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-注文の多い百貨店-


□ □ □ □ □ 8階屋上 子供のアソビ場 □ □ □ □ □

 子供たちを遊ばせるための空間は、いろいろなものが置いてある。一番人気は、やはり小さな汽車などの乗り物。行列ができるほどの勢いだ。しかし反対に、全く人気の出ないものもある。百円をいれると、占いをしてくれる機械があるのだが、人気が出そうで全く人が寄りついていない。今日、初めて置いたから、常連客は「いつものが良い」ということだろう。おかげでさっぱり人が来ない……。いや、七人。七人の子供が、その機械に興味を持って百円を入れていった。
一人目:料理が得意になるが、一般的な食材には飽きてしまう。
二人目:有名なアイドルになるが、記憶を大事にすべき。
三人目:古いモノに注意。心が奪われる。
四人目:モノを大切に。気付かぬ所で、モノは悲しんでいる。
五人目:よく観察せよ。知らぬうちに大事なものが取られる。
六人目:注意深くなれ。あぶない目にあう。
七人目:注意はよく聞くべし。質素でも贅沢を求めてはいかぬ。
――「お、おい。なんでコレがあるんだ?」
「え? なんすか?」
「この機械、有名な占師が『人の運命を決める危険なものゆえ即刻廃棄せよ』って言ってたやつだ。上司の命令で、捨てることになったのに」
「そりゃあ大変だ。んじゃ、さっさと捨てちまいましょう」
 従業員二人は、早速その機械を廃棄処分したが、既に七人の子供たちがこの機械を使っている。
 その七人の運命は、どのようになったのだろうか……。

/了


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