紙飛行機用語集(仮名行順)

あ行

アスペクト比 翼の細長さを表す値で、翼幅を翼弦長の平均で割った値です。

    一般に翼弦長は翼の翼幅方向で変化するので、アスペクト比は次の式で

    計算される:   アスペクト比=(翼幅)/翼面積 

    アスペクト比が大きいと誘導抵抗が小さくなり、揚抗比が増加する、また

    翼幅に対して翼弦長が小さいので風圧中心の移動が少なく安定するが、

    紙飛行機では、材料強度的に限界があります。

安定性 飛行機が何らかの外部からの撹乱により釣り合い姿勢を変化させた時に

    元に戻ろうとする性質の度合い。

    縦安定性

     機首の上下方向の動き(ピッチング)に関する安定性で、主に水平尾翼の

     働きによって得られる。縦安定性は主に重心の位置に影響を受けます、

     重心が後方に有ると縦安定性は悪くなり、前方に有ると向上します。

    横安定性

     飛行機の左右の傾き(ローリング)に関する安定性で、傾きを生じると

     横滑りを起こしますが、上反角が有ると、滑った方向の翼に大きな揚力が

     生じて傾きを復元します。

    方向安定性

     機首の左右方向の動き(ヨーイング)に関する安定性です。

     機体が横滑りを起こした時に、気流方向と機体の進行方向を一致させる

     様にする性質で、垂直尾翼の働きで得られる。

ウィングレット 誘導抗力を少なくするにはアスペクト比を大きくすれば良いが、高速の

     飛行機では強度的に不可能である為、翼端に小さな翼を立て翼端渦流を上に

     移動させる目的で発案された、大型旅客機などに見受けられる。

     紙飛行機では特に有効では無いが、高速発射時には効果が有ると言う人も居る。

ウィングナンバー 文字通り機体番号だが、紙飛行機では一般に所有者の個人ナンバーで

     クラブ毎に決めている場合が多い、ホワイトウィングでは、入会すると独自の

     ウィングナンバーを決めてくれる。

エルロン 補助翼であり機体のロール方向の姿勢制御に使われる部分。

     操縦出来ない紙飛行機ではエルロンは無いが、主翼後端部分を言う。

エレベーター 補助翼であり、機体の上下方向の制御に使われる部分、昇降陀とも言う。

     紙飛行機では尾翼の後端部分を言う。

   重心位置調整の為に主として機首部分に取り付ける錘。一般に釣などで使用する

    板錘を流用している。

              公園等で使用するとき、不要になった錘を放棄する事は厳重に避けて欲しい。

か行

カタパルト 正しくはゴムカタパルト、紙飛行機を発進させるのに使うゴムを取り付けた

    道具、別名パチンコなどと言う人も居る。

    各種の競技会では、ゴムの長さ、太さ、支持棒の長さ、材質などに規定があり、

    競技会参加の場合は確認が必要。個人で楽しむには規則は無い。

    カタパルトを使用しないで発進する手投げの方法をハンドランチと言う。

             

返り  主に垂直上昇法で発射した機体が、最高高度に達した時(上昇力を失った時)

