高野山へ行こうと思った。が、思いのほか遠い。泊数を増やしても夜がヒマなだけだし、移動だけで1日使うのもなーということで、夜行バスで奈良に向かい、半日奈良で過ごすことにした。時代順というコンセプトにもちょうどいい。朝の6:30頃奈良に着いて東大寺へ。天気はあいにく雨。早朝で人がいないので鹿にグチる。
パワースポット4:東大寺
http://www.todaiji.or.jp/
最初の官寺、四天王寺から150年あまり。東大寺の大仏が開眼した。東大寺の大仏は有名すぎて今さら私が語るまでもないが、飛鳥で蒔かれた種がここまで立派に花開いたのだなーと感慨深い。春日大社も回った後、春日荷茶屋(かすがにないぢゃや)でブランチ。一応、お腹がすいた時用にカロリーメイトは持っていたのだが、バスに揺られて降りた時は少々気持ち悪く、これが本日第1食目。歩いているうちにお腹もすいてきてちょうどよい。結局、柿の葉ずしとデザートもついた豪華な方のセットにしてしまった。万葉粥は月によって内容が変わるそうだ。今月は赤米と小豆のお粥だった。
http://www.kasugataisha.or.jp/h_s_tearoom/ninaityaya/
お昼過ぎに奈良から新今宮に出て、新今宮14:02発南海電鉄特急こうやで高野山を目指す。
飛鳥で蒔かれた種のもう1つが遣隋使な訳だが、それが遣唐使になって空海さんが帰国したことで、こちらも立派に花開いた。
最近はお寺より神社やパワースポットの方が人気のようだが、それは人間も自然の一部であるという認識が強いからかなと私なりに分析する。人間が自然界において特別な存在なのかどうかは、かなり議論の分かれるところだ。ただ、飛鳥のところでもふれた通り、日本に仏教が伝わった頃は人間たちがあまりにも本能のままに生きていて、本能に対するアンチテーゼとしての禁欲、が日本のお寺の1つのテーマなのかなと思う。禁欲と禁則は違う。そこを取り違えないバランス感覚が日本が平和な理由の1つかなと思ってみたり。もちろんお寺にもパワースポットはある。
パワースポット5:高野山
http://www.koyasan.or.jp/meguru/sights.html
なんてことを考えているうちに列車は橋本を通過。橋本を過ぎたあたりから山の中に入っていく。思った以上に山である。極楽橋でケーブルカーに乗り換える。これがかなりの急勾配。ケーブルカーができた時は空海さんもさぞかし度肝を抜かれたことであろう。15:30高野山着。
今夜のお宿は宿坊一乗院。お料理がおいしいのは一乗院、という口コミに導かれ、やってきた。お坊さんが出迎えてくれる。夕食は17:30と少々、早め。お寺なので早寝早起きが基本だ。お料理は当然、精進料理。「明日からお肉禁止」と言われたらショックだったろうな、と現在に置き換えてみたりするが、もしかしたらその制限にこそ工夫が生まれるのかな、と精進料理を食しながら思ってみたりする。
精進料理メニュー
先付け:じゅんさい、オクラ、マイクロトマト
平椀:水無月豆腐
香の物
吸物
大葉と柴漬けの飯蒸し
八寸:湯葉山椒、ちまき麩、ぶどう豆他いろいろ
冷し鉢:賀茂茄子の精進麩射込み
油物:姫人参、万願寺ししとう、小茄子、花茗荷、赤梅、ヤングコーン
お造り:汲み上げ湯葉、あしらい一式
季節のデザート
どれも美味で、野菜だけとは思えないくらい、お腹がいっぱいになった。その日は早く寝て、翌朝は6:30から朝のお勤めに参加する。メインのお坊さんの声がなかなかの美声。美声のお経を堪能したあと、7:30から朝食。早起きは、してしまえばすがすがしい。雨も上がっている。宿坊はとても清潔でお風呂もきれいでお布団もふわふわ。とても居心地がよかった。
チェックアウトしたあと、まずは中の橋案内所の方から、緑の香りに癒やされながら奥の院の御供所の辺りを目指す。昨日雨が降ったからか、木々がいきいきしてみえる。歴史グルメ旅的にどうしてもみたかったのが生身供(しょうじんぐ)。実は空海さんはまだ生きていて修行をなさっているらしい。なので6:00と10:30にお食事をお持ちすることになっているのだ。お食事係はあじみ地蔵(上の写真右)から出発する。あじみ地蔵は文字通り、味見の係だ。「う~ん、ちょっと塩が足りないかな。」なんていう妄想をしてみる。正確には毒味なのかもしれない。
伊勢の天照様にも料理番がいるし、神様もご飯を食べるという発想が、あったかい。お食事係を見送った後、私も御廟橋を渡って弘法大師御廟にお参りした。何とも言えずおごそかな気持ちになる。帰りは一の橋の方から。高野山には数々の戦国武将たちのお墓がある。ただ、開山からは何百年も後の話だが。その後、金剛峯寺や壇上伽藍などをみて、かなり遅くなってしまったが、角濱ごまとうふでランチをした。
胡麻豆腐は精進料理の1つで、角濱の胡麻豆腐は生身供にも使われているそうだ。胡麻は縄文時代から既に日本にあったらしい。胡麻豆腐は正確に言うと豆腐ではないが(大豆は使われていない)、大豆の加工製品が伝わったのも奈良時代と言われている。
いろいろな胡麻豆腐料理が食べられる胎蔵懐石にしてみた。曼荼羅っぽくお皿が配置されていて焼豆腐や、ひりょうず、白和えなどがある。真ん中のきのこソースもいいお味。
http://www.gomatohu.com/kadohamagomatofu.html
高野山、あったかい気持ちになれてとっても楽しかった。今回、ブログはグルメ要素ばかりになってしまったが、仏教を体感できた旅だった。