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筆記具改造センター
めざせ自分仕様!カスタマイズのススメ。

■トンボ AirPress + コクヨ 鉛筆シャープ 0.9mm

 真の現場仕様のボールペン、それがトンボのAirPressである。
 
 以前、本体と替え芯を大量に買い集めたことがあったのだが
 屋外の作業が多い農家ではとても重宝している。

 一方、シャープペンもよく使う。それも0.9mm仕様を。
 AirPressのボディで0.9mmのシャープがあったら最高なんだけど、そういうものはない。
 で、酒に酔った勢いで作ってしまった。

 さて、おおまかな作り方を説明しよう。

 
 まずはAirPressを分解。
 分解ポイントを見つけるのにちょっと時間を要した。
 写真の部品の他にスプリングが2個、圧送メカの前後に入っている。

 
 鉛筆シャープを分解。先端をネジるだけで外せる。
 Campusジュニアペンシルでも同様。
 AirPressのボディカラーによって、どれを使うか選ぶと良い。

 
 鉛筆シャープの中身を切り詰め、固定用の穴をあけてノックボタンを差し込む。
 移植前同様、後端部から1mm引っ込んだところで切っている。
 外観を重視するならあと0.5mm長い方がいいのかも知れない。

 ここでAirPressの先端と後端を移植すれば完璧なんだけど、色々考えた末、やらないことにした。
 真の現場仕様は実用性と機能性とスピードが命。夜に作って翌朝使えなくては意味がない。
 工具を買うのに東急ハンズまで行くとか、接着剤が固まるまで24時間待つとか
 そんな悠長なことは言ってられない。


 
 
 鉛筆シャープをAirPressにビルトインするには先端部と後端部のボアアップが必要。
 先端部はメカの固定を兼ね(圧入して固定する)後端部はノックボタンのガタつきを
 抑える機能を兼ねるので、いずれも慎重に削ること。
 先端は6mmに拡大した後、リーマーで慎重に削る。
 後端は6mmに拡大して、引っ掛かるようならヤスリで削る。
 リーマーはNo.1(3〜12mm)、ヤスリは鉄工用の目の粗いものがおすすめだ。
 しつこく現物合わせをして寸法を合わせること。

 AirPressの本体は630円もするので、失敗すると出費が高く付く。
 先端は圧入だけで固定され、後端はノックボタンを頻繁に押す。
 つまり、削り過ぎればガタが出る上に中身が飛び出す惨事が待っている。
 くれぐれも慎重かつ丁寧に削ってもらいたい。

 
 あとは、分解の逆の順序で組み立てれば完成だ。
 ボアアップの精度さえしっかり出ていれば、先端をキツめに圧入するだけで精密に固定される。

 
 この軽快さ、この機動性。
 強力なクリップと太い芯が屋外でのメモ書きに絶大な威力を発揮する。
 もう鉛筆には戻れない。

 
 比較。
 上が改造前のAirPress、下が改造後。こういう製品があってもおかしくはない。
 (上はグリップの出っ張りを削ってある)
 真ん中の窓から中の芯が見えるかと期待したのだが、これはうまくいかなかった。

 今回は屋外の速記や普段のメモ書きを想定して0.9mm仕様にした。
 アイデアスケッチやイラストの下書き用途として考えると、1.3mm芯のクリップなし仕様も魅力的だ。
 絵描きの人が狂喜乱舞しそうなプロダクトになる予感がする。
 まあ、いずれそのうち酔った勢いで作るかも知れないし、やらないかも知れない。