    安定滑空姿勢に入る動作の事。 素直に素早く安定滑空に移ると「返りが良い」

    等と表現される。

滑空比 ある高さから滑空し到達できる距離で 滑空出来た距離/高さ で表す事が

    出来る。これは揚抗比に等しい。    

キャンパー 翼の断面は一般に上面に膨らんだ湾曲形状になっている。この状態を言う

    翼弦長に対して膨らみの高さを%で表し、例えば翼弦長40mmで高さが2mm

    の場合、キャンパー5% の様に表現される。

競技機 特別に競技機の定義はないが、主に滑空(滞空)時間を競う事を目的に、創意工夫

して作られる。各種の競技会では、翼幅などに制限規定が設けられている。

主にゴムカタパルト発進をするタイプと手投げ発進をするタイプがあり、

設計計画はその発進方法に適した計画がされ、特性は大いに違う。

ケント紙 紙飛行機を作る際に用いられる標準的な用紙。主に製図、ペーパークラフト

    等に用いられる上質紙で名前の由来は最初に作られたのが英国ケント州地方で

あった事によります。紙飛行機を作る際には製紙過程で生じる紙の抄き目の

方向が大切で一般にA4の場合用紙の長手方向を翼幅方向に取るのが良いが、

まれに違う時も有るので注意が必要。

    A版とB版が有り、それぞれカットした工程数が付されA1はA0(全紙)を

    長手方向で半分にしたもの、A2はA1を更に半分にした物になる。

    従って版番号が偶数の場合 A2、A4、A6は長手方向がロール方向になる

    当然A1、A3等は短い辺方向がロール方向となるので注意が必要。

    紙飛行機に適するのは #160から#200程度の物が選ばれる。

    AGケント紙といい紙飛行機専用に開発製造されている用紙もある。

矩形翼 平面図で矩形をした翼、翼のどの部分も同じ翼弦長である。

抗力  翼に働く空気力の,飛行方向に平行な成分を抗力(または抵抗)と呼ぶ。

抗力は飛行機を減速させる方向に作用する力なので,飛行を継続するためには,

抗力に打ち勝って前進させる力,推力が必要で,飛行機の場合はプロペラによって

得られるが、紙飛行機(滑空機)の場合は降下する力、すなわち重力によって

生じます。

後退角 翼の平面図で翼端が取付部より後方に下がっている翼を後退翼といい、

    翼の基準線(翼弦長の25%)が機体の中心線に垂直な線と成す角度。

    稀に逆に前方に向く角度の場合もあり、これは前進角(前進翼)と言う。

さ行

サーマル 上昇気流の事。空気の熱対流でおきる上昇気流部分であり、実際のパイロット

は雲などの状態で判断するが、紙飛行機の場合、サーマルはその場所の地形

的(局地的)な条件で発生し予測は難しい、しかし、軽量な紙飛行機では

僅かな上昇気流でも条件が整えば、視界没になる事もしばしば。

視界没  飛ばした紙飛行機がサーマルに乗って、上昇を続け視認不可能なまで飛行する

     状態を視界没と呼ぶ、これが完全な視界没である。他方充分な高度を保って

     競技場より離れた位置(距離的に)まで飛行し視認不可能になった場合も同じ

視界没とされる。

失速  揚力は速度が大きいほど揚力も増加する、速度が低下すると揚力も小さくなり

    ある一定の速度(空気に対して)以下になると遂には重量を支える事が出来なくな

り墜落する事になる。これを防止するには迎え角を大きくして揚力の増加を図るが

迎角を大きくした結果翼上面の気流が乱れ始め気流が翼から剥離して揚力を失う

この状態を失速と言う。

   重力加速度。速度が変化した時に受ける力を示します、高速のジェット戦闘機等

    でも、瞬間的な速度変化はあまり大きくなく およそ10G程度です。

    紙飛行機を手投げで思いっきり発射させた場合は30G以上のGが掛かります。

    まして、ゴムカタパルトで発射させると、はるかに大きなGが掛かりますから

    短時間ですが、主翼の変形(歪み)などが大問題となるでしょう。

ジャンボ機  紙飛行機はその材料の問題で飛行機に出来る大きさに限界が生じます。

    これ等の諸問題を解決して、可能な限り大きな機体を作る事に挑戦する機種で

    主翼取付部以外は全て紙製である事が条件となる。

    競技は、大きさ、飛行時間、デザインなどの総合点で競われる。

重心  飛行機を吊り下げた状態で、前後、左右にバランスを保つ点、この位置の事を

    重心位置と言い、飛行(滑空)性能、安定性等に重要な要素位置となる。

    特に紙飛行機では、発射時と滑空時の速度が大きく違うので、主/尾翼の揚力

    の比が速度によって大きく異なる為に主/尾翼による揚力中心位置の変化が

    大きいから、この重心位置を何処に設定するかは、大切な要素になる。

               

