カノープス通信
2002年4月号−2

目次
・季節の便り
・今月の面白探し
・近況報告
・読書録
(今月は『月冠の巫王』、『水色の髪のチャイカ』、『ファイアストーム』他です)
・オンライン小説読書録
(最近読んだもの、あれこれ、ちょっとだけ)



季節の便り

 これを書いている今(3月27日)、満開の桜が雨に打たれています。雨がやんだ時には、かなり散っていそう。
 今回、『今月の詩』のバックに、季節感を考えて桜の壁紙を使ったんですが、これをアップする頃には、関東地方では、桜は散ってしまっていることでしょうね。開花が例年通りなら、ちょうど桜の時期にアップになるはずだったのに……。でも、地方によっては、これから桜が咲くところもあるでしょうから、良しとしましょう。

 先日(23日)、東京の実家に行ったら、庭の桜が満開でした(千葉の我が家では、その頃は、まだニ分咲きくらいだったのですが)。
 でも、庭の桜は毎年咲くけど、今年は何か違う……と思って、気が付いたら、隣の家のコブシの花が、桜と同時に満開だったのでした。
 実家に庭には桜の大木が、隣の家の庭にはコブシの大木があるのですが、そういえば、普段は、咲く時期が違って、コブシが終わる頃に桜が咲くのです。それが、二本並んで同時に満開なんて、今まで、たぶん一度もなかった異例の事態です。

 その数日前、実家の母は、どこかの梅園に梅を見にいったそうです。梅を見にいくはずなのに、道すがら、あっちこっちで、例年なら梅の季節にはまだ咲いていないはずの桜が咲いているので、一緒に行った友人と、「これでは梅はもう終わっているかも」と話し合っていたら、梅も満開だったそうです。しかも、例年なら梅が終わった後に咲くという枝垂れ梅も、今年はもう咲いていて、すごくラッキーだったそうです。

 そんな話を聞いて、千葉に帰ってきたら、近所の庭に、なんと、もうライラックが咲いていました。あたりを見回せば、梅にコブシ、桃にキイチゴと、このあたりでは三月から四月にかけて順々に咲くはずの花が全部いちどきに咲いていて、まるで雪国の遅い春のようです。



今月の面白探し

 うちの夫は、なかなか面白い人で、ネタの宝庫です。というわけで、今月は、夫ネタ三連発!

・その1
 ある日、夫が、自分の脱ぎ捨てた靴下が床に落ちているのを見つけて、拾おうとしたそうです。
 が、拾おうとして身をかがめると、その靴下が、なぜか、その場所から逃げるではありませんか!
 あれ、っと思って、一歩下がると、靴下も、一緒に手前に移動する!
 ……そうです。その靴下は、落ちていたのではなく、夫が自分の足に履いているものだったのです(^_^;)
 かがみこむために、片足を後ろに引いたのですね。だから、拾おうと思っていた靴下が伸ばした手の先から消えたように見えたのです。
 自分の尻尾を追いかける犬みたいですね(^_^;)

・その2
 先日、夫の思い出話を聞いて大笑いしたんですが、中学校の美術の授業でレタリングを習ったときのことです。『何でも好きな言葉を』レタリングで書けといわれた夫が書いた言葉は、なぜか、明朝体で 『男の魅力』だったそうです(^_^;)
 なんでそんな言葉を選んだのかと言うと、たまたま手近にあった新聞にその言葉があって、そのまま使えると思ったからだそうですが、新聞なんて、他に、いくらでも、ありとあらゆる言葉が載っていたでしょうに、なんでわざわざ、そのフレーズを……?
 中学生男子、好きな言葉は『男の魅力』……(^○^)
 しかも、後に画家になるだけあって、その手のことが子供の頃からすごく得意だったという夫のこと、レタリングそのものは、たぶん、すごくきっちりしていたに違いありません。もちろん、その作品、先生に非常に受けたそうです。

・その3
 入眠時幻覚っていうのでしょうか、眠りに入る寸前に何か幻覚が見えたり、幻聴が聞こえたりした経験がある人って、けっこういるのでは?
 私も、そういえば最近は見なくなりましたが、子供の頃、眠りに落ちる寸前に、いつも同じ知らない街の光景(それも必ず上空から見た俯瞰図)を見ていました。あと、何か能面のようなお面(それも、いつも同じお面)が見えることも多かったです。
 そして、たぶん、夫のこれも、そういう体験の一種なのだと思うのですが……。
 ある日、眠りかけた夫の脳裏に、突然、こういう言葉が飛び込んできたのだそうです。

