ハル子のキッチン | Tuesday, September 12, 2006 | ||
カシミールカレー |
私が(ハル子パパが)、大学受験に失敗し東京に始めてやってきて湯島の下宿で予備校生を始めたころ、よく上野周辺をぶらついていました。 そのころ私には、田舎者っていう切なくも悲しいコンプレックスがあり人と目を合わせないようにうつむいて道を歩いていたものです。実際は、東京に住むほとんどの若者は田舎者なんですが、当時は周りの人間がみんな東京育ちのおしゃれな都会人に見えたものです。 そんなある日、私は湯島天神から御徒町に向かう途中、デリーというカレー屋にふらりと一人で入ったのです。もう、それはそれは昔の話です。 カウンターにすわり、メニューに目を通すのですが、例によってぐずぐず迷っていると田舎者って思われる、なんて勝手に思い込んでいましたから、よく見もせずカシミールカレーを頼みました。言葉の響きに誘われたのでしょう。 出されたそのカレーを一口食べたときの衝撃を今でも忘れません。 口が焼け、胃が締め付けられるような強烈な辛さでした。 絶対最後まで食べられない、食べたら死ぬかもしれない。でも、ここは、この辛さはいつも食べてますから慣れっこですよって顔しなくちゃいけないっとか、すぐ水に手を付けたら苦しんでいるのがばれるっとか、顔色かわってないかなぁとか面子ばかりを気にしてました。ほんと根っからの田舎者だったです。(いまでは、そのころより田舎者になりましたが、、、) 結局、信じられないような精神力で最後まで食べきり、そ知らぬ顔で店を出ることに成功しました。でも、お店の方はお見通しで、あとで大笑いしてたと思います。 わたしは、店を出た後速攻自販機で、コーラを買って口に含みその刺激で更に苦しみ、頭が朦朧となりました。夏の暑い日でした。今でも鮮やかに覚えています。 東京の人は皆、こんなに辛いの食べるんだって勝手に勘違いをし下宿までふらふらと帰りました。ほんと、東京は恐ろしい所だって思いました。 その後、そのお店の近くにさえ寄り付きませんでした。 お店の人が分量間違えてたんじゃないかと、その後30年近く思い続けておりました。 たまたま最近雑誌にまさにこのデリーのカシミールカレーの記事を見つけ、このカレーが伝説的激辛にして麻薬的美味を誇るカレーであることを知りました。 今回は、雑誌の内容を参考に、私の思い出をたどりこのカレーを作ってみました。 もちろん本物とはことなります。本物には、タマリンドやビンダルゥは入っていないと思いますが、酸味を加えるために勝手に加えています。写真写りは本物に近いと思います。チキン以外の具が無いのです。 興味のある方は、作ってみてください。辛さを抑えたレシピになっていますが、激うまです。 |
難易度 おいしさ 3段階評価だよ |
アメ横大津屋スパイス・豆の専門店は、楽しいお店です。
珍しい調味料や豆はたいがいここで入手できます。たぶん。
カシミールカレーパウダーは 下をクリック |
ビンダルゥペーストは 下をクリック |
タマリンドは 下をクリック |
カシミールカレーパウダー 【250g】 |
GABANビンダルゥパースト 【330g】 |
タマリンド(エムリ) 【400g】 |
レシピ
材料 9人分 | |||||
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4個(大) 50g 4片 60g 2個 3個 3本 2個 3リットル 大さじ2 大さじ2 15粒 5本 大さじ2 大さじ2 小さじ2 小さじ1 適量 1500g 少量 大さじ1 大さじ1 大さじ7 30g 小さじ2、好みで増やす |
作り方 | ||
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2012年4月29日 日曜日 |
ナマステ、カシミールカレーです。 わけあって最近毎週作っていたので、我が家はカレーの良い香りがほのかに立ち込めています。いつも来る宅配のお兄さんが、仕事中におなかがすいてしまわないか心配です。 ところで天津に天津飯がなく、台湾に台湾ラーメンがないですが、カシミールにはカシミールカレーがあるのでしょうか。 あるかもしれないですが、普通日本でカシミールカレーと言ったらカレー専門店デリーの命の危険を感じる激辛カレーのことです。 しかしカシミールはインドの北なので、濃厚な料理がおおいと聞いています。デリーでいうならさ、らっとしたカシミールカレーよりも濃厚なコルマカレーが近いんじゃないでしょか。 ともあれ、我が家のカシミールカレーはデリーを目標にしているうちにだんだん独自の道を歩み始めて、今では鯖のへしこの糠を入れるまでになってしまいました。 これが結構おいしいんだけど、すでにカシミールカレーではなくなってますよね。 |