Canonet G-III QL17

 
1972年発売。
 キヤノンがまだ良識ある写真機メーカーだった頃の
 数少ない傑作のひとつ。

 これは二重像合致式の正統派レンジファインダーで
 写真機の大衆化に貢献したロングセラー。
 コニカC35と同様、キャノネットシリーズも何機種かあり
 後期型の中ではこの機種がスタンダードモデルである。
 最大の特徴は、F1.7の大口径レンズ。
 今なお古臭さを感じさせないモダンなデザインもポイント。

 話によると、このモデルの完動品を必死になって探している
 コレクターが多いという。
 かつての大衆的ロングセラーが、今は収集家の標的に
 なっているというのは、何だか皮肉な話である。

 特にこのカメラのレンズは色彩描写と解像力に優れ、天候に
 恵まれない条件や渋い発色を表現したい場合などに力を
 発揮する。
 写真を撮ってこそ本当の性能が分かる、いいカメラだ。

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