『私は悪魔宇宙人ズオウのポポラット将軍だっ!』

 で、たぶん普段なら目を覚ますまでに忘れてしまうのだろうその言葉を、たまたま起きてからも覚えていて、話してくれたので、大笑い。
 何、それ……? なぜ、『悪魔宇宙人』? 『ズオウ』って何? なぜ『ポポラット』で、なぜ『将軍』?
 それって、もしや、宇宙からの怪しい電波では……?(^_^;)
 しかし、この自称『将軍』、自ら『悪魔宇宙人』などと名乗る割には、ポポラットって名前、ちょっとかわいいですよね。


近況報告

 今日(3月27日)、下の息子の保育所の卒園式がありました。
 卒園証書授与の際、一人づつ、将来なりたいものを言いました。
 男の子たちは、サッカー選手、消防士など、女の子は保育園の先生、看護婦さんなどがメジャーですが、中には面白いことを言う子もいて、「大きくなったらモーニング娘になりたいです!」とか。
 『アイドル』とか『歌手』になりたいんじゃなくて、あくまで『モーニング娘。』なんですね。
 感覚としては、「セーラームーンになりたい」とか「ウルトラマンになりたい」とか(年少組以下の子に将来の希望を訊ねると、たいがい、そのテの答えが返ってくるようです)、そういうのと同じ気持ちなんじゃないでしょうか。

 中でも傑作だったのは、「大きくなったら、『神のカード使い』(『遊戯王』の?)になりたいです!」で、お母さんたちに大受けでした。
 うん、いいぞいいぞ、そいつぁ豪儀だ!

 保育所では、そういう突拍子もない希望を、ちゃんとそのまま言わせるのが良いですね。
 決して、「ねえ、そういうのじゃなくて、消防士さんとかお店屋さんとか、そういう、本当になれるかもしれないものにすれば?」なんて指導したりしないらしいです。
 これが学校だったら、先生の指導が入って、画一的な答えになってしまうのではないでしょうか。

 私、大人になって自分の子供が学校に入ってから、今さらながら、自分は学校というものがすごく嫌いだということに気づきました。
 自分が子供だった頃は、学校が、自分にとっての『社会』のほとんどすべてだったので、自分がそこに属しているということにあまり疑問をもたなかった(というか、持ってはいたけど自覚できなかった)のですが、いったん外の世界に出てから、もう一度、昔とそれほど変わっていない学校と言う特殊な小世界と再び関わらざるを得なくなってみて、あらためて自分の学校嫌いを自覚しました。
 子供の頃は、人並み程度に学校嫌いではありましたが(月曜日の朝は日曜日が終わってしまったことが悲しいとか、台風などで臨時休校になったり風邪で学校が休めると『わ〜い』と喜ぶという程度の……)、いじめられていた時期を除いては、本当に本気ですごい学校嫌いというわけではなかった気がするので、今のほうが、子供の頃よりもっと学校嫌いかもしれません(^_^;)
 あ〜あ、保育所はほんとにいいところだったのになあ……。

 どこの保育所も良いところなのかどうか知らないけど、少なくとも、うちの市の保育所は、教育方針などがすごく良くて、私、『うわあ、ここは子供の天国だ〜』と感激したものです。母親と二人っきりで家に閉じこもってるより、保育所に入れたほうが、子供にとっても絶対幸せだなあ、と。
 なんたって、木登り、泥遊び、やりほうだい! 適度にケンカもさせてもらえるし、女の子だってSMAPやモー娘より特撮ヒーローが好きなら、他の女の子たちが造花を手にSMAPのヒット曲で踊ってる学芸会で、一人だけ男の子に混じってボール紙の剣を振り回し、『超獣戦隊ギンガマン』を踊ってもいいのです。ね、いいでしょ? 学校になんかやらないで、ずっと保育所にいさせてやりたいくらいでした……。
 上の子が二歳の時から二人合わせて通算七年間お世話になった保育所とも、これでお別れで、寂しいです。

 ちなみに、話は戻りますが、うちの子の将来の希望は、『ケーキ屋さん』でした。そういえば、上の息子は『魚屋さん』希望だったし、なんかふたりとも食い気丸出しですね(^^)


