礼拝説教　遠藤　潔　牧師

【2021年9月19日、蓮沼キリスト教会 主日礼拝（敬老感謝礼拝）】 　　　　　　「父と母を敬え」 　 エペソ人への手紙 6：1～4 　「互いに相手をすぐれた者として尊敬しなさい」(ローマ12：10)。これがが「敬老」のこころ。 Ⅰ　「『あなたの父と母を敬え。』 これは…第一の戒め」（6：2) 　十戒の第五戒「あなたの父と母を敬え」は、対神関係の戒めと対人関係の戒めの連結点。父と母を敬うことは、神に愛され、神を愛する「神との正しい関係」の帰結である。同時に、父と母を敬うことは、隣人を愛する「人々との豊かな関係」の起点である。 　神と正しい関係にあるならば、神が与えてくださった“父と母”を当然敬うだろうし、また“父と母”を「敬うこと」から豊かな人間関係が始まる。 Ⅱ　“父と母”は何人いるか 　私たちには血のつながった無数の親（父と母、そのまた父と母、そのまた父と母・・・）がいる。10代（300年）さかのぼれば親の数は合計2,046人、20代（600年）さかのぼれば親の数は合計2,097,150人…。 　親とは「私」を生み出し、「私」を形づくり、今の「私」がここにあるために神がお用いになった人たちである。ある意味で、私が出会ったすべての人が私の“父と母”、私の親ではないか。そして、これから出会う人もみんな、私にとって“父と母”、親となる人たちである。 　すべての人を自分の「親」、父母として、神からの宝として尊びたい。すべての人を親しく尊敬し、愛させていただきたい。神はそのような潤いのある人生へと私たちを招いておられる。 Ⅲ　「そうしたら、あなたは幸せになり、その土地であなたの日々は長く続く 」(6：3) 　年老いた父母を敬い、本当に大切にし、最後まで生き生きと生活できるようにきちんと面倒を見ていくこと、これが誠実になされていくときに、結果としてもたらされる祝福がここに語られる。「そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生き、幸いを得る」（エペソ6：3、新改訳第三版）。 　年老いた者、弱い者、さらには、弱い立場の人々が尊重され、現実に生き生きと生活できるように配慮する社会、そのような社会、共同体は崩壊を免れる。健全な社会、健全な共同体として「永続する」。 　教会もまたそうであろう。教会という信仰の家族において、その中心におられる主イエスを見上げながら、主イエスに結ばれている一人ひとりを「すぐれた者として尊敬し」、大切にし、愛し、親しみ、手を差し伸べ合っていくなら、その教会は愛の共同体として永続することになるのである。