ダライ・ラマ法王14世が四国を訪問するのは初めて
 四国地区仏教会連合では、11月2日から4日にかけてチベット佛教最高指導者ダライ・ラマ法王14世猊下を四国に招聘し、四国特別講演・僧籍者向け講演・仏塔の開眼などの行事を行った。
 

 ダライ・ラマ法王14世の招聘は、2008年に愛媛県仏教会が提案し、2009年に四国地区仏教会連合を発足し実現したもの。


ダライ・ラマ法王 四国を巡錫

     ダライ・ラマ法王は、10月30日に来日し10月31日に東京で「三つの菩提心」と題して講演。11月1日に「科学者との対談」を行った後、2日に高松入りし四国八十八ケ所75番札所の総本山善通寺を参拝、樫原禅澄管長等と面談、昼食後愛媛県新居浜市の高野山真言宗萩生寺を訪れた。
     

世界平和祈念の仏塔開眼の様子

仏塔の開眼①
     萩生寺では、ダライ・ラマ法王14世がチベットからインドに亡命して50周年及びノ-ベル平和賞を授与されて20周年を期に建立された、ナムゲル・チュ-ルテン(チベット式仏塔)の開眼を行った。仏塔の開眼式には、ダライ・ラマ法王14世猊下、全日本仏教会会長・高野山真言宗管長松長有慶猊下、高野山真言宗の結集寺院、新居浜市仏教会寺院の他四国地区仏教会連合の僧侶ら40名が参加した。

     チュ-ルテンは、チベット語で仏塔を意味し、チベットでは釈迦の一生を八種類の仏塔で表現する。八つのチュ-ルテンは、釈迦の誕生(バ-ス)に始まり、涅槃(ニルバ-ナ)に至る。七つ目のナムゲルは、チベット語でヴイクトリ-を意味する。
     ナムゲル・チュ-ルテンの基壇には、チベット佛教最高指導者ダライ・ラマ法王14世猊下・全日本仏教会会長・高野山真言宗管長松長有慶猊下と萩生寺住職齋藤友厳のメッセ-ジが記されている。
     チベット密教と日本の密教がお互いに望む世界平和を祈念して建立されたことは、大変意義深いことである。

    ダライ・ラマ法王14世猊下と
    全日本仏教会会長・高野山真言宗管長 松長有慶猊下が
    世界平和を願って寄せ書きをされた。
     

世界平和祈念の寄せ書をする法王

寄せ書をする法王

世界平和祈念の寄せ書をする全日本仏教会会長・高野山管長 松長有慶猊下

寄せ書をする全日本仏教会会長・高野山管長

ページのトップへ戻る


ダライ・ラマ法王14世猊下のメッセ-ジ

     秘密真言金剛乗の興隆する四国仏教会連合より招聘状を頂戴しまし際に、チベットが隣国中国の軍隊によって侵略されて50周年を迎えた本年、平和祈念の所拠として肴有なるナムゲル・チュ-ルテンの供養塔を新たに萩生寺に建立された事を伺いました。これは誠に素晴らしく心より随喜賛嘆申し上げますとともに、世界が慈愛によって平和で満たされ、関係各位の皆さまが利他を基とする正法を享受されることにより、究極的には仏位を得られる事を三宝に祈願申し上げます。

    2009年9月19日

    釈氏の比丘にして説法師  ダライ・ラマ  

全日本仏教会会長・高野山管長 松長有慶猊下メッセ-ジ

     高野山真言宗萩生寺の境内に ダライ・ラマ法王14世猊下が四国に初めて巡錫された記念に、チベット式の佛塔 ナムゲル・チユールテンが建立され、ダライ・ラマ法王14世猊下が御自ら開眼供養されました。
     この佛塔には、猊下によって請来された身口意の秘宝が奉安されています。
     先祖を同じくする日本の真言密教とチベット密教が、ともに手を携えて正法を護持し、世界の平和と生きとし生きるものの安寧を祈り、さらなる仏法の興隆の願っております。

