HARMONIEN
ベルゲン交響楽団
定期公演より
 その2

1995年より1999年の帰国まで
ハルモニーエンこと ベルゲン交響楽団
ピアノ&チェレスタ奏者のお仕事をしていました。
オケと一緒に弾くほか、オーディションの伴奏
ソリストと指揮者の打ち合わせでの伴奏
同合唱団のコレペティ(練習ピアノ)など担当していました。
私にとって貴重な経験となったその日々の記録です。

1998年10月22日  グリーグホール
ルトスラフスキー:オーケストラのための協奏曲

指揮:Inger Bergby
ポーランドの近代作曲家、ルトスラフスキーのオケ作品でチェレスタを弾きました。
音楽が難解なので打楽器のメンバーが事前にCD聴いて勉強する、というので混ぜてもらいました。
楽譜と顔を付き合わせて入りなど確認するも・・・???ワカラン。
「待ってー、もう一度!」って感じでなかなか掴めません。
それでもこれをやったおかげでリハで困らずに済みました。
全部で3楽章の曲ですが動きの速い2,3楽章より、後半終わりまでずっとチェレスタが高音でトン、トン、トン・・・とトライアングルを打つように刻む所がある1楽章の方が緊張しました!
きっと「ボレロ」のスネアドラムの心境に近かったのでは・・・(止まれない、テンポをくずせない、出すぎない、といろいろ神経使いました)

1998年10月29日 グリーグホール
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ

指揮:Rolf Gupta
ピアノ:Jarle Rotevatn
2週続けてチェレスタのお仕事。簡単だけどけっこう重要なソロがありました。
チェレスタというのはピアノの鍵盤を弾くと鉄琴が中で鳴る、という仕組みになった楽器です。チャイコフスキー「くるみ割り人形」の金平糖の踊りでも使われてますね。オルゴールみたいでカワイイのですが、間接的に鉄琴を叩いているのでけっこうタッチが重いのです。
この時のソロは可愛い童謡みたいなメロディー。リハの時、この部分で指揮者が私を見ようとしたけど、大きな団員達の一番後ろにいるのでなかなか見つけられず・・・目が合ったら子供みたいなのが弾いてると思ったのかどうか、「クスッ」と笑われた・・・なんでー?
1998年11月26日 グリーグホール
プロコフィエフ:ロミオとジュリエット

指揮:Nikolai Alexeiev
ソプラノ:Janice Watson
この時はピアノとチェレスタ、同時に弾きました。
ロミオとジュリエットの前にソプラノの「修道女アンジェリカ」のアリアでちょびっとチェレスタを弾き、次はいよいよ大曲ロミジュリ!
これ、ピアノもけっこうたくさん弾くところがあって、もらった楽譜全部必死でさらっていったら「本番は抜粋。これとこれはやらない。」だって・・・先に言ってよ〜〜!
指揮者はロシア人でしゃべるのはドイツ語。
英語より聞き取れたけれど質問しに行くときは文法思い出すのに必死だった〜!。
本当に素敵な曲でこの時はやりがいもあり楽しかった!!
1998年12月3,4日 グリーグホール
プッチーニ:グロリアミサ

指揮:James Judd
テノール:Harald Bjorkoy
バス:Frode Olsen

合唱:Bergen Filharmonienske Kor
og kor fra Universitetet i Bergen,
Griegakademiet

ベルゲン大学グリーグアカデミーの合唱講座との初めての共同プロジェクトでした。
私は練習ピアノで参加。合唱指導は私のチェンバロの先生。先生はオルガニストでもあるので、合唱指導もされるのです。
それにしてもプッチーニのミサ。初めて聞きましたが宗教曲というよりはやはりオペラっぽい!珍しいですね。
ソリストのテノールはアカデミーの先生Harald Bjorkoy。思えば日本にいる頃最初に聴いたグリーグ歌曲のCDがこの人のものでした。
この時の本番は客席でゆっくり聴きました。初めてプログラムの表紙にコレペティとして名前を載せてもらったのもこの時です!
1999年5月6日 グリーグホール
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲

指揮:Ari Rasilainen

合唱:Bergen Filharmonienske Kor
og kor fra Universitetet i Bergen,
Griegakademiet

最後のコレペティのお仕事はストラヴィンスキーでした。
音取りもなかなか難しく、ピアノも大変だった〜!
しかも最後の試験の直前でもあり、いっぱいいっぱいでした。
難解な曲でしたがそれだけに出来上がっていく喜びもひとしお。
5月の末に試験、6月10日には帰国だったのでこの演奏会の後、合唱団の皆さんがお別れ会を開いてくださいました。思い出がいっぱい詰まった演奏会でした。

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