読書録

『月冠の巫王』 たつみや章・作(講談社)
 すごく面白くて、楽しみに読んでいた四部作の完結編です。せっかくここまですごく期待度が高かったから、ヘンな終わり方したらやだなと思ったけど、とりあえず大幅に期待を裏切られることはない、それなりに納得できる幕引きで、よかったです。
 ただ、もしかすると、もっと文明論、歴史認識に迫る大きい話になるのかなと思わないでもなかったので、その点では、やや肩すかし気味だったかもしれませんが、それは単なる期待過剰で、とりあえず、ポイシュマたちの物語としてはきちんとまとまってた(ような気がする)ので、不満はありません。
 ただ、稲作文明そのものを否定しているようにも読めてしまうのはちょっとなあと思ったけど(それとも、『読めてしまう』、じゃなくて、作者、そのつもりなのか?)、違う文化を生きる人々の立場に立ったお話なんだから、しかたないんでしょうね。文明を問い直すという視点は大切ですし。
 (さて、ここから下は、ちょっとネタバレです。差し支えない人だけ白文字を反転させて見て下さい)

でも、ささいなことだけど、コノハナヒメは、ちょっとかわいそうだったなあ。
 たしかに、傲慢で浅はかで自己中心的で思いやりのカケラもないという、かなり鼻持ちならない女の子だけど、根は別に、そんなに悪い子じゃないと思うんですよね。ただ、一国のヒメたるものはこうあるべしという周りの大人の価値観を疑問を持たずに信じこんで育った結果、ああなってしまっただけで、つまり、それだけ、根は非常に素直な子なのではないかと……。『自分はヤッコを厳しくこき使ったりもできるから、もう一人前です』なんて得意になって言いたてる様は、いかにも子供っぽくて、それなりの愛らしさがないでもないように思うんですけど……。まだ子供なんだから、これから適切な環境におかれれば充分更生の余地があったのでは、と……。冬木、女の子には甘いですから(^_^;)
 でも、まあ、そんな端役にまでいちいち同情してたら、終わる話も終わらなくなるから、しかたないですね。それに、あの状況で、たまたま生き残って、温情で保護されたとしても、自分のクニを滅ぼした野蛮人たちに今さら心を開くことは、どんなに寛大に扱われても、永遠に無いかもしれないしね。単純な勧善懲悪・因果応報的なお話ではなく、他のキャラも、罪の有る無しに関わらず、必ずしも全員が幸せになったわけではないので、まあ、あれはあれで仕方なかったのでしょう。

 それにしても、壮大な四部作の最後の巻に、たまたまコノハナちゃんが出てきたために、それさえなければ全然違うものになっていたかもしれないこの物語全体の読後感が『コノハナちゃん、ちょっと可哀想』という瑣末な枝葉についての感想で覆い尽くされてしまった私って……。全体のテーマのことなんかそっちのけで、ほんの端役の(しかも、別に、特に好きというわけでもない)コノハナちゃんの悲運ばかりがひたすら印象に残ってる私、女の子に注目するあまり、すっかり本筋見失ってますね(^_^;)

 ところで、この巻で一番好きだったのは、ほうき星の神様とシクイルケが酒を酌み交わすシーンでした。

『百鬼夜翔 水色の髪のチャイカ』・『妖魔夜行 幻の巻』(角川スニーカー文庫)
 私、読む本の好みが非常に偏っていて、守備範囲が狭いので、自分で選んで借りてくる本は、すごく限定されてしまいます。その、狭い好みに、多少の幅を持たせているのが、弟から借りる本と、夫が図書館で借りてくる本です。
 夫と私は、主な好みの分野が違うのですが(夫はホラーとミステリー中心、私はファンタジー)、でも、それぞれの好みのタイプの端っこが少し重なっているところもあるので、夫が借りてきた本の中から、『これは洋子にもおもしろいんじゃない?』と勧めてくれる本や、自分でパラパラとチェックしてみてちょっと面白そうかなと思った本を、けっこう回し読みするのです。

 そうやって出合った本の中には、京極夏彦など、私もすっかりハマったものもあるし、ハマるというほどではなくても、まあまあ面白くて、なんとなく読み続けることになる作家やシリーズもあります。

 この、『百鬼夜翔』&『妖魔夜行』シリーズは、そういう、夫との回し読みで出会った、『まあまあ面白い』本のひとつ。とあるTRGの背景世界を共通の舞台にして複数の作家が短編を競作している、シェアードワールド・ノベル(だったかな?)というものです。
 妖怪モノなので、分類すれば一応ホラーなんでしょうが、現代版『ゲゲゲの鬼太郎』みたいなノリなので、別に恐くありません。(たまには、ちょっと恐いのが混じってる時もあるけど)

