あなたのいない未来。
そんなものなど、いらない。
咲き乱れるのは赤い花。
陽が当たるように飾った窓際。
水を与えるあなたの笑顔を、
私はいつも眺めていた。
あなたが消えてしまった景色は、
さも、それが自然だと言うようで、
満たされては、溢れるばかり。
零れてしまえば、返ることはない。
あのまま、あなたの隣なら、
笑っていられると思えたのに、
今さら、永遠などないと言うの?
もう、動かない。
冷えていくあなたの身体を抱いて、
どんなに手を伸ばしても、褪せてしまうなんて、
知りたくなかった。
伸び始めたのは影法師。
赤い余韻が薄れる窓際。
水を飲めずに枯れていく花を、
私は今も眺めている。
静寂で埋められた部屋には、
もう、私の居場所なんかなくて、
満たされては、溢れるばかり。
零れていくのは、花びらだけじゃない。
独りで生きていけるほど、
私は強くなんてないのに、
どうして、あなたは置き去りにしたの?
もう、動かない。
冷えていくあなたの身体を抱いて、
どんなに泣き喚いても、褪せてしまうなんて、
知りたくなかった。
私の頬を撫でた手も、
寄り添い、温め合った身体も、
何度も重ねた唇も、
私が愛したあなたは全て、
もう、戻らない。
冷えきったあなたの身体を抱いて、
どんなに想い続けても、散ってしまうなんて、
知りたくなかった。
あなたのいない未来。
そんなものなど、いらない。
いらないのに……。
前回、だいぶ『アレ』なものを見せてしまったので、今度は多少、まともなもので。
それでも、内容が黒いのは、ほら、うん、だって、こういうのしか書けないんですもの! 許してよ!
とは言え、今回のような『ひどい別れ』って、僕は経験したことがないです。
その昔、おなご様とお付き合いしたことがあったんですけれど、彼女達とは別れた後も仲良しさんです。
まぁ、若過ぎたが故の淡白な交際だったからかも知れませんが。
他にも、大切な人に死なれたことなんて、全くありませんし。
そういった経験がないのって、本当に幸せなことなんだと思います。
僕、幸せ者。えへへー。
でも、生き続けていれば、避けられないことなんでしょうね。
その時は、この詩みたくなってしまうのでしょうか?
うーん……。