月刊カノープス通信
2006年3月号

 目次 

・今月の勘違い
・チャイナドレスでお買い物?
・もしもの時のチャイナドレス!
・仮装盆踊りの想い出
・読書録
(『おまかせハウスの人々』『夜明けを告げる森の調べ 上』『空ノ鐘ノの響く惑星で 9』他)




 今月の勘違い

 またまた我が家のとんちんかん会話集です。
☆私「調子悪(わる)……」
 夫「えっ、女子アナ?」

☆スーパーの店内放送「○○が××円、△△も□□円、どうそ、合わせてご利用下さい!」
 私「えっ、慌ててご利用下さい?(タイムサービス終了間際なのか?)」

☆最近、息子たちが、今さら古い漫画『魔方陣グルグル』にはまってます。
 それまで騒いでいた息子たちが一緒に漫画を読み始めて、急に部屋が静かになった時の会話。
 夫「こいつらがグルグル読み始めたら静かになった?」
 私「えっ、『こいつらがクール便ほじくったら』? いつクール便なんか来たの?」(←クール宅急便で届いたダンボールの中身を子供たちがほじくりかえしているのかと思いました(^^ゞ)

☆夫「腐ったら捨てるよ
 私「えっ、猿がしてるよ? 何を?」

☆私「今日の『世界うるるん滞在記』は、ポーランドのお菓子作りだって」
 夫「えっ、ポーランドのおかひじき?」(←一瞬、ポーランドでも『おかひじき』が栽培されているのかと思ったらしい)
 
 そして、その『世界うるるん滞在記』を見ながら、夫はさらにボケ連発。
  
 テレビ「村中で評判の、○○さんのチーズケーキだ」
 夫「えっ、ブラジルで評判のケーキ? 何でブラジル?」(←一瞬、ブラジルに輸出してるのかと想像したらしい)

 テレビ「○○さんはお菓子作り、お母さんは乳搾り
 夫「えっ、お母さんはセ・シ・ボン?」



 近況報告『チャイナドレスでお買い物?』


 先日、近所のスーパーのチラシを見てびっくり。
『○○屋中華フェアー! ○○屋に横浜中華街がやってきた!!』
 ここまでは別にいいんですが、問題は、その後。
『参加型企画・チャイナドレスを着用して買い物をしてくれた奥様に、全品10%引き!』

 ……いるか、そんな奥様!(笑)

 ○○屋ですよ、○○屋! いえ、みんな知らないと思いますが、とにかく、田舎の、近所のスーパーですよ? そこに、チャイナドレスで買い物に行く奥さんなんているもんですか!(笑)
 そもそも、普通、そこらの奥さんがチャイナドレスなんか持ってないって……(^_^;)

 ……と、言いつつ、実は私はチャイナドレス持ってるんだけど(その訳は後で話します(^^ゞ)、これを着てコミケに行けとか渋谷や銀座を歩けといわれるほうが、○○屋に着ていくよりはまだマシです。コミケだったら、(何のコスプレかな、いいトシしてよくやるよ)としか思われないだろうし、渋谷だったら、私が何を着て歩いてようが誰も気にしないでしょう。私だって、渋谷を歩く時には、たとえ道端で虚無僧が托鉢してようが、(へぇ〜)としか思わないで通り過ぎますもん。
 でも、○○屋までチャイナドレスで歩いたら、ご近所中が目を剥きますって!(笑)

 その企画は4日間やっていたのですが、結局、その間にチャイナドレスでお買い物に来てくれた奥様がいたのかどうか、そのスーパーの人に聞いてみたい気持ちでいっぱいです……(^_^;)



 もしもの時のチャイナドレス!

 さて、上で書いた、私がチャイナドレスを持っている理由ですが、何のことは無い、子供の頃、叔父夫婦が中国旅行に行った時、お土産にもらったのです。コスプレ用とか、パーティーグッズとして売ってるようなものではなく、本物の、しっかりした生地・仕立てのものです。
 買ってもらったのは小学校高学年か中学生の頃だと思いますが、サイズ的には、今でも、着ようと思えば着られるはずです。さすがにその頃から背が伸びてないわけじゃないですが、もらった当時はまだちょっとぶかぶか気味だったので。
 でも、買ってもらって以来、家の中でふざけてファッションショーをした以外は、結局、今に至るまで、一度も着ていないのです。

 というのは、チャイナドレスといってもいろいろあると思いますが、これは、しばらく前にちらっと流行った、わりと普段着っぽい、普段のお出かけ着になるようなタイプのものではなく、ちょっと普通の外出には着られないような、ピンク地に金銀の刺繍の入った、キンキラキンのド派手なものだったから。
 4つ下の妹がもらった、真っ赤に金の刺繍が入ったミニ丈の子供用ドレスよりに比べれば、やや落ち着いた大人っぽい色合いだったんですが、それでもやっぱりピカピカのキンキラキンで、パーティーでさえ、よっぽど派手な場でなければ思いっきり浮いてしまいそうなシロモノなのです。