 というわけで、このシリーズは、私の好みの中心ではなく、好みの端っこにある本です。
 実際、このシリーズを執筆している作家のほとんどは、作風・文体が、あまり私の好みではありません(^_^;)
 なのに、なんでもう十何冊も、このシリーズを、あきもせずに毎回読み続けているのか。
 それは、たぶん、ひとつには、このシリーズの世界が私にとって、『いつ行っても同じメンツがわいわいやっててフレンドリーに迎えてくれる行きつけの店』みたいな『いきつけの異世界』になっているからです。
 私は、同じひとつの異世界に長いこと入り浸るのが好きなのです。だから、どんどん続く長いシリーズもののファンタジーが大好きです。

 でも、この『行きつけの店』、最近、移転しちゃったんですよね。渋谷・道玄坂のバー『うさぎの穴』から、横浜のホテル『スーリエ・ルージュ』に。従業員や常連さんの顔ぶれも、すっかり変わってしまって……。
 今までは、『バー・うさぎの穴』を溜まり場とする妖怪グループの群像がずっと描かれていたんですが、今度は新シリーズになって、別のグループの妖怪さんたちがメインになって。世界そのものは同じ世界で、前に活躍してた妖怪さんたちも、ちゃんと同じ世界にいて、時々噂されてたりするんですけど。
 人見知りの私としては、旧シリーズの妖怪さんたちに、十数冊分の時間をかけてやっと馴染んだところなのに、急に顔ぶれが一新してしまって寂しいです。
 が、二冊のうちの一冊、『妖魔夜行・幻の巻』は、前シリーズの文庫未収録作品などを集めたものなので、久しぶりに、かなたちゃんや流君などの懐かしい昔の仲間たちに会えて、なんとなくなごめました(^^)

 『百鬼夜翔』のほうは、まだあまり馴染めていない新シリーズの数冊目です。
 このシリーズ、いろんな作家が一話完結型で書いてる連作短編集なので、作品によって、面白いこともあれば、あまり面白くないこともあります。しかも、さっきも書いたように、私は、執筆陣の中のほとんどの人の作風が、あまり好みではありません。
 でも、中に一人、夫と私の間で、『この人はうまい。この人が書いてる時は毎回面白い』と意見が一致している人がいて、それが、今回の表題作『水色の髪のチャイカ』の作者、山本弘さんです。
 この人は、SFを書いている人で、いろいろ面白い作品があり、安定した職人技でいつも確実に手馴れたエンタテイメントを提供してくれ、しかも常に健全な倫理観を根底に流してくれるので、安心して楽しめます。夫も私も、山本さん担当の回が楽しみでこのシリーズを読み続けてるっていうのもあります。

 で、この人、ギャグのセンスも良いけど、泣かせが実にうまい! 
 今回の『水色の〜』も、ちょっといい話で、なかなか泣かせます。『う〜ん、ええ話や……。じ〜ん』って感じです。
 でも、今回の敵役妖怪の犯行動機(というか、有害な妖怪になってしまった経緯)は、私は、あれ、ちょっと不自然だと思うんですけど……。
 (その理由を説明するとモロにネタバレになるので、ここから下は、差し支えない方だけ反転させてご覧下さい。)

 製作者の思い入れがあまりにも強かったために意識を得てしまって『妖怪』となった人形が、その製作者が自分に注ぐ愛情が歪んだものだったせいで、人形を愛する人間すべてを憎むようになったというのですが、自分が人間とは違う人形と言う存在であるということにさえまだ気づいていない、生まれたばかりのまっさらな意識は、自分に注がれる愛情を、それがたとえ人間社会の道徳に反するものであっても、『歪んでいる』とは認識しないんじゃないかと思うのです。
 人間が人形を愛するに当たってどんな愛し方が真っ当でどんな愛し方が歪んでいるかなどというのは人間社会の通念であり、人間社会の価値判断基準をまだ何も知らない目覚めたての意識は、『自分が歪んだ愛に汚されている』などは認識しないのではないかと。
 彼女に妖怪としての命を与えたのは他ならぬ製作者の過剰な執着──社会的に見てどんなに逸脱してようとも、彼にとっては真実である精一杯の想い──なのだから、それによって命を得た彼女は、自分と創造主と二人きりの閉ざされた『愛』の世界に満ちたりて安住するのでは? もし憎むなら、自分に命を吹き込むほどに愛してくれた製作者をではなく、むしろ、自分たちの『愛』を否定しようとする『外の世界』のほうだと思うのですが。
 後に、製作者から開放され、別の価値観が存在する外の社会を知り、だんだん自我が芽生えて人間社会についての知識を得た後で、実は自分がそれまで冒涜されていたのだと気づいて、遡って恨みを抱くようになったと言うのならわかりますが……。以上、ネタバレ感想、おしまい。

