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最初の印象


 正直な話、「またヘンな連載が始まったな」という印象しかなかった。
 それが初回の感想の全てです。

 この作品が載った時、我が家では「二次元堂」というコミック専門サイトを
 運営していました。
 当時の記録を調べると、確かレギュラー陣の大型連載がいくつか終了して、その後に
 短期連載がいくつか載っていて、「プロです!!」はその中の一つ、という程度の認識だったような。

 まぁ、個人的な意見を言うと「初回の作画ではちょっと厳しいかな」と思ってました。
 その後、恐ろしく安定した内容に驚かされる事にはなるのですが「これは地味だなぁ」って。
 安っぽいインパクト勝負ではなく、トータルバランスの高さで攻めている事に気付くのは
 3話に入ってからのことでしたね。

 いつも通りの白泉社のやり方なら、短期連載をいくつか出した後、生き残ったものだけを
 ピックアップしてレギュラー扱いに昇格する手段をよく使ってたようなんですが、どうも
 この作品は最初からそういう路線では進んでなかったような気がします。
 もう、最初からレギュラー狙いの直球勝負、やる気十分、とでも言うような。

 当時のヤングアニマルは面白い構成を持った雑誌で、どうしようもないエロとか暴力とかの隙間に
 それはもう明らかに場違いな、とんでもない名作がビシッと挟まっている、そういう体裁になっていました。
 どうやら本作品もそういう路線で採用されたものらしい、というのがよく分かりました。

 なんか妙な作品だな、とか、この絵ではちょっと厳しいぞ、とか思ってる内に、話の内容に
 引き込まれてファンになってしまう、そんな感じが特に印象に残っています。
 特に、手抜きなしの一切崩れない作画、小物の描写の緻密さ、よく練り込まれた台詞回しと
 リズムの良い場面展開にはいつも目を奪われっぱなしでした。

 そんな経緯があって、まさに自然発生的に、二次元堂最後の大型コンテンツが始まりました。