探す

 紙飛行機を楽しんでいると、しばしば立木に入ってしまう事が多い。

 しかし、意外に発見するのは難しい、中には本能的に?探し上手な人も居るが大方は

 苦労する。時として飛ばしている時間よりも探している時間の方が長い時すらある。

 「眼で探す」これは意外に落とし穴があります、何度も見直したのに見つからない、

 ところが何気なく見直したら、偶然発見する事が良くあります。あれほど探したのに

 何故見つけられなかったのかと不思議なくらい簡単に見つかる事がある。

 実は良く見ていたつもりでも、実際には見ていなかったのです。

 野外広告の沢山あるところで試してみてください、広告の中の一つを確認して見ます、

 その時、すぐ横の広告の文字は同時に読めない筈です。大変広い範囲が見えていますが、

 本当に確認している範囲は、じつはとても小さくて、せいぜい角度にして1度ていど

 しか見ていないのです、あとは背景として認識しているだけなのです。

 年齢や、その人の目の状態でも違いが有りますが、有る、無い、を確認している範囲は

 とても狭い領域なのです。さんざん見た所と思っていた場所に発見されるのは、視点が

 そこに一度も行っていなかったからで、見たつもりでも見ていなかった事になります。

 探す対象が小さければ尚更この明確な視点の範囲は小さくなります。

 立木に入った紙飛行機などを探す時、あちこち探すよりも、枝をたどって、一枝ごとに

 有る、無い、を確定して行くのが一番賢明な方法です。

 飛行機のパイロットや、自動車の運転者に要求される、この認識能力は大切で、一旦

 事故にでもなったら、紙飛行機が見つからない等の問題では有りません。

 動的な視力(動いているものを視認する能力)や、明順、暗順反応(急に明るくなったり

 暗くなったりした時に順応する時間の早さ)などが大切です。

 この能力は25歳ごろから徐々に能力低下します、自動車事故を起こした人の多くが、

 後から「何故、気づかなかった」と反省してますが、事故を起こす時は、自分では認識

 しているつもりで、実際は背景視認(バックグラウンド)として認識していただけです。

 大空に点の様に飛ぶ紙飛行機を眼で追う事は、もしかすると、この様な能力低下を補う

 効果も有るかもしれません。

 健康と安全の為に、「眼球を動かしましょう」

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