 ……と、いうわけでした。いえ、別に文句があるわけでなく、ほんと、いい話なのです。ただ、一箇所だけ、小さな疑問を感じただけです。

『ファイアストーム 火の星の花嫁』 秋山完・作(ソノラマ文庫)
 今ではすっかり私の『ブックマーク付き』になっているこの作家さんも、そういえば、一番最初は、私が自分で借りた本ではなく、弟のお薦めで巡り会ったのでした。
 私が自分で選ぶと、別に作者の性別で選ぶつもりではないのに、自然と、ほとんど女性作家の作品ばかりになってしまうのですが、夫や弟は、これも別に作家の性別で選んでるわけではないのに、ほとんど男性作家の作品ばかりなのです。それを貸し借り・回し読みすることで、少しは読書の幅が広がってるんです。
 これも、なかなか『いい話』で、ほろりと泣かせるだけでなく、しっかり充実したSFで、とっても面白かったです。

 『レディ・ガンナーの冒険』 茅田砂胡・作(角川スニーカー文庫)
 以前の読書録の中で、私が、『半獣半人キャラが好きだ』と騒いだら、相互リンク先 叙情性レプリカント(旧『天空の城』)のひさちさんが『半獣人がいっぱい出てくる本がある』と勧めてくれた作品です。
 で、確かに! 各種取り揃えた獣人キャラ、堪能しました〜。楽しかったです。
 それにしても、忘れられないのは、半獣人ダムー君の黒パンツ!
 この人は、人間形態から動物形態(四足でシッポもある)に変身しても、パンツを穿いたままなのです(^_^;) 
 『人間に戻った時にすっ裸だと困るから』という理由はナルホドなのですが、でも、ヒロインのキャサリンちゃんの、『どこから尻尾を出してるのか、最初から尻尾を出す穴があけてあったのか』という素朴な疑問も、ごもっとも……。
 で、結局、その、パンツの秘密は、明かされないままなんですよ〜(@_@) うわ〜、気になる!
(しかし、あの作品を読んでなくてこの読書録を読んだ人は、作品の内容が全然見当付かないでしょうね。ただ、とにかく『パンツのお話』としてだけ印象に残るのでは……^_^;)


オンライン小説読書録

 このコーナー、本格的な感想は今回はお休みしますが、とりあえず、いろいろちょこっとだけ……。

 最近読んだオンライン小説の中で一番惚れたキャラは、 あきこさんの『Eclipse 月蝕』のフォルマティオさん! 顔の良し悪しなんて問題じゃないくらい存在感自体が魅力的な、これぞ本物のイイ男! 必ずしも好みのタイプじゃないんだけど(『おまけ』のキャラ語りによると、かなり男くさいタイプらしいので)、でも、な〜んか良いのです。どこに惹かれるかというと、たぶん、度量の大きさと人間的な深みを感じさせる点でしょう。一言で言えば『大人の魅力』。
 とりたててカッコつけなくてもおのずから滲み出る大人の色気と厳しい人生経験に裏打ちされた武骨な優しさに、もうドキドキです(*^^*) きゃ〜!
 いや〜久々にミーハーしました(^^)
 もちろん、そんな魅力的なキャラが出るだけあって、小説自体もすごく良い! ああいう、余分なことを語りすぎない簡潔で理知的な過不足のない文体は、私の憧れです(自分にはないものだから……)。

 それから、一番美味しそうだった食べ物は、 天城麗さんの『カイユの末葉』に出てきた魔獣饅頭!
 不思議な魔獣が住むと言う伝説の山が観光地になっていて、そこで、伝説の魔獣の絵をつけた黒蜜入りのアツアツ蒸し饅頭を売っているというのですが、これがまあ、実においしそうで……。そういえば他のところでも甘いものが実に美味しそうに描かれていて、決して甘い内容ではないのに、読むと甘いものが食べたくなる小説かも。物語のほうも、今、けっこう衝撃的な展開になってて(@_@)、目が離せません。

 それから、姫様 の『エーデムリング物語2 陽が沈む時』が完結。う〜ん、感動しました……。ああいう才能って、どこから沸いてくるんでしょう……。姫様って、いったい何者? それにしても、執筆速度がすごい!



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