主翼  文字通り機体の主な面積を占める翼部分。タンデム式の場合は面積がほぼ同じ

    なので、進行方向前方を主翼としている様です。

垂直尾翼 機体に垂直に立つ方向安定翼を指す、一つの形式と二つ(複数)の形式が有る、

     またV尾翼と呼ぶV型の水平尾翼で尾翼と垂直尾翼を兼ねる形式がある。

垂直上昇法 紙飛行機独特の発進方法で、概ね垂直に打ち上げる方法、垂直に上昇させる

    事と滑空比が良いことは概ね反対の関係にあり、多少滑空比が劣っても高度差で

    滞空時間を稼ごうとする方法で、最近の競技会などではこの方法が主流。

スクロールダイブ 滑空中の紙飛行機が傾き旋回を始め、その傾きを増しながら、旋回

半径を小さくして墜落する状態。激しい場合をスクロールダイブ、少し穏やかな

場合をスクロールダウンと言う。原因はローリング安定の復元力を上回る程の

主翼の左右の揚力差がある場合が殆ど、上反角を大きくし主翼のバランスを

修整すれば解決する。

 

旋回上昇法 紙飛行機の発進方法で、機体を斜め上方に向け、旋回しながら上昇させる

    発進法。上昇過程から滑空降下過程に移動する時にスムースに変化するので、

    比較的安全な発進法である。滑空比を犠牲にする必要はないので、ハンドランチは

    殆どがこの方法である。

    

た行

楕円翼 翼の前縁、後縁とも楕円曲線で構成された翼、同じ翼幅の翼いぉL;:¥形式の中で楕円翼は

    その誘導抵抗が一番小さいと言われる。実際の機体にも数例の実施例はあるが、

    曲線構造の為、製造上の問題が多く、実施例は少ない、また翼端失速し易いという

    特徴もある。紙飛行機では製作の問題は無いので、比較的美しい線を好んで使われ

る、美的要素を除けば、直線的な近似のテーパー翼で同じ効果は出せる。

着木 模型飛行機独特の用語、フリーフライト機が公園などで周りの木立に乗ってしまう

   現象、防止する方法は無い、対策は長い竿を準備する事。

   まれにRCでも着木させてしまうベテランも居る。

宙返り 縦方向にループして回転する状態。宙返りダイブとは宙返り半径が大きく最終的

に姿勢を起こす前に地面に激突する現象、エレベーターのダウン、重心位置を前方に

   移動する事で解決する。大きなループ半径を取るように調節してループの最高点で

   滑空に移るように発進する、宙返り発進をする方も居る。

墜落  およそ飛行しているとは言えない様な姿勢でグランドに落ちる状態。

テーパー翼 胴体の取付部から翼端に向かって、翼弦長が小さくなる翼。

テーパー比 テーパー翼において、翼端の翼弦長が小さくなる度合いを示す値。

      取付部(胴体位置)の翼弦長で翼端の翼弦長を割ることで得られる。

      テーパー比 = 翼端の翼弦長/取付部の翼弦長

胴体  主翼、尾翼などが取り付けられた連結部分、実際の飛行機では人、貨物等の

    搭載される部分。紙飛行機では胴体部分のみヒノキ、バルサ等の木材の使用を

    認めているが、各種競技会などでは、胴体も全て紙製である事が機体規則になる

    また、木製胴を認めて別分類で競技する場合もある。

取付角 胴体基準線(水平尾翼に平行)に対して、主翼の取り付けられた角度。

    実際には僅かな+角度(前方上がり)が付くが、紙飛行機では0が多い。

な行

 

は行

バルサ材 南米、ブラジルを原産とする高木の木材で、通常の木材の1/3程度の

    密度の木で非常に軽く、紙飛行機では胴体の材料として使用される。

    日本で一番軽いと言われる桐よりもはるかに軽い材料です。

飛行速度 紙飛行機の飛行速度はゴムカタパルト発射による場合 最大時速約200Km

    程度もあります、また定常滑空の場合は約15Km程度でしょう。

    この最大と定常の速度比は非常に大きく、紙飛行機の上昇と滑空での条件を難しく

    している。実際に滑空している状態では機体の速度は対気速度が問題で向かい風の

    場合は殆ど対地速度0の様な状態で飛ぶ場合もある。

ヒュゴイド現象 滑空する機体がサーフィンの様に僅かにアップダウンをする現象。

    激しい場合はアップダウンが大きくなり、遂には失速を起こす。

    経験的な結果だが、最終的に僅かなヒュゴイドをする状態が最も滞空時間が

    延びる様だ(当てにならない)。

尾翼  主翼に対して面積の小さな翼部分で水平安定を目的とした翼。一般に主翼より

後部にあるために尾翼と呼ばれるが、水平安定翼の総称。

前方にあるカナード式もあり、先尾翼等と言う不思議な呼び方もされる。

尾翼容積 水平尾翼容積率などとも呼ばれる、機体の縦安定を考慮する値で次式から

    求める事が出来る:

