その日、名古屋から新大阪駅についた私は理不尽なほどの空腹に怒りさえ覚えていた。今から15年くらい前の話だ。
それまでに食べ物を口にしようと思えばいくらでも機会はあったのだけれど、向こうから目の前にやってくる食べ物より自分で選んで食事をしたかった私はじっと我慢をしていた。それで、新大阪に着くと駅の地下の食堂街をうろつきネギ焼きなるお店を探し出しふらりと入った。
ネギ焼きはそのときまで食べたことは無かった。
しかし「ネギ焼き」という魅力的な言葉の響きに誘われ、カウンターに座り、早速一枚注文するなり生ビールを一気飲みした。すぐには焼きあがらないため、もう一杯生ビールを飲み干した。普通駅地下で大酒を飲む客は珍しい。旅の途中なのだから。
結局私は、生ビール3杯を続けざまに飲み干し(空腹だったのだ)、たぶん店主に不審な目で見られ、ネギ焼きの味はまったく覚えていない。なんとなくたいしておいしくなかった気がする。
今でもネギ焼きはあまりおいしいとは思わないが、さりとてメニューから消し去るには惜しい素朴な魅力を持っている。
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難易度
おいしさ
3段階評価だよ |
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レシピ |
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材料 4人分 |
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- すじこん
- 牛スジ
- コンニャク
- 日本酒
- ミリン
- 醤油
- てんさい糖
- 水
- 生地
- 具
- 煮きり醤油
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400g
100g
100ml
80ml
70ml
大さじ2
200ml
カップ2
小さじ1
400ml
2個
多めに
10g
適量
適量
3束
50ml
5ml
5ml
10ml
多めに
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作り方 |
- ぼっかけ(すじこん)を作る。
牛スジはタップリのお湯で10分茹で取り出して水で洗い1.5cm角に切る。この時点で結構臭い場合は再び湯を沸かし茹でる。
コンニャクは下湯でし5mm角に切る。
スジとコンニャクを鍋に入れ、日本酒、ミリン、醤油、テンサイ糖、水で茹でる。普通に茹でると時間がかかり水分がなくなるのでその都度水を足す。圧力鍋がある場合は、圧力をかけて1時間くらい加熱する。
スジが柔らかくなっているのを確認し水分がなくなるまで煮詰めて出来上がり。冷ましておく。
- 煮きり醤油の材料を小鍋に入れ火にかけ沸騰したら火を止めて冷ましておく。
- 生地の材料をボールに入れ混ぜる。卵はあらかじめ水に溶き卵水にしておくと良い。かなりゆるい生地だが気にしない。
- テフロン加工の大き目のフライパンまたはホットプレートにお玉八文目の生地を丸く広げその上に刻んだ青ネギをタップリ、すり鉢ですった干しエビをぱらぱら、紅生姜、天かす、スジコンをお好みで重ねてゆき、再び生地を上から流す。
周囲に生地がはみ出すのでこれを手早く具材の上に折り返すようにのせてゆく。
ひっくり返して、上から押さえつけ平べったくする。
両面が良く焼けたら煮きり醤油を片面に塗って完成。
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