なんでノルウェー?

「なんでノルウェーに行ったの?」
日本人ばかりか、ノルウェー人にもよく聞かれる質問です。
普通、音楽留学といえばウィーンとか思い浮かべますよねえ。
ノルウェーといえば北欧の中でもより日本から遠い果ての国
でも私の場合はノルウェーでなければ意味がなかったのです。
ズバリ、その訳は作曲家グリーグです。

グリーグ(Edvard Hagerup Grieg 、1843-1907)は
クラシックに詳しい方ならお馴染みの
ノルウェーを代表する作曲家
冒頭が印象的なピアノ協奏曲やペール・ギュント
宝石の詰まったような叙情小曲集が代表作です。

当時私は声楽を勉強していて
なにか良い曲はないかな〜とあれこれ聴いておりました。
そして出会った運命の曲(ちとオーバー)
グリーグの「春」という歌でした。
歌詞は聞いたこともないノルウェー語!

この曲、日本ではドイツ語からの訳で
「遅い春」と名付けられていますが
原題はただの何もない「春」です。(襟裳岬か?!)
原曲は歌曲、しかし言葉の壁のせいか
弦楽合奏の方が有名です。

とにかくなんて美しい曲!これノルウェー語で歌いたい!
そしてもっとグリーグの勉強がしたい!
それがすべての始まりでした。

早速ノルウェー語の先生を探しました。
これがなかなかいないんですねえ、
当時東京に住んでいたというのに。
いや、きっといたんでしょうけどネットもなかったし。
困った私はノルウェー大使館に電話をしました。
ご親切に教えていただいたのですが、個人レッスンは高額で
思うように勉強は進まず・・・
「それなら思い切って行った方が早いじゃん!」(無謀)

こうして留学への道は手探りながらもひらけていきました。
もちろんいろんな偶然や幸運に助けられての7年間でした。
言葉もよくわからなかった私を暖かく受け入れてくれた国
といっても決して過干渉せず適度に突き放すクールな国
私のノルウェーの印象です。

皆さんも機会がありましたら一度行ってみて下さいね。
時間のゆったり流れる、きれいなきれいな国ですよ。



西ノルウェー・ローゼンダールの春

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