音楽歴

その4

ノルウェー
時代 2
新学期。さっそく私の伴奏する人がバリトンのトーレ君に決まり、その後2年間専属に。初対面でシューマン「詩人の恋(全曲)」、ヴォーン・ウィリアムス「旅の歌(全曲)」その他、どさどさっと大量の楽譜をもらい仰天。
歌の伴奏は自分も歌う関係で一番好き。男声の歌は伴奏でないとやらないので非常に面白かった。

その頃ベルゲン交響楽団と合唱団のピアニストをすることになり、オケ大好き人間としてはエキサイティングな日々であった。詳しくはこちら

ピアノ科ではソロや2台のコンサートも経験するが、伴奏で引っ張りだこになり(来る話を断れないからです・・・)、歌曲講習会、オペラのオーディション、あらゆるところで弾いていっぱいいっぱいの毎日だった。歌の知識と多少の初見力に助けられた。

一度などベルゲン・フィルから電話があり(朝9時頃。実はまだ寝ていた)、スクールコンサートの依頼。寝ぼけていたのでOKしたら、本番は朝11時(当日)と言われ一気に目が覚める。
ガーっと支度してホールに直行。全く初見の曲(セーヴェルーのペール・ギュント)でしかもリハは終わっていた。打楽器の人に出だけ教えてもらいいきなり本番。意外に上手くいったが全く綱渡り。。。しかしこれ以降、幸か不幸か突然の仕事が増える。

ある日教会コンサートで(合唱のバック)チェンバロを弾くことになった。同じ鍵盤と高をくくっていたが、勝手が違う上、調律されておらずパニックに。機会があったらチェンバロ習いたいなー、と思う。

ピアノ科には3年在籍。最後はUTCという最上級クラス(当時まだ大学院はなかった)に進んだので、修了試験でノルウェー語の論文を書くハメに。ノルウェー語の添削のため友人のベニちゃん宅へ通う途中の雪道で、チェンバロの先生ハンス・K・スヴェーン氏に出会う。(これまた運命の出会い)
挨拶した後、なんだか話題に困って「私チェンバロ習いたいんです」とつい発言したところ、先生メチャメチャ喜んだので後に引けなくなる。次週よりレッスン開始。半年後にはまた入試を受けるハメに。

入試はチェンバロの他、前からやりたかった室内楽も申し込む。なんだかしょっちゅう試験を受けている気が・・・合格してまたまた留学が延びる。。。

いよいよ学年末の試験シーズン。
ピアノ科の修了試験は60分のコンサート。プログラムは

シューベルト:ピアノソナタ B-dur D960(遺作) これだけで35分・・・
ショパン:ノクターン op.15-2
ヒンデミット:ヴィオラとピアノのためのソナタ op.11-4

ハードルは高かったが、好きな曲ばかりで練習に燃えた日々であった。ちょっとやりすぎて腕を痛めたりピンチはあったものの、なんとかその時のベストが出せたように思う。

さて夏休み。久々に日本に帰国。合唱団の指導の手伝い、コレペティ(伴奏法)講習会受講の合間に、新学期に備えチェンバロ練習のため楽器店に通う。もうすぐ6年目の留学生活がスタートする。

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