行列を作る

ニュースによれば、北京ではオリンピックまでにマナーを確立する為に「駅で並ぶ日」を
制定したそうな、その日は監視員が付き違反者には50元(¥750)の罰金を科すとか、
日本人が聞いたら笑いの種になるが、日本だって昭和2X年頃は列車に乗り込む時など
我先に、ひどい場合は窓から乗り込んだ者すら居た。

海外の技術研修生を引き受けて、研修の終わりに日本の印象などを聞くが、多くの方が
「日本人はマナーが良い」と言う、その理由を聞くと「皆整然と列を作って電車を待つ」と
返事が戻る。 しかし、これが故に「日本人はマナーが良い」といえるのだろうか?

皆が乗車位置に整然と並んでいる理由の背景には「電車を所定位置に正しく停車させる
運転技術」があるからで、もしも、来る電車毎に色々な所に停車したら、本当に列を作って
待つだろうか? いささか疑問がある。

同じ様に、彼ら研修生の見た日本で、彼らの理解できぬ状況が、TVの番組の一つである。 それは、美味い物、美味い店を放映する番組の多いことである。
彼らには、何故あの様に多くのチャンネルで同じ様な放送が、殆ど毎日ある理由が理解できない。 同じ様に、少し評判になった食堂、レストランに長い行列を作っている事も
彼らには信じがたい現象なのだ。
確かに、粗食な時代を過ごして来た私にも奇異な風景に思われる。

彼らからマナーが良いと評価される日本人でも、色々な所でマナーの悪さを見る。
食堂に長い行列を作り、辛抱強く順番待ちをしながら、路上に吸殻を踏みつける者、
渋滞した車の中からドアーを開けて、吸殻入れを道に空ける不届き者もいる。
本当に「マナーの良い日本人」になるには、まだまだ色々気を付けなければならない。

首相の言う「美しい国、日本」は、どうも何を言うのか具体性が無いが、まあ良いじゃない
個々のレベルで、「美しい国、日本」のために頑張りましょう。