月刊カノープス通信
2003年10月号

目次

・季節の便り
・今月の勘違い
・近況報告『猫&ゴーヤ、その後』
・読書録
(今月は『七王国の玉座(下)』『イリヤの空 UFOの夏(4)』他です)

*先月予告したとおり、今号から、『今月の詩』は無しです。



 季節の便り

 先日、子供たちと公園に行ったら、しいのみが落ちてたので拾ってきました。
 大粒なマテバシイと、名前は知らないけど黒っぽい小粒の椎の二種類です。
 うちに帰って、炒って食べました。
 そんなにすご〜く美味しいというものでもないのですが、かすかにほの甘くて、香ばしく、たまには野趣があって良いものです。しょっちゅう食べたいとは思わないけど、年に一度くらいは……。味よりも、季節感と郷愁を食べるものですよね。
 でも、特にマテバシイは、大粒だし、栗みたいな味がして、けっこう美味しいですよ。

 でも、その、美味しいしいのみが、その公園では毎年、拾う人も無く、木の下に散らばりっぱなしで、そのまま踏み潰されたり腐ったり、お掃除のときに掃き捨てられたりしています。
 同じ公園にイチョウの木もあって、季節には銀杏も落ちており、そちらのほうはたまに朝早く来て拾っていく人もいるようですが、しいのみは、銀杏ほど人気が無いのですね(^_^;)

 みんな、しいのみが食べられることを知らないか、あるいは、その実がしいのみであることを知らないのでしょうか。どんぐりとしいのみの見分け方を知らないのでしょうか。
 それとも、まさか、公園の植物は公共財産だから落ちてる木の実も勝手に拾ってはいけないと思っているのでしょうか。あるいは、もっと根本的に、『落ちてる物を拾って食べる』ことがイヤなのでしょうか?

 でも、銀杏は拾うんだから、やっぱり、しいのみなんてわざわざ拾って食べるほどのものでもないからと、無視しているのでしょうか。
 昔の子供にとってはあんなものも貴重なおやつだったんでしょうが、今は美味しいものがいくらでもあるし、カラを割って食べるのが面倒ですしね。

 そういえば、私だって、子供が一緒だからしいのみを拾いますが、子供がいなければ、公園にしいのみが落ちてるのを見つけても、わざわざ拾って帰ろうとは思わないかもしれません。そもそも、いい大人が一人でどんぐり(知らない人にはそう見えるはず)を拾うのは恥ずかしいですものね(^_^;)




 今月の勘違い

 毎度おなじみ、あいかわらずのとんちんかん会話集です。

★夫と私はホームページ作成ソフト・ホームページビルダーを共有で使って、それぞれのサイトを作っています。他方が自分のサイトの作業をしたあとは、一旦、そのサイトを閉じて、改めて自分のサイトを開きなおす必要があります。
たまたま必要があって夫と一緒にホームページ作成作業をしていたときの会話です。
 私:「いったんサイトを閉じないといけないね」
 夫:「えっ? サイトウ・トシヤ?」

★私:「帽子をかぶれば日射病にならないよね」
  夫:「えっ、ミッシェル・ランドンって誰?」(←上の『サイトウ・トシヤ』もこれも、何の心当たりも無い名前だそうです)

★私は扇風機の風が苦手です。時々当たるならいいのですが、ずっと風に当たっていると風邪をひくのです。だから、なるべく扇風機は使いたくないし、どうしても使うときは首降りにするか、自分に直接風邪が当たらない角度で回します。
ある日、夫が、扇風機を回しだしたところ、ちょうど私に風が当たることに気づいて、
「扇風機、つけてて大丈夫?」と聞いたので、
「首を振ってれば大丈夫」と答えながら、ふと見ると、たまたまその場にいた息子が、無言で自分の首を左右に振っていました。
不思議に思い、「何やってるの?」と聞くと、大真面目に、「だって、お母さん、首を振れば大丈夫なんでしょ?」だそうです(^_^;)

