月刊カノープス通信

  2003年4月号-1

   ──今月の詩──
       『春』

春の女神ペルセフォネが地上にやってくるとき
彼女は 冥界の扉を開けたままで来るのに違いない

春は 休み無く生まれて 広がって
そうしながらも
冥府の闇に吸い込まれて 消えていく

春 四月
冥界の入り口で
いつもいつも 奇怪な鳥が二羽
黒い翼を広げて貪欲な嘴で刻を啄ばみ
やっきになって春を取り戻そうとしている






<解説>

 昔、実家の押入れから発掘してきた、高校生のときの作品です。春の中でも3月と5月の詩はけっこうストックがあったのに、4月の詩だけ、なぜかぜんぜん無いので、苦し紛れに古いものを引っ張り出してきました。
 なんだか訳のわかんない作品ですが、あんまり大昔のものなので、何を思ってこんな妙なものを書いたのか、今となっては自分でもさっぱり分かりません(^_^;)
 ただ、たしかこれは、4月のある日、カラスが二羽、地面をつついているのを見て書いたものだというのは記憶しています。
 つまり、これ、一見何やら意味ありげに見えるけど、実は、『カラスが二羽、地面をつついてるのを見たよ』というだけの内容なのかも……(^_^;)


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