「ねぇ、いい加減、煙草なんてやめたら?」
「いや、無理だね、うん」
「どうしてよ? お金はかかるし、健康には悪いし、吸わない人にも嫌がられるし、ろくなことがないじゃない」
「まぁ、子供にゃわかんないのよ、煙草の魅力は」
「子供って――。はぁ、そんなもんかねぇ?」
「そんなもんさ。つーか、その忠告はアレよ? うら若き乙女に向かって、『恋するのをやめろ』って言ってるようなものよ?」
「……。いやいやいや、その喩えは間違ってると思う」
「違かぁないわよ。どっちだって、はまり込まなければ、どれほど楽になれるか――」
「わかってんなら、やめなさいよ」
「ったく、これだから子供は嫌よねぇ。わかっててやめられるんなら、誰も苦労なんてしてないっつーの」
「そりゃあ、そうだけど……」
「それに、酒と煙草は人生のお供。あたしゃ、ヤツらに恋してる!」
「…………。あぁ、人間の恋人に振られた時、一晩中、付き添ってもらうくらい恋してるもんね」
「なっ! おまっ、それを言――。別に、いいんだもん! 男はすぐにいなくなるけど、ヤツらはあたしと一緒にいてくれるんだもん!」
「どっちが子供よ……」
「あと、恋より安く買えるし」
「はぁ、そんなもんかねぇ?」
「そんなもんさ」
♪分かっちゃいるけど やめられねえ(植木等)(ご冥福をお祈りします)
ということで、自分にとって、マイナスになることでも、やめられない。
お金だって、やたらとかかるのに、やめられない。
やめれば楽なはずなのに、どうしても、やめられない。
そんなところが似てるなぁと思いまして、『酒・煙草≒恋』というコンセプトで書きました。
うわっ、何、この真面目腐ったコメント!
ちなみに、当方、嫌煙家でして。
いや、まぁ、『嫌』と申しますか、『反』と申しますか、『苦』と申しますか、とにかく、煙草は駄目なんです。
なのに、周りがみんな、ヘビースモーカーという大惨事。
ことあるごとに、禁煙を勧めてはいるのですけど、まぁ、誰一人として、やめませんでね。
そこで、『なぜ、煙草を吸うのか?』について、友達(♂)に訊いてみたところ、『かっこつけと現実逃避』という名言をいただきました。
なるほど、ファッション性と精神衛生上の問題かぁ。
何だか、いかにも、現代の若者っぽいですね。
こーゆー、やたらと人間的なことを言われますと、寛大に見てやりたくなっちゃうのが、不思議です。
だからって、僕に煙を吹きかけるでない!
僕に吹きかけてもいいのは、熱い吐息だけ!
でぶっこさんの熱い吐息だけ!
ってゆーか、ごめんなさい!