★私(夕食の準備をしながら息子に向かって):「健太郎、今日はお手伝いがいっぱいだぞ!」
  息子:「えっ? ひっぱりババア?」

★私:「今日は、コケモモのジャムがあるからね」
  息子:「えっ? ポケモンのジャム?」

★私:「今度、市で○○堰の周りを整備して、『水辺の展望デッキ』とか作るんだって」
  夫:「えっ、ネズミのペンボウテッキ?」(←『ぺんぼうてっき』とは何かと思ったそうです)

★私:「私の日記はサイト運営の話題が主だから……」
  夫:「えっ、サイトウ運輸の話題?」(←それはどこの運送会社で、何で私がその話をするのかと不思議に思ったそうです)

★息子が学校で校外学習に行き、そのお知らせのお手紙を持って帰ってきました。
  そこに、「バスで何時間も走って『ビジターセンター』についた」ということが書いてありました。
  私:「バスで何時間も走ってつくビジターセンターって、どこだろうね?」
  夫:「えっ、ウンチカバーして北千住(きたせんじゅ)って何のこと?」




 近況報告・猫、その後

 七月以来、再三、ここや日記で書いてきた、拾った仔猫の話の続報です。
 六匹中五匹は貰い手が決まり、それぞれ、既に貰われていきました。
 最初の一匹は、既に十二匹も猫を飼っている猫好きさんの家に、二匹は兄弟一緒に、一匹は同じ年頃の猫のいる家にそのコの遊び相手として、最後の一匹は単独飼育だけど奥さんが専業主婦でご主人も在宅勤務……と、それぞれにたいへん恵まれたご家庭に引き取っていただくことが出来ました。

 里親さんは、みな、その後、メールで猫たちの近況を知らせてくれ、何通もメールをくれた人やデジカメ写真を送ってくれた人もいて、猫たちの幸せそうな様子がわかります。写真が送られてきたときは、ちょっと涙ぐんじゃいました。本当に、良い里親さんたちに恵まれて、猫たちも私たちも幸運だったと思います。

  『はなくそ』だの『しっぽまがり』だのという、いいかげんな仮名で呼ばれていた彼らですが、今では、それぞれに、『すず』『りく』『はな』『めぐ』など、素敵な名前を付けてもらって、可愛がられている様子です。
 一番立派な名前になったのは、仮名『黒ちび』。なんと、『黒王(こくおう)』だそうです!
 『チビ』から『王』に! しかも『こくおう』に! すごい出世です! しかも、本当に王様並の待遇を受けている様子。

 最後の一匹になった段階で、里親募集は停止し、残る一匹は、うちで飼うことにしました(^^)
 灰色がかった黒猫の男の子、『ちょっとチャ』です。
 ちゃんとした名前をつけてやろうと、いろいろ考えたのですが、どうも、結局、すでに呼びなれてしまった『ちょっとチャ』が定着してしまいそうです。赤ちゃんのときはちょっと茶色かったけど、いまはぜんぜん茶色くないので、『ちょっとチャ』の『チャ』は『チャコールグレイ』の『チャ』ということにしています。ちなみに、『ちょっとチャ』のアクセントは後ろのほうにあります。

 心配された先住猫との折り合いも、思ったほど、そんなにひどいこと(流血沙汰とか、先住猫がストレスで体調を崩すとか……)にはならず、先住猫もそれなりに新入りの存在に慣れてきつつあるようです。


 それから、これも先月の近況報告で書いたゴーヤ。
 もうそろそろ枯れてきましたが、先日、たぶん最後の収穫をしました。
 ここ一ヶ月、毎日のようにゴーヤを食べて、いろんな調理法を試してみたので、参考までにお薦めレシピをご紹介。

 まずは共通の下ごしらえです。半分に割って種とワタを取り、1ミリ程度の薄切りにして軽く塩をして水洗い後、熱湯でさっと茹で、さらに水洗いします。茹で時間は、私は、歯ごたえが残るように、さっと湯通し程度にしています。

 そして、お薦め料理ですが、ゴーヤが苦手な人向けにお薦めなのは、カレーです。普通のカレーに、下ごしらえしたゴーヤを入れるだけ。
 ゴーヤの味がぜんぜんしないので、お子様にも食べられますが、ゴーヤが好きな人にはもったいない食べ方かも(^_^;)

