外伝 バトル・フェスティバル

超満員の歓声と血湧き肉躍る興奮。

山間の村で見つけた旅の扉。気が付くとエン達は、格闘場のある異世界にいた。

冒険者の力を試す格闘場。モンスターグループと戦い、倒すと賞品がもらえる。もちろん、冒険者同士の大会もあり、日夜、大盛況である。

「格闘場とは、バーテルタウン以来だな」
「そう、ですね」
「ケン、あの大会に出たのか?」
「おぬし以外は全員出ているぞ」
会話している内に受付に着いた。

「モンスターバトルは4人1組です。A〜Gまでありますが、どれに挑戦しますか?」
「一番強いのでいい」
「では、Aクラスですね。1000Gになります」
「え、そんなに金持ってな・・・」
全員の視線がエードに向く。
「わ、私が金を出すのか・・・?」
「お願い、します」
「ルイナさんの頼みとあらば・・・」
無事に出場料を払う。まだエードの財布にはたくさんの札束が入っていた

「誰か1人ここで待つ必要があるんじゃが・・・」
「こんな明るい場所での決闘は好かん」
と言って、ミレドはどこかへ行ってしまった。

『レディース・アンド・ジェントルメーン!本日はなんと、Aクラスに挑戦者がでました!!』
ディーラーの声が響く。
「チーム『炎水龍具』です!!」
歓声が沸き立つ。
「それでは第1回戦、開始!!」
現れたのは、機械仕掛けのモンスターが3体。
「対戦相手は、『キラーマシン』3体です!!」
試合開始のゴングが鳴る。
「行くぞ!『五月雨』のフレアード・スラッシュ!!」
一振りで多数の敵に攻撃できる。しかし、金属音がむなしく返ってくるだけだった。

(あのキラーマシン、もしや・・・)
―我、汝に今願う。汝の力を使い、彼の者たちに力ある火炎を。極大なる閃光を―
「ベギラゴン!!」
強い閃光とともに、2体のキラーマシンが消し飛ぶ!!結界呪文『スカラルド』がかかっていたようだ。
しかし、もう1体は、エードの方へ向かっている。応戦しているものの、防戦一方だ。
すると、ルイナが水龍の鞭で縛り上げる。そして、良くはわからないが、透明な液体を出す。それは金属に触れた瞬間、煙を上げてそれを溶かしていく。
「エン、『業火』、です。」
「おう!『業火』のフレアード・スラッシュ!!」
鞭から解放されて間もないキラーマシンを、フレアード・スラッシュが直撃!同時に、灼熱の業火がキラーマシンを包み込む。
すると、敵は轟音をたてて、大爆発した!
(えっ、オレ何もしてねぇぞ!?)
(な、何が起こったのだ・・・?)
エンとエードは驚いて立ちつくしていた・・・。ファイマだけは、納得したようにうなずく。

少し遅れて、歓声が響く。
「第1回戦、勝者は、『炎水龍具』です!!」
そして、すぐに、
「第2回戦、開始!!対戦相手は、『チーム・カイザー・ドラゴン』です!!」
ゴングが鳴り、両チームは臨戦態勢に入る。
敵はギガントドラゴン、スカイドラゴン、それとリザードマンの上位種、ドラゴンロードだ。
先に仕掛けたのはスカイドラゴンだった。炎を吐いて襲いかかってきた!

「・・・(ブツブツ)・・・」
エードが何かを唱えている。
「バギクロス!!」
発生した竜巻は、吐き出せれた炎を吹き飛ばす!
ファイマが、ドラゴンスレイヤーを召還し、攻撃態勢に入る。
繰り出されたドラゴン斬りは、スカイドラゴンのウロコを切り裂く!!
「ガァァァァ・・・!」
「『龍殺』のフレアード・スラッシュ!」
スカイドラゴンは、浮力を無くしその場に倒れ込む。
休む間もなく、ギガントドラゴンは地響きを起こし始めた。
体勢が崩れた所に、すぐさまドラゴンロードのハヤブサ斬りが襲いかかる!

「――っ」

「ルイナ!」
「ルイナさんっ!!」

「大丈夫、です」
みかわしの服が幸いして、傷は浅かった。ルイナは自分の傷口に水龍の鞭をかざすと、見る見るうちに傷が塞がった!

ゴゴゴゴゴ・・・
どこからともなく、聞こえてくるような気がする・・・。あるいは、聞こえないのかもしれない。しかしそれは、確実に何者かの怒りを表しているのだろう。会場も興奮状態になる。

続く・・・

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