    2009年10月21日

    全日本仏教会会長・高野山真言宗管長 松長有慶  

萩生寺住職 齋藤友厳 メッセ-ジ

     ダライ・ラマ法王十四世猊下が、チベットからインドに亡命して五十年に当たる2009年秋、初めて四国を巡錫された記念に、このナムゲル・チユ-ルテンが建立されました。
     ダライ・ラマ法王十四世猊下と全日本仏教会会長・高野山管長・松長有慶猊下の枉駕を戴き、日本とチベットの密教が望む世界平和祈願の所拠である、ナムゲル・チュ-ルテンの開眼がなされましたことが、両国の秘密真言金剛乗のさらなる発展と仏教の興隆に寄与するものとなることを希望します。

    2009年11月2日             

    萩生寺現住  齋藤友厳  

ダライ・ラマ法王は「仏教者は皆兄弟」とおっしゃた

萩生寺にて①

記者会見をする、左から萩生寺住職 ダライ・ラマ法王猊下 松長有慶猊下

萩生寺にて②

ページのトップへ戻る


     世界平和祈念のナムゲル・チュ-ルテンの開眼法要の後、三者による世界平和を願っての寄せ書きの後、両猊下の対談が行われた。対談では、ナーガ-ルジュナや、般若心経の日本の解釈や信仰について話が弾んだ。
     対談のまえに行われた記者会見では、ダライ・ラマ法王14世のご意向もあり、全日本仏教会会長・高野山真言宗管長 松長有慶猊下と萩生寺住職が同席し記者の質問に答えた。

     法王猊下は、仏教者は皆兄弟だと話し、二人の肩を組んで喜びを表現された。
     世界平和祈念のナムゲル・チュ-ルテンの建立は、地元のテレビ局に留まらずインドやアメリカでも報道された。  

相互礼拝 相互供養

     翌11月3日には、愛媛県松山市の市坪西町にある愛媛県武道館で「自分を幸せにする生き方」と題して特別講演が行われ、6千人近くの人々が講演に聞き入った。
     講演では、人間は宇宙の中の地球という星以外では生きてはいけない。人々はそれぞれ相互依存の中で存在しているのだからお互いに慈愛を持ち、思いやりの心をもって接しなければならないなど、弘法大師のお説きになった「相互礼拝・相互供養」の精神をお説きになった。
     また、人間が本来持っている利他の行いをすることによって自らを幸せに導くことが出来るとお説きになった。
     今回の講演には、20代から30代の若者が多かったことは特筆に値する。

     11月4日にはスケジュ-ルの迫る中、午前9時から10時45分まで現代僧へのメッセ-ジ」と題して講演が行われ、僧籍者の質問に答えられた。
     中でも、諸法皆空であるのに歴代ダライ・ラマのような転生はどのように説明できるのかなどの質問に真剣に答えておられたのが印象的だった。
     僧籍者向け講演の後、12時30分の飛行機で沖縄へ向かわれた。
     ダライ・ラマ法王14世猊下は、弘法大師の生誕の地を訪問出来たこと、全日本仏教会会長・高野山真言宗管長 松長有慶猊下にお会いできたことに随喜するとともに、亡命50周年に世界平和祈願のチベット式仏塔が建立されたことに感動されたということです。

    本堂内部には
    世界初となるダライラマ・法王14世の像(木彫)
    が仏師によって制作された。

木彫を見たダライ・ラマ法王は、肖像にご自身でサインされた

ダライラマ・法王14世の木彫の像

ページのトップへ戻る

仏塔の開眼 ダライ・ラマ法王が世界平和を願って寄せ書 松長有慶猊下が世界平和を願って寄せ書 仏教者は皆兄弟 仏教者は皆兄弟 世界初となるダライラマ・法王14世の木彫の像 戻る

ページのトップへ戻る