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製造工程

2006年11月30日投稿

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「そうじゃない! うん、そうじゃないのよ!」
「急に、何を言うかと思えば……。で、何がそうじゃないの?」
「だから、思い出っていうのは、作るものなんかじゃなくて、心に残るようなことをした後に、自然とできていくものなのよ! ねぇ、そうでしょ?」
「えぇ、まぁ、確かに、そうかも知れないけど――」
「つまり、あの時の『二人で思い出、作ろうね』っていう台詞! あの台詞は、こーゆー事態を見越してのものだったんだわ。よくもまぁ、あんな、抜け抜けと――」
「……? 何の話?」
「ということは、あいつは最初から、あたしの思い出だけが欲しかったのか……。許せない。あたしを思い出だけの存在になんか、しないでよ!」
「あー、要するに、また振られたのね」
「『また』って言うな!」
「ははは。あんたも大変ね」
「…………」
「元気出せ」
「……、うん。慰めてくれると、嬉しい」

何だか、『思い出、作ろうね』的な言葉を、よく耳にする気がいたします。
その度に僕は、違和を感じるわけですよ。
『思い出を作るために、それをしている』んじゃなくて、『それ自体を楽しもうとしている』だけなのになぁ、なんて。
でも、まぁ、それを言うのは、野暮だったり、揚げ足取りだったり。
その結果、こんな所でちょこっと囁いてみる小心者です。

とりあえず、そんな台詞を言う男(女もですけど)には要注意。
考えて喋ってない証拠ですから。
思い出にする気満々ですから。
気をつけて!
泣きを!
泣きを見てからじゃ遅いんですよ!
自分の身は、自分で守らないと!(昔、嫌なことでも?)(いえ、そういうわけではないんですけどもね)

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