バネ指(弾発指) |
< 病 態 > 指の関節(中手指節間関節)の腱鞘部で起こる狭窄性腱鞘炎の一種で、更年期の女性や妊娠出産期の女性に多く起こります。 また幼少児の親指にも同様の症状があることがあります。 指の屈筋腱の腱鞘が肥厚し、それによる腱の絞扼により引っ掛かりが起こるようになります。 さらに、腱自身の肥厚も加わると、引っ掛かりの状態を悪くすることになります。 < 症 状 > 指の関節(中手指節関節)の屈伸運動が円滑に行えず、伸展あるいは屈曲時に途中で引っ掛かる。 親指・中指・薬指になることが多いです。 初期では朝のこわばりがあり、手を使っているうちに徐々になくなってきますが、中期では自力で指の屈伸はできるものの、 引っ掛かる感じが常時ある状態となり、後期には自力での屈伸ができず、反対の手で曲がってしまった指を伸ばさないといけない状態になります。 < 原 因 > 手の使いすぎや中年女性に発症が多いことからホルモンの関与があるように思われます。 リウマチの患者にもよくみられるので注意が必要です。 < 当院での処置 > 固くなっている腱鞘部に電療と手技を使った施術を行います。 また、肥厚部での腱の通りを良くするための運動療法を行い、関節部に特殊な固定(脱着可能)を施して、指の引っ掛かりの防止と腱鞘部の広がりをサポート致します。 ただ、症状が重度のものは改善までに日数がかかるため、早期回復を希望される場合は、病院での手術などをお勧めしています。 神中整形外科学 各論 編集:天児民和 南山堂 |