礼拝説教 遠藤 潔 牧師


【2021年9月26日、蓮沼キリスト教会 主日礼拝(ファミリー礼拝)】
    「ル ツ」   ルツ記 1:15~22,4:13~17

 聖書朗読ではルツ記の1章と4章の一部分を読んだが、本日はルツ記全体を取り扱う。
ベツレヘムのエリメレクの家族4人は、飢饉に耐えかね、ヨルダン川を東に越えて、異邦人の地モアブに移住する。そこで、息子たちは土地のモアブ人の娘を嫁にする。ところが、エリメレクと二人の息子たちはモアブの地で亡くなってしまう。エリメレクの妻ナオミと息子の二人の嫁であるルツとオルパ、合計三人の未亡人が残された。ベツレヘムの飢饉が終わり、ナオミはベツレヘムに帰る決心をする。長男の嫁ルツはナオミが信じる神、主(ヤハウェ)こそがまことの神であると信じ、主の民の一人として生きることを決意、ナオミとともにユダヤのベツレヘムに赴いた(1章)。
 ナオミの夫は土地を売ってしまっていた。ナオミとルツには農地もない。女二人が食べていくことはすごく大変。ルツは落穂拾いに出る(レビ23:22、申命記24:19)。ルツはボアズのさまざまな愛顧を得、夕方まで落ち穂拾いを続け、「集めたものを打つと、大麦が一エパほどであった」(2:17)。1エパは23ℓで、落ち穂拾いとしてはとてつもなく大収穫。ルツは家に帰り、本日の収穫を姑に示し、その日のことを報告する。ルツはその人ボアズが「買い戻しの権利のある親類」(ゴーエール)、「買い戻す人」「贖い主」(レビ25:23~)であることをナオミから聞かされる(2章)。
 ルツはナオミの勧めに従い、ボアズに求婚する。ルツは野宿で寝ているボアズに近づき、彼の足のところをまくり、その足元に寝た。これが当時の求婚のスタイル。夜中に目覚めたボアズに、ルツは「あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。あなたは買い戻しの権利のある親類(ゴーエール、贖い主)ですから」と心をこめて懇願(求婚)する。その懇願をボアズはルツの真実な愛として喜び受けとめた(3章)。
ボアズは町に行き、正規の手続きを経て、エリメレク家のゴーエール(贖い手)となる。彼はエリメレク家の名を残すために働く。ボアズはエリメレクが失った相続地と財産のすべてを買い取り、また、エリメレクの息子の妻であったモアブの女ルツをめとる。ボアズはルツと結婚し、男の子をもうける。その子の名はオベデ。このオベデはダビデ王の祖父となる(4章)。そして、ダビデ王の子孫としてやがてイエス・キリストが生まれる(マタイ1章)。
 異邦人の女性ルツが、ダビデの曾祖母となり、なんとダビデの子孫、救い主イエス・キリストにつながっている。イエス・キリストこそ、まことのゴーエール、「贖い主」。私たちが失ったものを回復してくださる方。私たちは罪によって神とのいのちの交わりを失ってしまった。しかし、イエス・キリストは、ご自身が人となり、私たちの代わりとなって、神に完全に従い、しかも、十字架で私たちの罪を負って神のさばきをすべて受けてくださった。罪の償いを果たしてくださった。罪という神への負債を帳消しにしてくださった。そして、死を滅ぼし、3日目によみがえり、神の御前で私たちのことをとりなしつつ、私たちに罪の赦しと永遠のいのちを与え、神との交わりを回復していてくださる。イエスこそ、ボアズを超える最高のゴーエール・贖い主であられる。
 ルツは、信仰によって、小さくも忠実な歩みを続けて、永遠から永遠にわたる神の国の、壮大な救いの歴史の確かな担い手の一人となった。私たちももう一人のルツなのである。