何気ない一言

 「何気ない一言」が、その人の人生を変える事もある。良い方向に変える事もあれば、
 悪い方向に変えてしまう事も有る。 だから、他人に対して何か言う時は、
 その一言一言に責任を持たなければいけない。 特に評価する時には大切だと思う。

 私も他人の一言で人生が変った仲間だ、高校時代に部活動で写真部にいた。
 写真を評価している時に、少し知っていた知識で焦点ボケの事を話したら、
 部担任の先生から、「君はレンズの事を良く知っているね」と褒められた。
 「豚もおだてれば木に登る」で、えらく嬉しくなって、それからレンズに興味を
 持ち始めたが、この一言が私を社会に出てから半世紀の間、レンズの設計の仕事で、
 自分の人生の大半を過ごす事になった。
 色々苦労も有ったが、社会に出てから同じ仕事を遣り通せた事は幸せだったと言える。
 今は、あの先生の一言に感謝している。

 今、健康と趣味を兼ねて楽しんでいる「紙飛行機」これも同じだ。
 中学の時、A1と言うゴム動力の飛行機を作った、校庭で飛ばしたが、あまり良く
 飛ばない、そこで一寸調整して飛ばしたら、偶然にこれが良く飛んだ、
 偶々そばで見ていた先生が、「おー、簡単に直して良く飛ぶな、飛行機を良く研究して
 いるな」と言われた。
 この一言が無類の飛行機好きに私を変えてしまった。
 以来、模型飛行機は私の主要な趣味となった、現役の時は時間も無く途絶えて居たが
「少し運動を」と言う医者の勧めで、拾い歩く紙飛行機を再開した。

 以来、人にも勧め、ボランティアで子供達に教える事も多くなった。
 そんな時、何時も心に留めているのが「何気ない一言」です。

 工作教室など多くの子供を相手にすると、子供達にも個性があり、何とも手際の悪い
 子もいる、その様な子に「早くやりなさい」では無く、「ボクは丁寧だね、ここはこう
 すると早く出来るよ」だ、大概これで笑顔が戻ってくる。

 上手に調整出来た子には「偉い、おじさんの話を良く聞いていたんだね、君は将来
 パイロットかな」

 小さな子供相手に、飛行機の理屈を説明しても始まらない。
 それよりも、何気ない一言で
、子供達が科学に興味を持つようなキッカケを作る、
  興味さえ持てば、後は旺盛な子供の知識欲が良い方向に持っていってくれる。

 そんな何気ない一言が、子供達の何かの動機になれば幸せだ。


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