平和と基本的人権を守ろう仲間たちの連絡会(略称 へいき連)

声・呟きNo140            webへいき連             2023年 3月24日

<声・呟き>

続 小西議員が攻める本丸はなにか?く
-「放送法解釈変更の企み」を完全に粉砕-

3月22日は完全にWBCに占拠された状態で、岸田総理のウクライナ「電撃」訪問もほとんど届かなかったようだ。 また今月小西議員(立憲)によって追及されてきた「放送法解釈変更問題」もこのままでは今週全く報道されないのでは ないかと危惧している。ここではWBCでの日本チーム優勝というめでたいニュースをいったんわきに置いてこの問題で の動きについて伝えたい。(以下、敬称略)

1.小西銀発信! 「放送法解釈変更なし」の言質(げんち)を取る

まずは3月22日の小西議員のツィートを右に紹介する。読めばすぐ結論が伝わる簡潔な文章だ。「Webへいき連」での 拙稿「小西議員が攻める本丸とは何か?」で示した課題はこれで完結したのだろうか。
小西ひろゆきのSNS  思い返せば、この総務省文書問題は地味な案件であったとも言える。もし高市が「文書は捏造だ」と言わなければこん なに新聞などに取り上げられることもなかったのかもしれない。だからこの総務省文書問題と区別して「高市問題」だ、 という声すら聞かれるのだ。それほど当時総務相であった高市のヒートぶりは異常で、彼女がなぜ声高に「捏造」とか 「盗聴した」とか口汚く総務省官僚を罵ったのか理由を語る人はいないのではないか。
 私なりに想像するに、総務省文書28枚中の4枚に登場する高市は脇役である。脇役と言えば聞こえはいいが、故安倍 晋三や磯崎から完全には外されていたことが判る。つまりはそういうことなのだ、と私は考えた。一昨年の総裁選以来、 自分だけが安倍の秘蔵っ子だと思っていたのが、4枚の文書中では安倍―磯崎ラインだけがあり、総務大臣である自分が 無視されていたことが許せなかったのだろう、とそう考えたのだ。それ以外に高市が総務省文書で激高する理由はほかに 見当たらなかった。いずれにしろ高市問題は核心ではないのだ。

2.吉川さおり議員も放送法の解釈変更と8年闘った

小西議員の「安倍政権による放送法解釈変更」との闘いは、磯崎元総理補佐官の総務省への圧力行動に対して即座に 始まっていた。そしてそれは小西議員単独での闘いではなく、情報労連組織内の吉川さおり議員も共に闘っていた。 吉川議員は2016年(平成28年)3月31日に、それまでの一連の発言を法解釈の面から逸脱していることを明らか にするため、高市総務相に質問をしている。そして「放送の公正さについてその局の全体の番組を見て判断する」(要 約)との見解は変わっていない、という高市総務相の答弁をひきだすのに成功した。(下の文章は小西議員が今国会で再 確認した2016年高市発言について政府参考人が述べた箇所である)

 これについて吉川は現時点のツィートでは「今回(小西質問)で明らかになったことは一総理補佐官がやってはならな い手続論であり、解釈変更していなくとも大きな問題なのです」と述べている。
これは安倍元首相が集団安全保障を合憲とする閣議決定をするにあたり、内閣法制局を人事で屈服させ、そして閣議決定 を経て、国会に戦争法を上程した。しかし、この放送法解釈変更は、解釈変更ではなく磯崎という個人に内閣法に違反す るような行為をさせた。総務省官僚をして「やくざのような人に絡まれた」と言わしめたのである。そして国会では高市 を使い「個別の番組でも極端な偏向と認めれば電波を停止することを排除しない」と言わしめたのだ。つまりこの一連の 行動が法律違反であることを、2016年3月31日に吉川が高市に言わせたのだ。高市個人が自分の発言の意味をどれ だけ認識していたかわからない、しかしこれは国会議事録にこうして残ったのだ。
 吉川自身が語るように、吉川の質問によっては安倍政権のメディア統制の流れは弱まらなかった。しかし現時点では安 倍は既に墓の中にあり、総務省官僚も安倍に忖度しない状況となった。今こそ、小西質問を皮切りとした立憲民主党は、 二度とこのような歴史を繰り返さぬことを政権に約束させねばならない。

3.小西議員は右派、ネトウヨ言論人(?)への追及の手も緩めない

池田VS小西法廷バトル勃発? 高市に辞職を要求することは当然だが、その高市を擁護しデマ宣伝を繰り返してきたネトウヨ的勢力との裁判闘争を小 西は決意したようだ。それに対し「小西は国会議員という立場でスラップ訴訟をしようとしている」と彼らは警戒してい る。池田信夫、高橋洋一、上念司、有本かおり、石井孝明、等々であるが、とるに足らないと笑うなかれ。とくにYouTub eで広告料を稼ごうという輩が多く、高橋洋一、上念司などの高学歴派はその疑いが濃厚である。今回は世論を動かす政 権の情報操作が課題なのだから、その擁護派も攻撃しておかねばならないのだ。

4.独占的テレビ放送の改革を推進すべき

これほどに国会で放送法が捻じ曲げられることによって、テレビ局の番組が圧力を受けてきたことを述べた。しかし 肝心の主役であるテレビ局はまったく他人事のような態度である。なぜそうなのか。私見ではあるが、それは電波を独占 しているという既得権にしがみついているからだと考える。たとえば2018年には「電波オークション『一転』実施 へ」という見出しが新聞紙上に出たことがある。電波オークション自体は民主党政権下に閣議決定されたのが、2012 年の第2次安倍政権になって下火となっていたのである。その安倍政権が2018年になって電波オークションを声高に 言い出したのは、それを嫌がるテレビ局への別の意味での圧力だった。
 現在ではネット配信といった電波以外での手段によりテレビ報道の世界は新規参入の要素が大きくなっている。既得権 に蝕まれた現在のテレビ局に対する批判を、そういった大きな改革によって民主化する展望を野党は政権交代の柱とすべ きである。とくにNHKは税金のように視聴料を取り続けるならば、真っ先に改革の遡上にのせるべきだろう。

2023年 3月24日   滑川整流