常が無い限り軽度の運動を毎日続ける事を進められました。

 又今回は質疑応答の時間を多目にしてもらいました。いろいろと質問に答えていかれる先生のお話の中でなかなかウイットに富んだそれでいて辛口の含蓄(がんちく)のある話もあって楽しく拝聴できました。印象に残るものを上げてみます。
 “医学は長年の統計の中から築き上げられた学問であり素晴らしい発展を遂げ現在にいたります。しかし、人は肉体と精神から成立ち一人一人すべて異なった存在であるがゆえ万能ということはありえない。もし万能だと言い切る医者があればそれは藪医(やぶい)のそしりを免れない。”また寿命の話が出て“医者とはゆえ若い私よりむしろ70年80年生きてこられた患者の皆さんに聞きたい気持ちである”と答えられました。
 慢性呼吸不全の完治はありませんが治療を受けながら自らも意識向上に努めて病気の進行、急性増悪を防いで楽しい療養を過ごしてください。と結ばれて先生の講演は終了いたしました。
 今回の奥崎先生の講話を聞きながら患者である私自身が思ったことは、よいお医者さんの条件として医療技術のあることは勿論の事「患者の話をよく聞いて一緒になって考えてくれる」先生である、という事です。
 講師を務めてくださいました奥崎先生、ご聴講くださった患者と家族の皆さん、お疲れ様でした。そして有難うございました。
終わり


“ほっと”(HOT)らいふを送るために・・・
テイジンの在宅酸素療法に対する取り組み 『三原市講演会にて講演』
帝人在宅医療(株式会社)・広島支店・広島東営業所
福山駐在所 係長・湯上 克弘
  1. 在宅酸素療法について
  2. HOT業者に求められる最低条件
  3. “ほっと”らいふのためにTeijinのできること
    @ 機器開発
    A 患者様の“生活の質の向上”への
     1.協力旅行サービス
     2.ボンベリュック
     3.メガネカニューラ
    B 安全に使用するために
     1. 遠隔機器管理
     2. 機器のコンピュータ管理
     3. 定期的なオーバーホール、分解、消毒
    C 緊急対応のために
     1. 24時間電話対応
     2. 近隣バックアップ営業所 
  4. 最近のトピックスについて 
 以上の項目についてお話をさせていただきました。
 たくさんの患者様、患者様家族の方にご参加頂き非常に有意義な呼吸器教室を支援させていただきありがとうございました。
 医療機器メーカーとして医療関係者様、患者様、患者様家族様の立場に立ち、 安全、安心、信頼、迅速、微笑みをモットーに更に良い機器開発、良いシステムの開発に邁進して参ります。
 今後ともご指導、御鞭撻ほど宜しく御願いいたします。
 (講演会模様写真)


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