お手上げ

お手上げと言っても、ギブアップの事では有りません、今日の話は飛行機の上反角の話です。
上反角とは主翼がV字状に翼端が上がっている状態のこと、この役目は機体

ローリング安定の為に復元力を生み出すためです、初期の飛行機には殆ど採用されて
居りませんから、多分ローリングは結構不安定で細かに操縦コントロールして居たのでしょう。

紙飛行機でも同様に上反角が大きいとローリング安定は良くなる。 
ならば
上反角が大きい程良いかと言えば、どっこいそうは行かない、上反角をあまり
大きく
すればその分翼面積が小さくなるので、翼面荷重も増えて滑空性能が低下する事になる。
全体重量が10グラムに満たないような紙飛行機では主翼面積にもよるが、僅かな角度 で充分です。
定常滑空速度(対空)を15km/h程度とすると10°から20°有れば充分です。
ホワイトウィングの二宮機がおおむね15度になっているのも、必要
最低の値と思える。
垂直上昇機では更に小さな上反角になって居るのは、高速発射の
際に翼端には大きな抗力が発生します、
そのため翼端が上に上がっているとそれだけで
機体を引き起こす力が掛かり、宙返り現象を強く誘発する
からです。

 一方、現代の航空機では上反角は極めて小さくなって居ます、旅客機などでも駐機場で見る限り殆ど
上反角は無いに等しく感じられます、それは操縦系統がコンピュータ制御
で細かに姿勢制御出来る事も
理由の一つです。
実際に空中では僅かな上反角が生じて
います。 また戦闘機に至っては、上反角は0或は下反角になって居る
場合もあります。
この理由は、色々な姿勢にコントロールする時に自動復元力が有ると、かえって邪魔になるからです。

適度な上反角を持った、紙飛行機はそれなりに格好も良い、
こじつけで言うなら上反角
は平和シンボルだ、さあ今日もフワフワと上反角付きの機体を飛ばして、
スローライフ
を楽しもう。

上反角のある 練習機 T−2

下反角を持つ超音速戦闘機 T−3