 そして、ゴーヤが少ししかないときのお薦めは、てんぷら。
 私はちょっと厚めに(5ミリくらい)切って、下ごしらえしてから揚げます。
 てんぷら粉ではなく、片栗粉で揚げても美味しい。ふきのとうのてんぷらみたいな感じになります。

 そして、わたし的に究極のゴーヤ料理だと思うのは、バター醤油かつおぶし炒め。
 下ごしらえしたゴーヤを、少量のサラダ油でさっと炒め、削り節をかけて、鍋肌から醤油を回し入れて、最後にバターを落とします。
 これは、かつお節抜きでもバター抜きでも、それなりの味になります。その場合は、サラダ油のかわりにごま油でもおいしいです。
 私、これなら、一人で、大きいのを丸ごと一本は食べられますよ(実際、食べました)! シンプル・イズ・ベストを実感する調理法です。

 他にも、ゴーヤーチャンプルーはもちろんのこと、豚肉とゴーヤだけ(または、それにプラス卵)をシンプルなしょうゆ味で炒めた簡易版ゴーヤーチャンプルー(名づけて『ゴーヤーシンプルー』)、サラダ(茹でたゴーヤをマヨネーズで和える。セロリみたいな味)も美味しかったです。

 あと、今思いついたんですが、ズッキーニ風に、オーブン焼きとかにしても美味しいかも?
 下茹でしたゴーヤにとろけるチーズを載せて、パン粉とバターを乗っけてオーブントースターで焼くとか。
 今度、試してみようっと。

追記:思いついたその日の夕食に試してみました、ゴーヤのチーズ焼き。それなりにおいしかったですよ。炒め物だと食べない子供たちも、取り合いっこして食べました。




 読書録

(注・この読書録は、あくまで私の備忘録・個人的な感想文であって、その本を未読の人にマジメに紹介しようという気は、ほとんどありません(^^ゞ (……たまに、少しだけ、あります)。 ただ、自分の記録のためと、あとは、たまたま同じ本を読んだことのある人と感想を語り合いたくてアップしているものなので、本の内容紹介はほとんど無いことが多く、ものによってはネタバレもバリバリです。あまり問題がありそうな場合は、そのつど警告するか、伏字にしています。)


『七王国の玉座(下)』  (早川書店)
 作中で起こる出来事は、あまりはっきりとは書いてないけど、ちょっとネタバレかも? 下巻を未読の方で、ものすごくネタバレを気にする人は、ご注意ください。上巻も読んでない人なら、かえってぜんぜん話が分からないから大丈夫のような気もします。

 ……というわけで、上巻よりさらに面白くなった下巻です!
 宮廷は陰謀渦巻いてめちゃくちゃになるし、いろんな人がじゃんじゃんお亡くなりになるし、ジョンはがんばっていい男になりつつあるし、いろいろ化け物は出てくるし、冬は近いし、戦争は始まるし……。

 おちゃめな小人のティリオンが、ますますいい味出してて好きです。
 そういえば、この話には、先天性(たぶん)の身障者であるティリオンをはじめ、屋根から落ちて足を折ったブランなどの身体障害者が、障害者だからどうだというのではなく、ごく普通にその世界に存在して、それぞれ普通に物語上の役割を果たしていますよね。
 障害そのものがテーマじゃなく、障害があるからといってそのことによって物語の中で特別扱いされるわけでもなく、かといって障害が無視されるでもなく、身体的な障害もその人の大きな属性の一つとして、他の各種の属性と同列に普通に取り扱われている感じ。
 これって、よく考えてみるとけっこう珍しいことじゃないかと思います。

 あと、小さなアリアちゃんの大冒険が面白かったです。やるなあ、おチビちゃん。お城から逃げ出すところは、はらはらドキドキしました。わくわくドキドキの楽しい冒険なんかじゃなくて、とっても悲痛な状況なんだけど、アリアの低い視点に同調して、一緒にスリルが味わえるんです。

