Q&A-11



Q:初めてメールをいたします。KMと申します。
もしよろしければ占星学に関しての疑問にお答え願いたくよろしくお願いいたします。
私の疑問というのは、天文暦に関することでして、天体位置を知る場合に、
自分自身が例えば大阪で生まれた場合でも、GMTからJSTの明石までの時差計算のみで(JSTの範囲内であればどこでも+9:00の計算)天体位置を出しているのですが、これは、そういうような仕組みになっているのでそれが正しいのか、
それか、大阪の何々市まで計算できるのだけれども、そんなに精度がいらないのでその許容範囲としてそういう風にJST範囲内であればどこでも均一の時間の計算をしているのでしょうか?
真剣に考えて調べているのですが、わかりません。
どうかご教授をお願いいたします。

A:ディケー・アストライヤです。 ご質問ありがとうございます。

ホロスコープ作成には、「いつ」「どこで」という二つの要素が必要ですが、これを一緒に考えると混乱することがあります。
今回のご質問もそれにはまってしまったようです。 先ずはそれを切り離して考える必要があります。
●「どこで」という「出生場所」は、アセンダントやMC、ハウスカスプの値を出すために必要で、明石なのか、大阪なのかで値は大きく違ってきます。
ですから細かく経度と緯度で表すことになります。

●「いつ」という「出生時刻」は、天体位置を出すために必要です。
例えば母子手帳に「朝9時に出生」と書いてあったとします。これが「いつ」にあたるのですが、これだけでは天体位置はわかりません。
なぜなら、この表記は「どの時間ゾーン」に従って表されているのかがわからないからです。
日本の朝9時なのか、イギリスの朝9時なのか、それともアメリカ東海岸のゾーンの9時なのか。
同じ朝9時といっても、そこで採用している時間ゾーンによって、時差が生じるので同じ瞬間ではありません。
日本中の時計が朝9時を指す瞬間に、イギリスの時計は午前0時、アメリカ東海岸の時計は前日の夜7時をそれぞれ指しています。(夏時間は除く) 繰り返しますが、「いつ」というデータの中には、「どの時間ゾーン」で表しているかという情報が不可欠です。
ここで注意したいのは、あくまでも「どの時間ゾーン」であるかであって「どこで」という意味ではないということです。
この「どこで」と「どの時間ゾーンで」を混同して考えるとご質問のように混乱してしまうのです。
日本で生まれた人の母子手帳には日本時間JSTで、時刻が表記されています。
この時刻表記は大阪であろうと明石であろうと同じ時間ゾーンです。
ですから、経度、緯度は(日本国内であれば)関係ありません。
明治以前、日本標準時が設定される前は、日本国内でも地方時というのがあって、時差があったそうです。
そうなると、母子手帳に書かれた出生時刻が大阪時なのか、明石時なのか細かく検証する必要があるでしょう。
しかしながら、今では便利なことに日本は時刻を統一しています。明石の朝9時は大阪でも朝9時で、日本国内は時差はありません。

●話は戻りますが、世界で発行されている天文暦の多くは、GMT0時の天体位置を表示しています。これは日本時間JSTの朝9時にあたります。 従って、日本時間で出生時刻が記されている人の場合、GMT表記の天文暦を使うときは、時差を計算する必要があります。
もし日本生まれの人でも、(へそ曲がりのお医者さんがいて)GMT時間で出生時刻が書いてあれば、時差の計算をしなくていいから楽ですね。(そうなると、そこの産院の時計は全部、日本の時間よりも9時間遅れて表示していることになります。)

●また、日本時間で表記されている天文暦の場合は、天体位置を出すにあたって、当然ながら時差を計算する必要はありません。


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