礼拝説教 遠藤 潔 牧師


【2018年8月5日 説教アウトライン】  「初めにことばが」   ヨハネの福音書 1:1~5

 神はことばによって世界を創造された(創世1章、ヨハネ1:3)。ヨハネ福音書のプロローグの「ことば」は、御子キリストのこと。ことばは内なる思いと一つであり、ことばは内なる思いを表し、伝える。神の「ことば」である御子は、神(御父)の思いと一体であり、神のみこころを正確に伝える。また、御子は神の「ことば」として、御父の思い・みこころを必ず実現する(イザヤ55:11)。神の「ことば」なる御子キリストの語りかけを聴き、応答したい。

Ⅰ 御子キリストは、永遠から御父とともにおられる神(1:1~2)
「初めにことばがあった」(1a)。天地創造の「初めに」、「ことば」は「すでにあった」。
御子キリストは永遠から存在する方。「ことばは(その)神とともにあった」(1b)。神に「向かって(差し向かいで)」あった。神(御父)と「ことば」(御子)は互いに全人格的な愛の交わりの中にあった。
「ことばは神(という本質)であった」(1c)。「ことば」(御子)は「その神」(御父)とは別人格で、しかも同じ神の本質を持つ方。御子キリストもまた神であられる。御子は御父との(御霊における)愛の交わりの中から、愛のことば(福音)を語られる。

Ⅱ 御子キリストは、被造物の存在といのちの根源、また、人の認識能力の根源(1:3~4)
御子キリストは被造物の「存在」(3)と「いのち」(4a)と「人の光」(4b)、人の「認識能力」の根源であられる。キリストは語りかけられる。「わたしは永遠から存在する神。わたしは御父との永遠の愛の交わりの中から、あなたに語る。愛の語りかけをよく聞きなさい。あなたの存在も、あなたのいのちも、あなたの認識能力も、わたしがあなたに与えたもの。あなたの全存在、全生命、全認識能力をもって、全身全霊をもって、愛の語りかけを聴きなさい」。

Ⅲ 御子キリストは、闇を打ち破る光であられる(1:5)
しかし、「闇」(5)がある。最初の人間が神に罪を犯し、堕落し、世界は罪の闇が覆うようになった。人の認識能力は曇らされ、いのちは活力を失い、罪に縛られ、人の存在は不安におびやかされ、神のことばをなかなか聞くことができなくなった。そして、被造物はうめきをあげている(ローマ8:22)。
しかし、福音がある。「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった」(5)。「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた」(14)。
御子は2000年前にイエスという人となられ、罪の闇が覆う地に入って来られ、光として歩まれた。神の御前にへりくだり、神を愛し、神に従い、人に仕えて、少しも罪のない、暗いところのない歩みをされた。しかも、十字架にかかり、私たちの罪を負い、神の御前に私たちの罪を贖い(償い)を成し遂げ、私たちの罪の赦しを神(御父)に祈ってくださった。そして、死と悪魔の力を打ち破り、三日目に死人の中からよみがえられた。
イエスは勝利者として今も生きておられ、信じる罪人の罪を赦し、永遠のいのちに生かし、聖なるものへと造り変え、教会・聖徒の交わりを用いて神の国を広げ、宣教の働きを進められる。そのようにして、世界を再創造してくださる。どんなに闇が濃くても、光なるイエス・キリストは輝いておられる。

初めにことばが! いつも初めに、御子キリストに心を向け、福音のことばを聞く者は幸い。その人は御子のいのちに生かされ、光なる御子に照らされて、キリストの似姿へと造り変えられながら、御子による再創造と完成のみわざにあずからせていただく。