Q&A-14



Q:こんばんは。 以前も質問をさせていただいた者で、M.Oと申します。
 どうしても疑問な事柄があり、皆さまのご教示をいただければと思いメールいたしており ます。

 1931年射手座生まれの男性のホロスコープなのですが、
 現在その出生太陽に、トランジットの冥王星がコンジャンクションになるという
 配置が起こっています。(ハウスは第4ハウス内です。)
 このことを、どのように分析したら適当なのか、ご教示いただきたいのです。
 
 この人の太陽は木星とタイトなトラインで、ハードなアスペクトはありません。
 身分の革命的な変化、人格の変異…などと考えましたものの、少々的はずれに思えます。
 2年ほど前から観察していますが、最近になって「ぼけ症状」のようなものが出始めたら しく、深刻なものを感じております。
 現在心配なのは、歯の治療と肝機能だと聞いています。
 この人は65歳までは会社社長だったのですが、定年で辞めた後は完全に一線を退き、今は後輩の人々の相談役になっています。
 趣味もなく、現在はかなり寂しい状況らしいのですが…。

 もちろん、他の全体の天体を見なければならないのは分かっているのですが、
 どうぞこの冥王星について、何か教えていただけたら、と思います。

 よろしくお願い申し上げます。

A)M.O様、こんにちは。

 チャートを読んでいてると、余りにも情報量が多く、また複合的な要素が多々でてくるので、どう読んでいいか混乱してしまうことがありますよね。
 そのようなときには、教科書に戻って、一番基本的な意味を拾い出すのがお勧めです。

●今回でてくる要素は、
天体としては、冥王星、太陽、木星アスペクトは、冥王星と太陽のコンジャンクション、 太陽と木星のトライン、冥王星と木星のトライン、ハウスは第4ハウス。
以上のことを基本に帰って検討してみましょう。

1)冥王星の基本的な意味は、「極限」、通常でない事柄、物事の限界、人間の意識の限界、先祖の業績、影の実力者、思想的権力主義、原子力、エクスタシーです。

この中には変化という要素は入っていないので、M.Oさんが考えているような

 >身分の革命的な変化、人格の変異

ということとは少々違った方面と思われます。 変化は天王星ですよね。

2)太陽は今回のような場合は、素直に考えると、チャートの持ち主本人を表すで しょうし、木星は保護やチャンスを表すと思われます。
太陽と木星のトラインは「養子、のんき」 という意味になります。

3)4ハウスは「家庭・晩年」を表します。

●これら1)2)3)から考えると チャートの持ち主は、生まれつき、先祖代々受け継いできた有形無形の財産を、スムーズに受け取ることができる人です。
そして、晩年になった今、それを次の世代に受け継がせるチャンスがやってきてい る。 ということが基本的な意味になるでしょう。

アドバイスするとしたら、やはり財産の相続やお墓の問題などを処理するのにはよい時期なので、今のうちにそれをしておくのを勧めるということでしょうか。
もちろん他のトランジットやプログレスがよい場合ですが。

●ここから先は、他の天体やハウスの状態を考慮する必要があるので、可能性だけを ピックアップします。

M.Oさんが気にしている健康問題ですが、太陽を体力と考えると、冥王星のパワーが強すぎるので、それを受け止めきれない可能性も考えられると思います。
肝臓は射手のサインに関連するので、肝機能の問題も考えられます。
「ぼけ症状」は基本的には海王星関連と考えられますが、冥王星には意識の限界という意味もあるので、関係ないとはいえません。
 
以上のことは、他の天体の状態やトランジット、プログレス、ハーフサムを検討して、何を表しているのか絞り込むとよいでしょう。

 >趣味もなく、現在はかなり寂しい状況らしいのですが・・・。

いずれにしても、もともと出生図が太陽と木星のタイトなトラインが4ハウスがらみであるような恵まれた方なので、ご本人にしてみればいたって気楽な隠居生活かもしれませんよ。


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