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呼吸器リハビリテーション講演会
講師:セントラル病院リハビリテーション科主任
理学療法士 佐藤 益史先生 |
主催:広島低肺友の会:フクダライフテック中国(株)
2007年6月30日 |
はじめに
「呼吸リハビリテーション」は、呼吸機能に障害のある方々が、その残された肺機能を最大限にいかし、より快適な日常生活を送れるようになれることを目指しています。
ここでは、日常生活動作低下の原因となる「息切れを強くする悪循環」からの脱出に焦点をあてて、呼吸法、動作法、運動療法について述べています。
息切れを強くする悪循環を断ちましょう!
悪循環を断ち切るには
上手な呼吸をすること、そして運動することです |
- 呼吸法(口すぼめ呼吸と腹式呼吸)
- 動作法(日常生活動作は、呼吸と動作を合わせる)
- 排痰法(体位、ハッフィング)
- 急な息切れへの対応(楽な姿勢と呼吸法)
- 呼吸体操 (呼吸筋ストレッチ、呼吸体操、リラクセーション等)
- 歩行、四肢筋力強化
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上手な呼吸をするために口すぼめ呼吸法と腹式呼吸 |
1.呼吸法 |
1)口すぼめ呼吸 |
息を吐くときに口をすぼめます。それにより、口元に抵抗ができ、気道が広がります。 |
2)腹式呼吸(横隔膜呼吸 |
呼吸は、横隔膜の上下運動と胸郭を動かす呼吸筋によって呼吸をおこないます。
腹式呼吸は横隔膜を使った呼吸法です。
吐くときは口すぼめ呼吸を行いましょう。
まず、寝た姿勢からはじめ、座って、立って、歩きながら、階段を上りながらと段階を追って練習しましょう。
吐くときは吸うときの約2倍位の時間をかけて吐きますが、自分のリズムでおこなってください。
1・2で吸う、3・4・5・6で吐く。あるいは、1・2・3・4で吐く、5・6で吸う。
重り(本や砂糖、塩の袋)をお腹に乗せて練習すると横隔膜が鍛えられます。 |
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快適な日常生活を送るための動作の工夫 |
2.動作法(呼吸と動作を合わせる)
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動作のポイント
1.腹式呼吸で動作する。
2.吐きながら動作する(口すぼめ呼吸)。
3.動作中には息を止めない。
4.息切れのない自分のペースで動作す |
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1)立ち上がる、座る |
動作を始める前に腹式呼吸で息を吸い込みます。
口すぼめ呼吸で息を吐きながら動作します。
<息切れのない自分のペースでおこないましょう。> |
2)歩く |
口すぼめ呼吸で吐きながら1歩・2歩・3歩・4歩と歩きます。
腹式呼吸で吸いながら5歩・6歩のリズムで歩きます。
<この歩行で息苦しいようなら、息を吸うときは立ち止まって、吐くときのみ歩きます。> |
3)階段を上る |
上る前に休みを入れ、呼吸を整えます。
腹式呼吸で吸います。
口すぼめ呼吸で息を吐きながら階段を上がります。
自分のペースでゆっくり上がり、上がっている間は呼吸を止めないようにしましょう。
息を吐ききったら立ち止まって腹式呼吸で息を吸います。
<呼吸のリズムが乱れ始めたら休憩を入れましょう。>
<一段に一歩ずつの上り方がきつい場合は、一段ずつ足をそろえてゆっくり上りましょう。>
<何段で休みを入れたら楽にのぼれるか自分のペースを知っておきましょう。
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4)洗面 |
洗面所に椅子を設置し、椅子に座って動作を行いましょう。
洗面台に肘を固定し、上肢を大きく動かさないようにして歯磨きを行います。
呼吸を意識しながら呼吸に合わせてゆっくり歯を磨きます。
洗顔も息を吐きながら行ないます。 |
5)トイレ |
息を止めないで、息をゆっくり吐きながら徐々に自然に出すようにします。 |
6)着替え |
呼吸を整え、息を吐き始めると同時に動作を開始します。
呼吸のペースを乱さないようにゆっくり行いましょう。
