月刊カノープス通信 2003年2月号-1
──今月の詩── 『春の雪』 髪に降る 春の雪 消えぬ間の 淡いくちづけ さよならが 風に舞い ごめんねと 目を伏せた 求め合い 支え合い 長い恋に 疲れ果て 傷ついて 傷つけて 最後に触れる やさしさは 春の雪によく似てる 春の雪 手の中で つかのまに 消えてゆく つかのまの 青春は 差し伸べた手に ふと止まる 春の雪によく似てる 春の雪 胸に降る 思い出が 冷えぬ間に もう一度 くちづけを ぬくもりが 消えぬ間に 背を向けて 立ち去って 振り向けば 闇に降る 春の雪
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