AFA報告

 2000年・AFAコンベンション 報告 

by ディケー・アストライヤ


●印象 今年のコンベンションはラスベガスだったためか、4年前のシカゴに比べて、出席者がバラエティーに富んでいるように感じました。

コンベンションには世界中からアストロロジャーが集まるので、いつものように、アメリカ本土以外に、インド、中国、アフリカ、など各国からの出席者は大勢見受けられました。

しかし、今回は特に年齢層が幅広く、親子で出席する人がいたり、また、アストロロジーをはじめて1〜2年というご夫婦がいたりと、肩に力のはいっていない雰囲気を感じました。

講義の内容も、高度な研究を発表するクラスから、ベーシックなことをきちんと押さえるクラスもあったりして、幅広いニーズに合わせたものになっていました。
とはいっても、初心者向けでも、ただ単に基礎的なこと、例えばサインや天体の意味を教えるだけというクラスはないようです。
このことはいつも感じるのですが、講義の内容がアストロロジーを実際にどう使うか、実生活にどう役立てられるのか、という具体的な事柄についてレクチャーするクラスがとても多いのです。
これはアメリカの、実際的なこと具体的なことを好む国民性によるものなのでしょうか。
イギリスなどヨーロッパのアストロロジャーの興味は、心理的、神秘的な方面に向いているという話をよく聞くのですが、アストロロジーの基本的な考えは同じでも、研究している人によって、どのように使っていくか、ということがまるで違うというのは非常に興味深いことです。 日本のアストロロジーの現状を見ると、どうやらアメリカ的な具体主義と、ヨーロッパ的な心理主義と、両方の流れが混在しているように思えます。



●講義 いくつか出たなかで印象に残った講義をご紹介しましょう。
今、日本でも流行りはじめている、アロマテラピーやハーブとアストロロジーの関係に言及したクラスがありました。
講師のVeronique Fosterさんの論文は、AFAの機関誌である、 TODAY'S ASTROLOGERにも載っています。
Volume62Number5 内容は、今回ははじめての人にハーブについて関心を持ってもらおうという感じで、それほど踏み込んだ説明はありませんでしたが、草花のイラストを使ったして、非常に分かりやすい講義でした。
また、参考文献も紹介してくれたので、これからはじめようという人にはとても役立つ内容でした。(本がどこで手にはいるかも教えてくれます。)

さて、いつものことですが、AFAの講義では、最初から最後まで、生徒が黙って聞いていることなどまずありえません。
特に初心者の講義では、自分のことが知りたくてアストロロジーを勉強しているという人がほとんどなのですから、しばらく講師の説明があった後は、「自分のケースはどうなのか?」という質問の嵐になってしまいます。
欧米の場合、自分を紹介するときには、太陽のサインだけではなく、月と、アセンダントのサインもいうのが普通です。 「私の太陽は××で、月は…、ライジングは…なんだけど、どんなハーブが効くんですか」などと次々に質問がでるのです。
その時、先生の答ももちろん勉強になるのですが、私には、その人そのものを見るのも、非常に勉強になりました。
普通では、欧米人のホロスコープを、実物を前にして見ることなどほとんどチャンスがないですから。



●内容 今回は、天体とハーブの関係にしぼっての講義でした。
紹介された代表的なハーブと、説明を以下にあげます。

太陽−eyebright 葉が心臓の形をしているから。 心臓の病気や不快感に使う。
月−cleavers 水生の植物だから。 潜在意識に影響を与える。
水星−fennel 葉が細く枝分かれして、ネットのようになっている。 神経系統に使用する。
金星−marshmallow 美しい花や実をつける。 粘膜に効果がある。
火星−milk thistle 刺を持っている。 クールダウンさせるときに使用。
木星−burdock 食べられる植物。 気分をおおらかにさせる効果。
土星−horseteil 瘤や節のある植物。 腫れをひかせる効果。
天王星−cinnamon 植え変えの簡単な植物。 インスピレーションを刺激。
海王星−deals 海の近くに生えている。 内分泌器官に効果。
冥王星−damiana ホルモン系の強壮効果。

いずれも、それぞれのハーブの葉の形などを指し示しての説明だったので、いちいち
うなずいてしまうほど具体的で理解しやすい講義でした。



●講師のVeronique Fosterさんは、ハーブのサプリメントを販売するAsutrologicalHealhthという会社を設立していて、今回は、プロダクツルームにブースを出店していました。

サプリメントは、各サイン毎に調合されていて、ホロスコープを熟知していなくても手軽に飲むことができます。
やはり、世界のアストロロジーは、日本よりもずーっと先をいっているのだということがよく分かりました。
アストロロジーは、性格や運勢を占うだけの単なる「占い」ではなく、健康や幸福を手に入れるための具体的な手段、手引きとして、しっかり使われています。
このことは、日本ではまだまだ理解されていませんが、世界では共通の認識だということを目の前で見せてもらえると、またアストロロジーを研究したい、広めたいという気持ちが湧いてきます。
これだけでも、コンベンションへ行く意義があったと思います。


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