グリーグアカデミー室内合唱団

私の学校、グリーグアカデミーの声楽学生を中心にした
ボーカル・アンサンブルのグループが1995年に生まれました。
その名はグリーグアカデミー室内合唱団(Griegakademiets kammer kor)
頭文字をとって通称ガック(GAKK)
(現在はベルゲン・ボーカル・アンサンブルと改名)

メンバーは男女4人ずつの8人が基本でしたが
演奏会の度に増えたり減ったり・・・(モー娘。か??)
私は当時はピアノ科の学生でしたが、もともと声楽科だったのと
仲の良い友人達が中心だったので96年から入れてもらいました。

最初のプロジェクトはバッハのモテット「Jesus meine Freude」を教会で。
たしかそれが歌いたくて参加した記憶があります。
他にレパートリーはモンテヴェルディのマドリガル、
イギリス、ノルウェーの現代合唱曲等々。
演奏会兼講習受講でロンドンに行ったこともあります。

なかでも1996年と97年の夏、それぞれ2週間ほぼ毎日
観光客向けに開催したコンサート・シリーズは思い出深いです。

夏のベルゲンは観光客がわんさと来て
しかも日本人がすごく多かったので
(在住邦人20人に対して観光の日本人1日300人!)
英語と日本語の解説入りでコンサートをやって
お小遣いでも稼ごう!と誰かが言い出したのです。

最初の年は学校のホールで開きましたた。
ノルウェーの民族衣装ブーナードを着ることになり
私はメンバーが子供の頃に着ていた衣装を借りました。
(それでもブカブカでしたので、ピンで留めまくって着てました)
私が借りたのはベルゲン南部Fanaのブーナード
ハダンゲル地方の衣装と同じかんじのデザインで
胸元の青いリボンが特徴、ベルトと胸飾りは
手仕事のビーズ刺繍で100年くらい前の家宝だそう!
黒スカートにハーダンガーというレースのような刺繍が施された
白いエプロンが可愛いです。(一番下の写真参照)

公演はワンステージ50分くらいで、
ノルウェー民謡とグリーグの作品を中心に
ストーリーを持たせて動きもある楽しい舞台でした。
練習は大変でしたけど。。。

大体、ノルウェー人って個人主義で団体活動が苦手
みんな仲が良かったから何とかなったものの
意見はバラバラ、計画性もあまりないし。。。
私はズボラで適当な人なのでマヒしていたけれど
多分普通の日本人には相当疲れるかも・・・・?

ある時、宣伝のために早朝にホテルをまわって観光客に
アピールしよう、と誰かが言い出しました。
でもベルゲンを訪れる団体観光客って
大抵1泊なので、その日の朝宣伝しても
夜にはいないのです。
そう説明するのですが、若いみんなはそのアイデアに
盛り上がっていて、聞く耳持たず・・・

翌朝たしか7時には集合し、衣装に着替えて
主要なホテルの朝食時に歌いましたよ〜、朝っぱらから!
お客は大喜びだったのですが、私の予想通り
「ベルゲンの思い出をありがとう〜!」と旅立つ人ばかり・・・
3日もやると疲れ、また効果もないため
午後の営業だけに戻りました。
「MIHOKOの言うとおりだったね・・・」ですって!
みんな、もうちょっと考えようや!

ステージは好評で終演後には
メンバーと撮影会などで和気あいあい。
日本のお客さんの中には「感動しました」と
後日写真とお手紙を送って下さる方もいて
私の方こそ感激致しました。
あの時来てくださった皆様、ありがとうございました!

帰国した今もメンバーのみんなとは
メールやクリスマス・カードのやりとりをしています。
私にもムスメが生まれましたが、
結婚した人、子供が出来た人・・・
でも中心メンバーはまだ歌っているようです!

今年の6月、創立10周年ということで
ベルゲンに来ない?とメールが来たのですが、
本番の前の日だったため断念しました。
長時間の飛行機もムスメにはまだ厳しいし。。。
でもそろそろ私もベルゲンが恋しくなってきたので
近い将来またみんなに会いに行きたいものです。



97年夏のコンサートシリーズより。
様々な地域の民族衣装が楽しい。

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