     水平尾翼容積=(尾翼面積Xモーメント長)/(主翼面積X平均翼弦長)

    またこれはモーメント比を用いれば:

     水平尾翼容積=(尾翼面積/主翼面積)Xモーメント比 と簡単になる。

    紙飛行機に於いては、尾翼も揚力に加担しているので、この尾翼容積の採り方で

    飛行性能に大きな差が予想される。

フック カタパルト発射の際にゴムを掛ける部分。

プロフィール機 側面、平面形状を実際の飛行機に類似した形状で作られた紙飛行機。

実際の飛行機が飛んでいるような飛行情景を楽しむのが目的、また室内の装飾

としても利用される。

ボーッテクスゼネレーター  翼面に規則的(計画的)に設けられた突起物であり渦流を

    発生して翼表面を流れる気流の翼面から剥がれる現象を防止するのが目的。

    紙飛行機でも試みている人も居るが、低速な滑空の紙飛行機で効果があるかは疑問

ホッチキス機  切折紙飛行機で、糊付けをしないで、切り出した形状を折り込み要所を

    ホッチキスで止めるだけで完成する。年少の子供でも製作が容易であるが、

    良く飛行させるには意外に調整が難しい。

ま行

マックス Max 紙飛行機競技大会の滞空時間計測のルールの一つ、例えば計測した

    滞空時間が90秒でも、60秒として扱うルール、根拠はMax以上の飛行は

    その機体の性能よりも気象条件、環境条件に依存するとの判断から。

無尾翼機 水平尾翼の様な分離した尾翼部分を持たずに、主翼のみで縦の釣り合いを保つ

     形式の機体、別に全翼機とも呼ばれる。

モーメントアーム 飛行機がその姿勢を変える時は重心位置がその中心になる、そして

     重心から姿勢を変える力の加わる点までの距離をモーメントアームと呼ぶ。

     飛行機に於いて主に姿勢制御は水平尾翼、垂直尾翼で行われるので、

     重心から水平尾翼の基準点(翼弦長の25%)をモーメントアーム或いは

     モーメント長と呼ぶ。大きければ僅かな力で姿勢を変える事が出来るが、

     変化量は少ない。

モーメント比  モーメントアームが長いか短いかは、機体の大きさの状態で異なる

     ので、その長さだけでは働きが一概に評価できない。

     そこで導入されたのがモーメント比であり、モーメントアームを主翼の

     平均翼弦長で割った値である。

 

や行

揚力  浮き上がろうとする力の成分。飛行機が空気中を進む時、翼のキャンパーや

    迎角によって生じる上向きの力。キャンパーや迎角による翼上面の空気流と下面の

    空気流の速度差によって生じる。

揚抗比 翼(機体全体)によって生じる揚力と、その揚力を得る空気流の中で生じる抗力

    との比率、揚抗比が高いという事は抗力に比べて揚力が非常に大きい状態です。

    従って、前に進む力(推力)は僅かで良いことになる。

誘導抗力 翼端で翼下面から上面に回りこむ気流(渦流)によって生じる抗力です。

    これを少なくするには翼弦長に対して翼幅の大きな翼(アスペクト比の大きい翼)に
    すれば良いが構造的に弱くなり限界がある。実際の飛行機ではウィングレット
等を設けて
    その影響を少なくする方法が採られる。

ら行

ラダー 別名方向陀とも言う、飛行機の左右方向の制御に使われる補助翼で紙飛行機では

    垂直尾翼の後端部分を指し示す。

リッジリフト  斜面上昇風。 山の斜面に沿って吹き上げる上昇風、ハンググライダー

    などはこの上昇風を利用している。紙飛行機でも広場の傾斜などによって局地的に

    生じる。

リブ 翼の断面翼型を構成する部分、紙飛行機では殆ど使用されないが、ジャンボ機では

   リブ構造の主翼が使われる。