礼拝説教 遠藤 潔 牧師


【2021年5月23日、蓮沼キリスト教会 主日礼拝】
      「世にあって守られ、聖められることを」 ヨハネの福音書 17:6~19


告別説教後のイエスの「大祭司の祈り」の2回目。イエスは直弟子たちのため祈る。

Ⅰ 「彼らはみことばを守り、あなたが遣わしたわたしを信じました」(17:6~8)

イエスは弟子たちについて良いことだけを天の御父に報告する。イエスは、彼らの大きく深刻な罪と失敗と弱さを十字架の贖いの中に隠し、彼らの小さな信仰と服従を復活の勝利の光の中でまばゆく輝いたものとし、そのように彼らを見て、御父に報告する。
「信じる者たちは、この地上よりは天国において、ずっと立派に見える」(ジョン・C・ライル)。

Ⅱ 「彼らを悪い者から守ってください」(17:9~16)
イエスは弟子たちの守りを御父に祈る。それは「わたしたちと同じように、彼らが一つになるためです」(11)。一つになること、一つであること、一致がイエスの願い。
イエスは一致を壊す悪の力がリアルに働いていることを知っているからこそ、「悪いもの」から弟子たちを守ってくださいと祈り願われた。
「弟子たち、キリスト者たち、教会が一つになりますように。そのために悪からお守りください」。これがイエスの切なる祈りなのである。

Ⅲ 「真理によって彼らを聖別してください」(17:17~19)
イエスは弟子たちの聖別(聖化、きよめ)を御父に祈る。彼らは神によって選び分かたれ、信仰によって義と認められ、神の子どもとされ、永遠のいのちを持っている。しかし、彼らはなお罪があるので、聖化され、きよめられ続けなければならない。からだと心とたましいの全人格においてきよくされ、イエスご自身に似る者に成長させられなければならない。
「真理によって彼らを聖別してください。あなたのみことばは真理です」(17)。この真理とは「みことば」であり、とりわけ福音のことばである。聖書のみことばに親しむ中で、そこに聖霊が働き、イエスがご臨在くださって、聖化が進んでいく。
そのためにも、イエスはあらためてご自身を聖別し、十字架における贖いの供え物として、ご自身を御父に差し出し献げる。「まして、キリストが傷のないご自分を、とこしえの御霊によって神にお献げになったその血は、どれだけ私たちの良心をきよめて死んだ行いから離れさせ、生ける神に仕える者にすることでしょうか。」(へブル9:14)

イエスは御父に弟子たち(そして私たち)の守りと聖化を祈る。聖霊も私たちのうちでとりなし祈る(ローマ8:26)。それゆえ、私たちも三位の神の祈りに包まれ、主イエスの祈りに心合わせて祈る。主のみわざ、聖なる御国の進展と完成を待望して。