 でも、実際には一度も着ていなくても、このチャイナドレスは、ちゃんと役に立っていたのです!
 なぜかというと、私は、これを持っているおかげで、これまでの人生の間、いつでも、「もし私が急にどうしても仮装パーティーに出席しなければならなくなっても、頭にドアノブつけて(笑)これを着ればいいから大丈夫!」と、心強く思っていられたから(笑)。
 まあ、結局、今に至るまで、突然どうしても仮装パーティーに出なければいけない羽目に陥って、「こんなこともあろうかと……」とチャイナドレスを引っ張り出したことは一度もありませんでしたが……。

 というわけで、『もしもの時のチャイナドレス』。
 これを持っていたおかげで、今まで私は、ずっと、突然仮装パーティーに出なければいけなくなった時のことを心配することなく生きてこられたのでした。ありがとう、叔父さん、叔母さん!

 でも、突然どうしても仮装パーティーに出なくちゃいけなくなる確率なんて、ハイキングで山に行って遭難する確率より低いですよね(^_^;)
 実際、私、今までの人生の中で、山で(もしかすると遭難するかも)と思ったことは二回半くらいあるけど、仮装パーティーに出る機会は、一度もありませんでしたもん。だからって、これからもないとは限らないけど(笑)。

 ところで、関係ないんですが、叔父夫婦は、このとき、胡弓も買ってきてくれましたっけ。玩具じゃなくて、ちゃんと音が出る本物で、胴には蛇皮、弓は馬の尻尾の毛。
 弾き方が分からないから自己流でいろいろやってみましたが、結局、まともに音が出せるようにはならないまま、そのうち壊れてしまいました……。今ならネットで演奏法を調べたり、通信教育もあるでしょうが、当時はどうにもならなかったので、今思えば、もったいないことをしました。



 仮装盆踊りの想い出


 仮装パーティーがどうのという話を書いていて急に思い出したのですが、子供の頃(まだチャイナドレスをもらう前)、近所の幼稚園の園庭で仮装盆踊り大会が開かれたことがありました。
 毎年やっていたのか、その年だけだったのかも、幼稚園の主催だったのか、町内会などがたまたま幼稚園の庭を借りてやったものかも分かりませんが……。
 で、別に全員が仮装するわけではなく、普通の盆踊りの目玉イベントとして仮装コンテストがあるみたいな感じでした。

 その年、コンテストで優勝したのは、胸を強調した派手な衣裳でしきりと四方に愛嬌を振りまきながら踊っていたお姉さんでした。たしかに綺麗で派手なお姉さんでしたが、(あんなの別に仮装じゃないじゃん……)と子供心に不思議に思っていたら、受賞の挨拶の時、謎が解けました。
 そのお姉さんは、マイクを持ってしゃべったら、実は男の子だったのです!
 あのときの衝撃は、今でも忘れられません……(^_^;)

 ところで、仮装盆踊りってイベントは、全国的に一般的なものだったんでしょうかね?
 全然違う地域で育った夫も、子供の頃、仮装盆踊りに出た想い出があるそうなんですが……(ゴリラだか宇宙怪獣だかに仮装したらしい)。
 今、どこかでそんなものをやっているという話はぜんぜん聞かないのですが、昔は流行っていたんでしょうか?
 ……と思って、今、検索してみたら。
 今でもあちこちでやってますよ、仮装盆踊り! 中には途中に空白期間を挟みながらも1952年から続けている地区もあるらしいですよ! へぇ〜。



 読書録


『おまかせハウスの人々』 菅浩江 講談社

 SF短編集。面白かったです。
 『博物館惑星』もそうだったけど、この方は、SFだけど主眼は『人間を描くこと』のような気がします。
 最初、てっきりこの手のお話(最新技術をダシに人間心理の闇を抉るシニカルな文明批評型のお話かと思ってた)は、みんな暗澹たるオチが付くものだろうとばかり思いながら、最初の一編(映画『A.I』の原作『スーパー・トイズ』を思わせる、子供型ロボットもの)を読んでいったら、ラストが思いがけなく前向きな感じで、(えっ?)と思いました。この方、ホラーでは、これでもかというほどドロドロと人間の本性の闇を描いてるから、つい、そっちの方向を想像してたんですが。
 他の話も、半分くらいは暗いオチだけど、半分くらいは、シニカルな中にも意外と明るかったり優しかったりする終わり方をしていて、最後の一編も、これも最後はハッピーエンドで人間賛歌かな……と思いきや、今度は最後の最後でどんでん返しというか、シニカルなスパイスが効いてて、一筋縄ではいきませんでした。なるほど、そう来たか!

