「ねぇ、やめなさいよ」
「…………」
「嘘なんかついて、どうするのよ?」
「…………」
「いいじゃない。正直に生きれば」
「…………」
「これが本当のあたしなんだ、って」
「…………」
「ねぇ、聞いてるの?」
「……。それで何? あたしの化粧は濃いって、あなたはそう言いたいわけ?」
「いや、別に。ただ、もう少し素直になった方がいいんじゃないかと思って――」
「嘘つけっ!」
「とんでもない。お代官様の嘘には負けますわぁ」
「おっ、お前!」
『毎日、化粧をするなんて、女の子は大変だなぁ』なんて、つくづく思います。
1分1秒だって惜しい朝の時間を、化粧に割くとは。
僕だったら、相当な時間をかけてしまいそうで(鈍臭い)、やってられませんよ。
聞いた話、最近は、小学生でも化粧をするのだそうで。
『その年頃の子専用の化粧品』ってのがあるらしいですよ。
素肌で勝負できる間は、そのままでいいでしょうに。
そう言えば、明らかに化粧が濃すぎな方も、いらっしゃいますよね。
すっぴんの方が可愛いんじゃないかと思われるほど。
もったいないと感じつつ、眺めております。
故・鈴木その子を思い出しつつ、眺めております。
あと、電車内で化粧をする子も。
『行儀が悪い』とか、『はしたない』とか、そういうことを言うつもりはないんですけども、ほら、ねぇ。
アイシャドウやマスカラやビューラーは、揺れてる所だと危ないっつーの。
見てるこっちが冷や冷やするっつーの。
こっちはあんたの心配なんか、してる暇がないっつーの。
自分の(人間性の)心配だけで手一杯だっつーの。
ほんと、気を付けてください。
嫌ですからね? 平和な車内が、スプラッタ映画さながらになるのは。
やっぱり、化粧をしなくてもいいのは、男の特権ですよね。
でも、誤魔化せないのも、都合が悪かったり。ぬぅ。
ちなみに、あたしは生まれてこの方、化粧を怠ったことがありません。
だって、乙女のたしなみだもん☆
…………。
いや、まぁ、嘘です。ってゆーか、ごめんなさい。