 それと、やっぱりデーナリス! あいかわらず、デーナリスのパートは好きです。
 デーナリスって、本来は特に気質的に強いタイプでも、特別に行動的とか頭脳明晰というわけでもない、ごく普通の女の子なのだと思うのですが、でも、とにかく芯が強くて、頭の切り替えがいいですよね。

 彼女の境遇って、自分を悲劇の主人公に見立てて嘆こうと思えばいくらでも自己憐憫に浸れる凄絶な境遇だけど、彼女は、言ってもしょうがない泣き言なんか言わない。とにかくその場その場で適応して、新しい境遇を受け入れ、自分の手で自分の居場所をしたたかに勝ち取っていく。自分に降りかかる運命を、すべて、悲劇ではなくチャンスに変えてしまう。
 その、腹の据わった、思い切りのいい姿が、時に痛々しくも迫力があって、とても好きです。

 ドロゴがああなったときは、彼女、ああするんじゃないかと思ったですよ。あの、ある意味かなり衝撃的な選択も、ああ彼女ならそうするだろうなあと、なんかすごく納得できます。ドロゴも、もし状況を理解していたら納得してるんじゃないかな。
 その後の、『仔羊人』の女治療師の件は、さすがにちょっと予想外でしたが……(@_@) さすがドラゴンの娘、ふっきれたら違う(@_@)

 そして、ラストでは、まさに生まれ変わって……。化けましたね、デーナリス。
 気弱で凡庸な女の子から、怖いけど目を離せない、苛烈にして魅惑的なドラゴンの女王へと脱皮した彼女の、この先が楽しみです。きっと、冬へと向かいつつある世界を焼き尽くすほどの炎を吐きつつ、ゴジラのように華々しく上陸してくるに違いない。
 炎の中に古い弱さを脱ぎ捨てて、前だけを見つめて歩き出す彼女の足取りの峻烈さ……。いいぞ、嵐のプリンセス、最後の雌ドラゴン!

 それにしても、あの騎馬民族の生活は、相変わらず凄絶です(^_^;)
 妊娠末期まで馬に乗ってるのは、まあ、それが彼らには物心付いて以来続けている普通の生活で、慣れてるからそんなには負担にならないんだろうし、妊婦が馬の心臓(だっけ?)を食べるのは、たしかに貧血予防の観点からも良い習慣かもしれないけど、冷たい泉で沐浴は、流産が心配だ!
 しかも、その後、とんでもない体制で(あ、でも、腹部を圧迫しないと言う点では妊婦にとって合理的な体位なのかも?)あんなことしたりして、ただでさえ若年妊娠で不安定な上に慣れない騎馬生活だというのに、さらに無茶ばかりで、おばさん、はらはらしちゃいます……(T-T)
 きっと、あの部族、流産率や乳幼児死亡率がめちゃ高いんだろうなあ……。誰か、あの人たちのとこに保健婦さんを派遣してやってよ……。ちょっと啓蒙活動が必要だと思う……。


『イリヤの空 UFOの夏(4)』 秋山瑞人(メディアワークス 電撃文庫)
 
 いっぱい笑って泣いたシリーズの、最終巻です。結末は具体的には書きませんが、ラストの傾向は分かってしまうので、とってもネタバレ嫌いの人はご注意ください。
(↓この下、数行開けてあります)



 このシリーズが、こういう苦い結末を迎えるとは思いませんでした。
 もちろん、普通に考えてみればハッピーエンドというのはありえないんだけど。
 でも、その世界を作った神様である作者なら、何か思いもよらない魔法を使って、ありえないはずのハッピーエンドを奇跡的に実現できるかもしれないじゃないですか。……という、かすかな期待があったのです。

 でも、あれでよかったんだと思います。あれでハッピーエンドでは、甘すぎる。

 携帯電話を利用したトラップをしかけて誰もいない学校でこっそり生活する話は、実際は追い詰められた状況なのに、まるで夏休みの冒険キャンプみたいで、ほんとにわくわくしたんですけど、そのままわくわくでは終われないですよね。