 というわけで、大変面白かったですが、この人はもう、ジュブナイルは書かないのでしょうか。私、この人の昔のヤングアダルト向けっぽいSFやファンタジーが大好きだったんですけど、今ではすっかり『大人』の作家になってしまって……。
 児童文学は、けっこう年配の方が書いてることが多くて、児童文学作家は若いときから大人になってもずっと児童文学作家であることが多いけど、ヤングアダルト向けの作品って、書き手も大人になると卒業していってしまうことが多いような気がします。人によって、大人のものを書くようになるか、作家自体を卒業してしまう(もしかすると干されてしまう?(笑))のか。
 歳を食ってもいつまでもヤングアダルトものばかりを好んで読んでいる私としては、好きだった作家さんが卒業して大人の世界に行ってしまうのは、ちょっと寂しいです。大人向けのものと、両方書いてくれると嬉しいのに。やっぱり、思春期の悩みを描いたようなものって、自分にとっての切実さがなくなってしまうと書けなくなる、あるいは書く必要を感じなくなるものなのでしょうか。


『シャーリアの魔女 夜明けを告げる森の調べ 上』 ダイアナ・マーセラス ハヤカワ文庫庫

 シリーズ第三部の上巻。
 なんだか、何も起こらない巻でした……。結局、話がほとんど進行してないような……。繋ぎの巻という感じです。
 このシリーズ自体、よく考えてみれば、第一部全体が長〜いプロローグという感じで、全体的な展開はすごくのんびりなのかも。細かい起伏が多いからあまり気付かないけど、この巻にはまた、細かい事件さえあまりなくて。
 下巻に期待!


空ノ鐘の響く惑星で 9』 渡瀬草一郎 電撃文庫

 相変わらず面白い! でも、相変わらずキャラに必要以上の感情移入は誘われない……。
 今回は、『ちょっと一休み』的な巻だった気がします。やっと落ち着いて舞踏会なんかやってみたりして、メイド服とか露出度の高いドレスとかでちょっとサービスしたりとか、これまで連戦激動中でそれどころじゃないから保留中だった恋愛要素を進めたりとか。

 ドレスといえば、口絵の、ウルクのドレスはすごいなあ(^_^;)
 てっきり、あのイラストはサービス用の『もしもキャラたちがコスプレしたら……』的なパロディ・イラストなのかと思ってましたよ。
 そしたら、本当に王宮の舞踏会でウルクが着用したドレスだったのですね。確かに、ちゃんと本文にも『深いスリットが入ってる』って書いてありましたよ。本文からだけだったらあそこまで深いスリットは想像しなかったと思うけど、具体的にどのへんまでスリットが、とは書いてなかったしなあ……。具体的に書いてないということは、どの辺りまでスリットが入ってるかは好きに妄想してくれということなんですね! うまいぞ!(笑)
 アルセイフの王宮は、ああいう開放的な服装に許容度が高いんですね。神殿も、そういうことにあまりうるさくないんですね。そういう文化なのですね。サービスいいぞ、この世界!(笑)

 そして、出てくる女性がうら若い美女・美少女ばかりな件について、前のほうの巻の感想で『でもディアメルだけは特に美人だともなんとも書いてない』と書いたけど、ここへきて、ついに、ディアメルも実はかなりの美人だという描写が入りましたよ! これでもう、本当に、一人残らず美女・美少女だ!
 ディアメルのメイド服というのはコスプレ的な不自然さが萌えなんでしょうね。色浅黒く筋肉質、男勝りの屈強の女騎士がいやいやメイド服という、そのギャップに、奥の深い屈折した萌えが潜んでいそうな気が……(私は『萌え』評論家か!(笑))。

 ……あれ? なんか、今回の私の感想は、ほとんど『スリット』と『メイド服』に集中してますね。オヤジ臭くてゴメンナサイ(^^ゞ


『彩雲国物語 8』 雪乃彩衣 ビーンズ文庫

 毎度のことながら、楽しかったです。
 でも、毎回思うんだけど、ヒロインの周囲を固める男性がよりどりみどりの美青年ばかり(しかも大半はヒロインに気があったり、成り行きによってはそういう方向に発展しそうな微妙な気配があったり)で気恥ずかしい……と、思っていたら!
 今回はなんと、ついに、齢80超(だったっけ?)のスーパー美老人が登場だ! これは嬉しい!(笑) 齢80歳にして、腰が砕ける甘い美声……。年季の入った円熟と洗練のタラシ術……。おじいちゃま、ス・テ・キv(笑) どんどん秀麗に迫って腰を砕けさせちゃってください、大いに期待してます!


☆その他メモ:『グインサーガ』『風の騎士』まで読了、番外編『ふりむかない男』、前月に引き続き(笑)読み途中。『生協の白石さん』読了。白石さん、いい人だ……(*^^*) 『風の王国 月神の爪』読み途中。あと、相変わらず1990年前後の古いSFマガジンをちびちび美味しく摘み読み中。コンピュータ関係の話が出てくると隔世の感に打たれます……。次は『闇の守り手 2』予定。


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