礼拝説教　遠藤　潔　牧師

【2022年7月31日、蓮沼キリスト教会 主日礼拝】 　　　　　　　　　　「一人ひとりに賜物が与えられた」 エペソ人への手紙 4：7～10 　教会には御霊による一致がある。しかし、教会の一致は「多様性の中の一致」である。 Ⅰ　一人ひとりが、キリストから恵みとして賜物を与えられている（4：7） 　キリストのからだなる教会に連なる聖徒である「私たちは一人ひとり」は、「キリストの賜物の測りにしたがって」それぞれに独自の賜物が恵みとして、惜しげもなく与えられている。キリストの慮（おもんぱか）りにしたがって、キリストがお決めになった賜物であるゆえに、私たちはそれぞれに与えられた賜物を感謝して受けとめる。 Ⅱ　キリストが一人ひとりに恵みとして賜物を与えてくださった　～聖書からの根拠～（4：8） 　パウロは詩篇68：18のみことばを引用し、これをメシア預言であると解する。敵と戦って勝利した王が負けた側から貢を受け、それをご自分に属する者たちに分け与えた（Ⅰサムエル30：24～25）。そのように、身を粉にして戦い、勝利したキリストが、ご自分に属する者たち、キリストのからだなる教会に連なるキリスト者一人一人に、恵みとして賜物をお分かちくださる。 Ⅲ　天から地に降り、地から天に上られたキリストからの賜物（4：9～10） 　パウロは引用した詩篇68:18のメシア預言をさらに突っ込んで解釈する。永遠からいと高き神の御子であるメシア、キリストが「上った」とは、いと高き至高の天から、一たび「低い所、つまり地上に降られた」ということにほかならない。そして、地上に降られたメシアは再び「もろもろの天よりも高く上げられた」。これはイエスの生涯を一言で言っている。受肉、従順、十字架、葬り、復活、昇天、着座、聖霊降臨。最も低く降られたキリストが身をもって知らない苦しみや悲惨や試みはない。そして、キリストは「もろもろの天よりも高く上られた方」、すべてのものに勝利を収めた方。 　私たちに与えられた賜物は、このすべてを経緯し、すべてを満たすキリストが天から、聖霊をもって、惜しみなく与えてくださった、尊い恵みの贈り物である。 Ⅳ　賜物をささげ合って、ともに生きる ～Ⅰコリント12：4～7、Ⅰペテロ4：10～ 　私たちの賜物は、徹底的に弱く貧しく低くなって神と人に仕えたイエスから与えられた恵みである。それゆえ、私たちに与えられた賜物は自分のためではなく、他者への奉仕のために与えられている。 　私は惜しげもなく喜んで自分の賜物を神と人のために用いていく。私もみんなの賜物によってたくさん助けられ、支えられ、生かされていく。そのことを心から喜び、感謝していく。このようにして、キリストのからだ（教会）は生き生きと生き、「御霊の一致」を体験していく。