椅子に座って着替えます。 袖を通す時など上肢はあまり高くあげないほうがよ いです。衣類は、前開きのもの、ゆったりしたものを選びましょう。 |
7)食事 |
呼吸を止めて一気に食べることはしないで、鼻で呼吸しながらゆっくり食べまし ょう。 |
8)入浴 |
脱衣は椅子に座っておこないます。
浴室にも椅子を置きます。少し高めの椅子がよいでしょう。
和風タイプの浴槽はよい姿勢をとるために椅子を使います。
水圧が胸にかからない水位ですと呼吸が楽です。
体を洗う時は呼吸に合わせて口すぼめ呼吸で吐きながら洗います。 |
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痰を出しやすくする体位を身に付けましょう |
3.排痰法 |
痰を出しやすくする体位を身に付けると、肺の奥にたまった痰を出すことができます。1日のうちで痰がたくさん出る時刻を調べて、その時におこないましょう。
痰をうまく出すコツ |
1、痰の出やすい体位をとる。
2、痰が多く出る時刻を知る 3、毎日適度な水分をとる。
4、体位をとる前、体位をとりながら吸入をする。 |
1)体位 |
仰向け、横向き、うつぶせ、よつんばい等の体位をとります。 |
2)ハッフィング |
吐くときに強く速い呼気を3〜4回繰り返し、痰をだしやすくします。 |
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急な息切れの場合は |
4.急な息切れへの対応 |
気持ちをおちつかせましょう。あわてずゆっくりと。
楽な姿勢をとりましょう。腕を固定すると呼吸しやすくなります。
口すぼめ呼吸で十分吐ききるようにします。
十分に吐ききると、楽に吸うことができます。 |
息切れを少なくする体操 |
5、呼吸体操 |
1)呼吸筋のストレッチ体操 (4回ずつ、1日1〜3回おこないましょう) |
(1)【肩の上げ下げ】
(2)【胸の筋肉をのばす】
(3)【胸の筋肉をのばす】
(4)【背中の筋肉をのばす】
(5)【脇腹をのばす】 |
2)呼吸体操 |
1、首(前後運動、左右運動【図(1)】、回し運動)
2、肩(上下運動【図(2)】、肩回し運動)
3、腕(上下運動【図(3)】、後方上下運動)
4、体(前に曲げる【図(4)】、横に曲げる、回旋する) |
【図(1)】
【図(2)】 |
3)リラクセーション (筋肉の緊張を解きほぐします) |
筋肉が必要とする酸素量が減ることで呼吸が楽になります。
リラックスをさせたい筋肉を3秒間緊張させ、その直後に力を抜く方法です。
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生活に運動をとりいれましょう
運動が息切れの悪循環を断ち切ります |
6、歩行、四肢筋力強化
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持久力をつける運動と手足の筋肉を強くする運動
自分にあった運動を医師に処方してもらいましょう
自分にあった運動を知りましょう |
頻度:例えば、最低週3日
強度:例えば、息切れが3のスピード
時間:例えば、30分
種類:例えば、散歩。 |
自分の運動スタート地点は? |
(重症度に応じた運動から始めましょう)
【重症の人】
呼吸法、排痰法、動作法、柔軟体操
【軽症の人】
歩行、手足の筋力強化 |
ボルグスケール |
(息切れをはかります) |
0:感じない |
0.5:非常に弱い |
1:やや弱い |
2:弱い |
3:中くらい |
4:多少強い(運動効果は高い) |
5:強い |
6: |
6:とても強い |
8: |
9: |
10:非常に強い |
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1)歩行 |
長続きさせることが重要です。苦しくなったり、翌日に疲労が残るような運動はしないでください。
歩行は、呼吸機能の保持に有効です。 |
2)四肢筋力強化 |
自分にあったものからはじめましょう)
上肢の筋肉強くする
1、腕を上げる(臥位)
2、肘を伸ばす(臥位)
3、腕を広げる・閉じる(臥位) |
下肢の筋肉を強くする
1、膝を伸ばす(座位)
2、足踏みをする(座位)
3、立つ・座る(座位) |
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