『夫婦同姓問題と人権』 (202)2021,2

坂内宗男

 神は言った、「われらの像(かたち)に、われらの姿に似(に)せて、人を造ろう。……神は自分の像に人を創造した。神の像にこれを創造した。彼らを男と女とに創造した。(創世記1章26〜27節、岩波〈月本)訳〉。
●昨年11月、第5次男女共同参画会議は選択的夫婦別姓(法律上は「別氏(うじ)」)について「国会の論議の動向を注視しながら検討」から「必要な対応を進める」に踏み込む原案を示し、国会の場で論議すべきことを提示したが、自民党はより大幅後退の姿勢をとり、今後も長期お蔵入りが続きそうだ。極端には天皇が男系の男子継承なのに、を持ち出した反論もあったらしい。
●この問題は、伝統的男系家督「家=氏」制度(明治以前は国民の約95%は氏(姓)はなく、明治になって兵籍転用上平民〈男系長子制度下〉にも氏を与えた)の名残が法の下の平等にある現憲法においても色濃く支配している実態にある。1985年女性差別撤廃条約を批准、2003年には国連から差別的法規定撤廃の勧告が出、訴訟多発において、最高裁すら2015年ことごとく棄却した実情なのだ。
●民主・平等憲法下の家族法(民法親族・相続)―婚姻においては、戸籍は親から分離→創設となるが、戸籍筆頭者で姓は決まり、一見平等に見えるが、実態は約95%が男性にて、女性も同姓が義務となる。子供も同姓、20歳で家裁で変更自由といっても殆どする者はいない。問題は改姓(ここでは女性)とは、人格・人間性の否定ともいえる重大事を特に男性はどれだけ自覚しているだろうか。また、反対論には、別姓となると子供がばらばらの姓では家族の崩壊に、というのも一理あるが、諸外国では比較的自由にあり、以上の疑点の解消には、婚姻時に姓の創設がベターと考える。
●神の似姿に作られた各個人はかけがえなき人格者であり、尊重を要しよう。
杉並聖書集会(名称変更)14日イザヤ49:1〜13 28日マタ25;31〜46
渋谷聖書集会:21ルカ20:45〜21:4草加集会(未定)使・言1:12〜

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