CONTAX Aria (Type D)

 1998年発売。
 Ariaとは「独唱、詠唱」の意。

 大型で重量級、上級者向けのカメラの多いコンタックスには
 珍しく小型で機動性が高い上、中古品でも故障が少なく
 初心者に安心して勧められる数少ない機種だ。
 近年発売されたカメラの中ではファインダー倍率がかなり高く
 手動での合焦操作も容易に行え、更にボケ味の再現性も良い。
 ファインダー内での色再現が正確なのも嬉しい。

 もはや説明の必要もないが、最大の武器はツァイスレンズ。
 20世紀初頭から始まった写真文化の中で、これを語らずして
 レンズは語れないとまで言われる傑作だ。
 ツァイス社の特許である
T*(ティースター)コーティングと相まって
 夕方や曇天などの光線条件の厳しい環境で最強の実力を発揮する。
 また、小型の入門機ながらミラーショックは格段に少なく
 低速シャッターを多用する場合にその恩恵を受けることができる。
 若干タイムラグが大きくなる欠点も併せ持ってはいるが、動体撮影で
 使うようなカメラではないので問題はないだろう。

 Aria Dは標準仕様のAriaとは異なり、背面にデータバックを搭載し
 絞りやシャッター速度、露出補正量などの撮影情報をフィルムの
 コマ間に記録する高度な機能を持っている。

 遊び撮りから本気撮りまでを幅広くこなし、しかも画質は最上級。
 伝説のツァイスを気軽に使うには最高の一台だ。


機材一覧に戻る