ハル子のキッチン | Tuesday, September 12, 2006 |
コトレッタ アッラ ミネラーゼ (ミラノ風カツレツ) |
コトレッタ アッラ ミネラーゼは、仔牛のリブロースを薄くたたき延ばして、きめの細かいパン粉をつけバターで揚げた料理です。 ノミナ アナトミカ(解剖学用語)はラテン語で表すのですが、肋骨をコスタといいます。コトレッタはカツレツのことですが、肋骨付きの肉を用いることが多いためか、コストレッタと呼ばれることもあるようです。したがって、骨付きででてくるのが正式なのではないかと勝手に思っています。 オーストリアには、ウィンナー シュニッツェルというほぼ同じ料理があります。ウイーン風カツレツという意味です。(実際は二つの料理は微妙に違うのですが、ほとんど一緒です。)オーストリアとイタリアは国境を接していますので、どちらかが影響を受けた可能性か大きいと思われます。どちらが発祥の地かは今も論争のあるところですが、個人的には、19世紀半ばのミラノ暴動の際に鎮圧に駆けつけたオーストリア軍がコトレッタのレシピを自国に持ち帰ったという説を支持したいと思います。イタリア人の食にかける情熱はすばらしいものがありますから、イタリアが先だったと考えるのが自然でしょう。 今でこそフランス料理は世界の花形ですが、中世にさかのぼればフランス料理はその基礎のほとんどをイタリアから学んだといわれるくらいです。フランス人が肉を手づかみで食べていた時代、イタリアではすでに食事の作法が確立していたのです。 私の好きな作家、村上春樹さんはその著書「村上朝日堂」のなかで自分の好物はヌードルが添えられたウィンナー シュニッツェルであると書いています。そして、正しいウィンナーシュニッツェルのあり方について熱く語っています。 確かに、コトレッタ アッラ ミネラーゼにおいても上手に作るのは難しいです。 単に肉を薄くして焼くのなら簡単ですが、薄く、むら無く揚げ、しかも表面がきめ細かでなければならないのです。もう、何回作ったか忘れてしまいましたが、未だに満足なできばえではありません。もっと上手に作れるようになって写真を差し替える予定です。でも、ミラノの料理人の腕はこの料理で試されるというくらいですから、それがいつのことになるかはわかりません。 仔牛肉なんてめったに食べられませんので、実際にはラム肉で作ることが多いのですが、ほんのりミルクの香りのするその肉を(仔牛の肉はさらに良い香り)ワインのビンで薄くたたき延ばし、少ない油でアロゼしつつ均一に色よく揚げます。さっくりとした食感に、レモンの爽やかな酸味が良く合います。ワインと一緒に頂きます。ミラノでは白ワインと一緒のことが普通だそうです。 さて、このコトレッタは幅が20センチ位ありますが、リブロースのリブの間にナイフを入れ、二枚におろすがごとくに切れ目をいれ(しかし切り離されないように)本を開くように広げると倍の表面積のコトレッタを作ることができます。 これを「象の耳」といい幅が40センチにもなります。普通のフライパンでは揚げられませんが、もしパエリヤ鍋をお持ちでしたらチェレンジしてみてください。 |
難易度 おいしさ 3段階評価だよ |
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レシピ
材料 4人分 | |||
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4枚 適量 適量 カップ1 2個 カップ2 カップ1/3 適量 数本 20g |
作り方 |
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