100000HIT記念リク 15/おでこにチュウ(宇都宮・高崎)

 

*応急手当*

 

 

ごっちーん★

「いったぁあ!」
「つ…っ!」

ここは廊下の曲がり角。
慌ただしく小走りする高崎と、手にした書類に目を落としながらのんびり歩いて来た宇都宮が──見事に正面衝突!

長身の2人は互いにおでこを押さえ、激痛のあまりその場にしゃがみ込んだ。

「ちょっと…大丈夫?高崎?!宇都宮?!」
「超すげー音したなー」
「まぁ、本線の衝突じゃなくて良かったじゃない?」

目撃していた面々(たまたまその場にいたのは京浜東北、武蔵野、そして京葉)が駆け寄ると、高崎と宇都宮は互いにはうっすら涙が浮かんだ目でにらみ合う。

「うっつのみやぁ!この野郎!ドコに目ェつけてやがんだこの馬鹿!」
「それはこっちのセリフだよ!だいたい廊下を走るなんて小学生にも劣るよキミは!」
「…ああ、それだけ元気あるんじゃ大丈夫そうだね2人とも」
「大丈夫なわけあるか!こいつの石頭まともに喰らったんだぞ!」
「それもこっちのセリフ」
「あー、すごい、真っ赤に腫れてるよー、痛そうー」

京葉の言葉通り。
確かに2人のおでこにはぷっくりと膨らんだ真っ赤な痣ができている。

「冷やした方がいいんじゃね?医務室行ったら?」
「…まったくだね…こんなとこで言い合っててもしょうがない…行こうか、高崎」

武蔵野に促されて立ち上がる宇都宮だったが、高崎の方は動こうとする気配もなく、恨みがましい視線をぶつけるだけ。

「ほら、立ってよ高崎」
「うっせー!その前に謝れ宇都宮!」
「…責任は半々だろ?だったらチャラにしようよ」
「いーや!オレは行かない!お前が謝るまで行かない!」

どこの子供だよ…とギャラリーの3人はため息をつく。
こと宇都宮がらみのトラブルにおいて、高崎はたまにこうしてすごく意地っ張りになるのだ。

「行こうってば、高崎、立って」
「いーやーだ!」
「高崎」
「オマエだけ行きゃいいだろ!もうオレのことはほっとけ!」
「…仕方ないなぁ…」

と、人目もはばからず高崎の頭を抱き寄せた宇都宮は、そのまま唇を赤くなったおでこに落とした。

ぶっちゅ────っ★

「…な…ッ!?」
「げっ!!」
「あ、でこちゅー♪」
「………(ため息)」
「う、う、うっつのみやぁあああ!テメェ!」
「なぁに?消毒してあげたんじゃない、いけない?」
「音がデカイだろっ!恥ずかしいじゃねぇか!」

──ソコかいっ!!!

という皆の盛大なツッコミになど気付くことなく、高崎はすっくと立ち上がると、すでに医務室の方に駆け出している宇都宮を全身全力で追いかけ始めた。

「待てっ!このっ!てめっ!」
「あっははは〜♪ほ〜ら、つかまえてごらん〜♪高崎〜♪」
「……」
「……」
「……」

なんだあのやたらキラキラしたデカい輩は。

「……寒い……寒過ぎる……」
「おーい、うつのみやー、たかさきー、廊下は走っちゃダメだよー」
「…オマエはもっと他のことを注意するべきなんじゃねぇの?なぁ京浜東北?なぁ?」

しかめっ面で肩を震わせる武蔵野に、京浜東北は弱々しい微笑を向けた。

「いやもう…なんていうかね…あんまり干渉してもコッチが胃痛で医務室送りになるだけだし」
「あー…まーな」
「いいじゃない、別にー、2人仲良しさんでー♪」

この状況下、ひとり京葉だけが満面の笑みをたたえていた。

「素敵な魔法見ちゃったぁ♪ねぇ武蔵野?」
「…そうか?…オレはイロイロ萎えた気がする…」
「今度、武蔵野がケガしたら僕も同じことやったげる♪」
「…つつしんでエンリョします…つーか、やったら殴る」
「えー」
「“えー”じゃねぇ」
「ふふっ、武蔵野の 恥・ず・か・し・が・り・や さん♪」
「…よーし分かった、今すぐここにアタマ出せ京葉、そして歯を喰いしばれ」
「…やめてよキミたちまで…でないと本当に僕が頭痛で医務室に行くことになっちゃうからね」

そんな京浜東北の気苦労も知らず、窓の外では、廊下から飛び出したのであろう高崎の怒号と宇都宮の笑い声が高い空に響き渡っていた。

 

 

 


 2008/11/13