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地デジをアナログで編集する
ここのコンテンツも、随分長いこと更新が続いている。
基礎編の原文を書き始めたのが2006年の10月だったから、かれこれ5年近く
ビデオ編集の記事を書き続けていることになる。
2010年7月、我が家のテレビを買い替えた。東芝のREGZAである。
外付けのHDDに録画ができ、対応するレコーダーへ転送してDVDに焼くことができる。
その一方、従来のコンポジットビデオの出力もあって、SD画質ではあるが
ダビングする機能が用意されている。
一般的なハードディスクレコーダーや外付けのデジタルチューナーは出力方式が
複数あって、SD解像度ではレターボックス、スクイーズ、パンスキャンが選択できる。
しかしREGZAのアナログ出力は480iのスクイーズ表示しかない。
つまりワイド画面を4:3に圧縮して送り出すということで、これを16:9に引き延ばして
取り込めないとDVDを焼くことができない。
そしてDVDに記録される映像は640x480の一種類のみで、アスペクト比を示す情報で
4:3表示と16:9表示が切り替わる仕掛けになっている。
最初からワイド専用に作っておいて、モニターで引き延ばして表示する方法もあるが
これはDVDの規格に準拠するやり方ではないし、従来の4:3のモニターやPCの画面では
正しく表示できない。
レターボックス表示で取り込んでDVDを作ると、上下の黒帯の領域は捨てていることになる。
ワイドモニターでズーム表示させれば黒帯は消せるが、画質は悲惨なことになる。
上下の領域を活用するには最初からワイド画面に対応する記録方式が必要なのだ。
ワイド画面で表示されるDVD。
我が家で使っている従来からの機材で、これが可能になる。
いつも取り込みに使ってるADVC-55、それと旧型のiMovie、旧型のiDVDで
どこまで可能なのかをここで明らかにしようと思う。
iMovie HD 5.0.2では、新規プロジェクト作成時にフォーマットを選択する。
今まではDVを選んできたが、今回はDVワイドスクリーンを選択。
更に環境設定を開き、「自動DVピラーボックス&レターボックス」のチェックを外す。
(このチェックが入っていると、4:3を16:9に引き延ばすことができない)
あとはいつも通りに取り込んでいけばいいのだが、ワイドDVで取り込んだ映像は
編集前に「アップデート」と称される後処理が行われる。
52分の映像を取り込むと、この後処理に30分必要だ。
その後、編集作業やチャプターの打ち込みは従来通り行い、iMovieを経由して
iDVDを起動させると、アスペクト比を示す情報が送られる。
メニュー画面の作成手順は従来通り、DVDの作成も従来通りで良い。
残念なことにメニュー画面だけは4:3のままだが、本編は16:9で表示される。
あとはDVDプレーヤーが情報を読み取って、最適な表示に切り替えてくれる。
4:3のモニターなら本編がレターボックス表示に、16:9のモニターならメニューが
ピラーボックス表示になる。
稀に、激安量販店のDVDプレーヤーでこの情報を正しく解釈しないものがあるが
本編の表示をモニターに合わせて回避すること。
プレーヤーによっては16:9オートと呼ばれる表示機能があり、4:3のメニュー画面を
自動で16:9に引き延ばして表示する。
この場合はメニュー画面の素材を16:9で作り、4:3に縮めると見栄えが良くなる。
(ただし、DVDの規格に準拠する機能ではないので、あまりお薦めできない)
今回の作業で注意すべきポイントは以下の5項目だ。
新規プロジェクトをDVワイドスクリーンに設定すること
環境設定を確認し、「自動DVピラーボックス&レターボックス」のチェックを外す
取り込んだビデオの後処理に時間が掛かる(52分の映像で30分必要)
メニュー画面は4:3のままである
正規の規格に準拠したワイド画面を示す情報を解釈しないプレーヤーが稀に存在する
いくらハイビジョンだ、デジタルだと言っても、そこまでの高画質を必要とする
コンテンツは数えるほどしかない。テレビ番組の質が悪すぎるのだ。
全然笑えないお笑い芸人、報道と称するバラエティ番組、深夜の出来の悪いアニメ。
まるで小学校の学芸会のようなドラマ。
今までの機材を駆使する場面は、むしろ増えて行くと断言する。