礼拝説教 遠藤 潔 牧師


【2021年6月27日、蓮沼キリスト教会 主日礼拝(ファミリー礼拝)】
               「カレブの挑戦」    ヨシュア記 14:1~15

信仰は生涯を貫くもの。それは、主を信頼し、主とともに歩み、主の前に悔い改めつつ、主に従い続けることである。85歳のカレブは私たちのすばらしい模範である。

Ⅰ 約束の地の分割(14:1~5)

出エジプトしたイスラエルの民は40年の荒野の旅の後、ヨシュアに導かれて約束の地カナンに入り、その地を勝ち取っていった(1~12章)。その後、部族ごとに相続地の割り当てがなされる(13章以下)。しかし、相続地割り当て後も未獲得の土地は多く、相続地獲得の戦いは継続される。
ヨルダン川東部はすでに2部族半(ルベン族、ガド族、マナセ半族)に与えられていた(民数32章)が、彼らも残りの9部族半が土地を得るまで戦いをともにする(1:12~15)。土地獲得はイスラエル全体で取り組む課題だった。そして、レビ部族はイスラエルの宗教生活に仕えるため、各部族の相続地に最低限の場所だけ与えられ(4)、他の部族がレビ部族の生活を支えた。
神の民はそれぞれに与えられた使命を果たしながら、互いに協力し合う。「自分自身の重荷を負う」とともに「互いの重荷を負い合いなさい」(ガラテヤ6:5,2)。

Ⅱ カレブの土地取得の申し出(14:6~12)

ユダ部族の人たちがヨシュアのところに来たとき、そのひとりカレブが盟友ヨシュアに45年前のことを持ち出して語る(6~9)。45年前、モーセはイスラエルの12人(各部族1名ずつ)を約束の地カナンに偵察隊として遣わした。偵察隊のうち10人は、「その地の住民は強そうだから、私たちは絶対に負けてしまう。その地に入ることなどできない」と報告して民の心をくじいた。一方、カレブは(ヨシュアとともに)、「自分の心にある通りを彼(モーセ)に報告し」、主に信頼してその地に入って行こうと人々に告げ、「神、主に従い通し」た。その時、主もモーセにこう告げられた。「ただし、わたしのしもべカレブは、ほかの者たちと違った霊を持ち、わたしに従い通したので、わたしは、彼が行って来た地に彼を導き入れる。彼の子孫はその地を所有するようになる」(民数14:24、申命1:36、ヨシュア14:9)。
カレブは強欲のゆえではなく、主の約束のことば(民数14:24、申命1:36、ヨシュア14:9)のゆえに、「主があの日に語られたこの山地」(12)すなわち「ヘブロン」(13、民数13:22)をヨシュアに求める。その地は強敵アナク人と彼らの堅固な町々があり、獲得するのに決して容易な地ではなかった。しかし、彼は壮健であった。身体もそうだったが、むしろ、彼は主の臨在と主の約束に信頼し、主に従おうとする信仰において壮健(健全)であったのだ。

Ⅲ 主に従い通したカレブ(14:13~15)

カレブの揺るぎない壮健な信仰に、ヨシュアは祝福をもって応答し、彼を送り出す。カレブは戦いを続け、アナク人を制圧し、ヘブロンを相続地として獲得し、ヨシュア記が書かれたその時にまで至っている。40歳の時(7)と同様、年老いても「彼がイスラエルの神、主に従い通したからである」(14)。
締めくくりのことばは、「こうして、この地に戦争はやんだ」(15)である。カレブの主を信頼し従う信仰者としての行動が戦争状態の終結、平和をもたらした。

主の臨在と主のみことばの約束に信頼し、どこまでも主に従おうとする信仰。生涯にわたって主に従い通す信仰を祈り求めたい。