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「福岡」御饅頭所の碑 除幕式開く

 まんじゅう発祥の地とされる福岡市博多区博多駅前の承天禅寺(じょうてんぜんじ)で十一月二十九日、福岡市菓子協同組合(田中治雄理事長)は、菓子業界と商売繁盛を願い、御饅頭所の石碑を県立、福岡市内の菓子業者五十数人が集まり、記念の除幕式を開いた。

 この「御饅頭所」の碑は同寺開祖の聖一国師が、鎌倉時代の1241年に、南宋から帰朝し、現在の福岡市中央区西公園付近に上陸し、立ち寄った茶店の主人から歓待されたお礼に、粉ひきの技法や酒まんじゅうの製法を伝授するとともに、「御饅頭所」の木製看板を揮毫し、与えた。

 いま看板は、東京の菓子店「虎屋」にあり、今回「虎屋」さんの協力を得て、看板の、その文字を石碑に転写した。

 この記念の石碑を建立するに当たっては、田中治雄理事長(左衛門)をはじめ松江國秀氏(松屋菓子舗)石村僐悟氏(石村萬盛堂)高木美恵子氏(東雲堂)秋丸卓也氏(明月堂)石坂博史(ひよ子)原田健生氏(千鳥饅頭総本舗)橋本由紀子氏(二鶴堂)の八人が発起人として組合員から浄財を集めた。

 この日、朝から生僧の雨だったが、除幕式の間は雨もからりと晴れ上がり、境内の美しく色づいた紅葉が目にまぐしいほどで、除幕式には、東京の「虎屋」から阿武義夫専務取締役も駆けつけ、重厚な記念の石碑の完成を喜んでいた。

 「福岡は博多織に、そば、うどんも発祥で、この二つの記念の石碑はありましたが、饅頭の記念碑はありませんでした。いま、業界は厳しい状況ですが、これで、まんじゅうの発祥は、福岡市であることを積極的にPRして生涯繁盛に結びつけ、さらには業界発展の礎にしていきたい」と、田中治雄理事長(69歳)は力強く語っていた。

除幕式