 途中の、元教師のホームレス吉野のエピソードも、彼の最後の豹変はいまいち納得しにくかったけど、あれで『いい話』のまま終わってたら、ちょっと甘かったと思う。彼の豹変がやや不自然に見えたのは(劣情から豹変というならそれなりに分かるけど、その前から突如あせりだしてたのがヘン!)、それは、彼がもともと他人には理解できないような唐突な思考パターンを持った、暴力的傾向のある、少々異常な人だったからなんでしょう。あの人は、たぶん、生徒を殴ったか強姦したかで学校を首になったんでしょうね。

 で、そのあたりから、お話は、ぐっと苦く重苦しい色彩を帯びてくるわけですが……。
 それでも、最後の最後まで、暗く絶望的ではあっても、どこかまだ、かすかな救いの気配のようなものが感じられていて、本当にああいう風に終わるとは思えなかったです。

 だから、本編ラストまで読んでから、たまたま、口絵の、浅羽が伊里野の髪を切ってる場面が目に入ってしまったときは、不覚にも、ウッと喉がつまりそうになりましたよ。あの口絵、最初に見ても、女の子の描き方が意図的にエッチ臭いなあというくらいで、どういう意味があるシーンなのか分からないけど、読み終わってから見ると、泣けますよ。それがなぜかは、最後まで読んだ人になら分かると思いますが……。

 それでも、やっぱり、最後まで、あまり暗い感じはしなくて。暗いといえば暗いんだけど、ラストシーンに閉塞感じゃなく開放感があったからでしょうか。どんな悲しいときも、ずっと風が吹いていて、空が広かったからでしょうか。だから、どんよりした暗さではなく、初恋の後姿を見送るような、やりきれないけど愛しい切なさが残るのです。

 救いのない結末ながら読後感が悪くないのは、最終的に受け取ったメッセージが、『世界には守る価値がある』というものだったからだと思います。少なくとも、私が最終的に受け取ったメッセージは、それでした。

 このメッセージは、直接的には、文庫本収録時に加筆されたというエピローグで、ひときわはっきりと示されていましたが、それがなくても、作品全体から、そのことが感じられていたように思います。
 吉野のような人物を描きながらも、ずっと『それでもやっぱり世界は守る価値がある』というメッセージが通奏低音のように作品の底を流れていたと思います。そういうメッセージを、ドラマチックなシーンだけからではなく、こまごました日常の描写からも滲み出させることの出来る筆力がすごいです。

 本編のラストに脇役たちのその後が書かれていますが、あの結末の後だからこそ、『誰それはプロレス研究会に入った』などというどうでもいいような『その後』が、実は人知れぬ犠牲によって購われてたのだということの切なさを感じ、そんなあたりまえの、ありふれた日常が、実はとても貴重な、稀少なものだということが理解できるのです。
 滅亡の危機に瀕した世界という設定によって、取るに足らない当たり前の日常や、決してきれいなばかりではない世の中のすべてが、とても貴重な、いとおしいものとして、がぜん輝いて見えてくるのです。

 結局、最後に胸に残るのは、『世界は愛しい』という感覚でした。
 だから、苦い結末でも読後感が悪くないのだと思います。


『くらのかみ』 小野不由美 (講談社)

 講談社が有名推理作家の子供向けの書き下ろしをそろえた『ミステリーランド』の一冊です。
 豪華な顔ぶれで話題の新シリーズだし、小野不由美さんだから一応読んでみたけど、推理小説が苦手な私には、やっぱりあんまりよくわからなかったです(^_^;)
 犯人の一人は、最初から、描かれ方で見当が付いてたんだけど、犯人が分かっちゃってるだけに、子供たちの、筋道立てた地道な推理が、まどろっこしいだけに見えて。

 どうも私は、犯人やトリックを明らかにする過程というものを楽しむ素地が無いようです。つまり、推理小説を読む適性がないらしいです(^_^;)

 それはともかく、佐藤さとるのコロボックル・シリーズで有名で、子供の頃の教科書の挿絵などでもよく見かけた村上勉さんの挿絵が懐かしかったです。大先生、今、いったいお幾つなんでしょう(@_@)


 他に、グインサーガ91『魔都の攻防』(ハヤカワ文庫) を読みました。


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