揉み返しについて

 初めて施術を受ける方や運動不足の方、症状が重い方などは施術後に、揉み返しを起こすことがあります。
 これは『好転反応』とも呼ばれ、治ゆ過程で出現する生体の反応で、そのメカニズムは次の通りです。

< 病 態 >

 一般的に痛みのある部位は筋肉が緊張し、血流が悪く、知覚神経は鈍麻になっています。
 その部位に電気治療及び手技を施した場合、多くの方は筋肉の緊張が除去され血流の回復が起こることにより痛みが軽減されます。

 これは硬くなっている筋肉を揉むことにより、ごく小さな細胞レベルでの筋繊維の断裂や毛細血管の断裂が起こります。当然、細胞が壊されたので修復しようと体が反応します。
その反応により細胞は活性化され、リンパ管や血管が拡張し流れが悪くその場に蓄積していた発痛物質や老廃物が除去され、代わりに修復細胞が集まってきて体を良い状態へ修復していきます。
これが、生物に備わっている『自然治癒力』なのです。
施術の目的は、この自然治癒力を上手く引き出し早期に回復させることなのです。

 しかし、人によっては急激な血流の回復が倦怠感を生じさせたり、知覚神経の鈍麻が解消されたことにより神経が過敏に反応してしまい、より強い痛みとして感じるようになることがあります。
 この倦怠感は運動後に起きる筋肉痛に似ています。というのも運動をすると筋肉の細胞は壊れ、毛細血管も同様に損傷し、そこに疲労物質である乳酸が溜まり痛みを発生させます。
つまりマッサージした時と同じ現象が起きていることになります。

 また、細胞の活性化は神経細胞でも起こります。同じ発痛物質がそこにあったとしても神経細胞の反応が鈍い時は痛みとして自覚することはないのですが、施術したことにより反応が良くなったことで、痛いと自覚するようになるのです。
これが『揉み返し』の正体なのです。

 つまり施術前には筋肉の緊張等で体内の奥に隠されていた本来の悪い部分が表面に現れたためで、痛みは強くなってはいますが、身体が痛みを取る体勢になったことによる反応であり、一時的なものなので決して心配する必要はありません。

 当院では、なるべく揉み返しが出ないように心掛けて施術しておりますが、この反応は個人差がありますので、完全に防ぐことができません。
 揉み返しが出て施術に抵抗を感じる方は、お気軽にご相談いただけましたら、それに対応した施術に替えさせていただきます。