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> ハンダゴテとコテ台に関する研究
■重要なのに見落とされる
ハンダ付けのことを考える時、大事なのはハンダゴテと糸ハンダ。
それが世間一般の常識だ。
コテはニクロムヒーターよりセラミック、できれば温度調節式。
これも誰でも考えるポイントだ。
でも、コテ台のことを真剣に考えてる人は少ないらしく、ある人は針金と
ベニヤ板、ある人は灰皿と、このあたりは昔から全然進化していない。
店先にあるコテ台が旧態依然の姿なのがその証拠だと思う。
経験のある人はお分かりかと思うが、灰皿などにコテを平置きすると
何かの拍子に転がって事故の元になる。
斜めに差して保持するタイプは重心が高く倒れやすかったり、大きすぎて
場所を取ったり、コテの相性が悪いと過熱して破損することもある。
セットで買ったけど結局使ってない、HAKKOのコテ台。
コテ台に求められるのは、確実に保持できることと、倒れたり転がったり
しないこと、それと場所を取らないことだ。
斜めに差すタイプなら角度や高さを変えられる構造がいいだろう。
■市販品を改良してみる
コテ台の定番、gootのST-11だ。
大きさ、重さともに文句無しの逸品だが、コテを保持する位置が手前すぎるし
高さも角度も良くない。
クリーナーとしての使い勝手がいいだけに惜しい。
コテ台はネジ留めだから、ここに穴あきプレートとネジを使って
新しいコテ台を作る。
できるだけ低く保持して重心を下げるのだ。
手持ちのネジで確かめたところ、ネジ穴はJISのM5と判明。
頭の形状はトラスが最適、なければナベ頭でもよい。
ワッシャーとスプリングワッシャーは緩み止めに使っている。
我が家ではM5x20を使っているが、M5x15からM5x25までは問題なく使える。
多少長さがあれば高さを調節できるので重宝するだろう。
プレートの穴はコテに合わせてリーマーで広げるのだが、穴のふちを丁寧に
ヤスリで丸めるのがポイントだ。ここをサボるとコテ先が傷んで寿命が縮む。
写真は自分仕様のため約25度の仰角をつけている。
万人向けのセッティングとして、ネジの高さを目一杯下げ、仰角を約45度にすると
ちょうどいいかと思う。
机にコテ先が接触しないよう注意すること。
スポンジの三角穴も大事なポイント。
丸い穴や細長い穴をあける人が多いけど、ノコ刃のように穴をあけると
ハンダが落としやすくなる。
穴のふちが直角になってないとハンダ落としの効率がガタ落ちになるので
新品を切る時は一度水分を吸わせて乾かし、デザインナイフで丁寧に
切ることをお勧めする。
素早くハンダを落とせばコテ先の温度変化も少なく、長持ちする。
■倒れないコテ台を自作する
ホームセンターにある精密クランプ、それと穴あきプレートがあれば
コテ台を机の外へ追い出すことができる。
クランプの側面に穴があることを利用したものだ。
コテが机の外にあるから火傷や事故の心配が少ないし、複数同時に保管できる。
しかもクランプでがっちりホールドされているから倒れることがない。
コテ台の下にハンダくずが落ちないよう、適当な容器を取り付けること。