カノープス通信
2001年9月号-1

──今月の詩──
『風の夏(去っていったのだろうか)』

あの年 夏の終わりの一日
風が吹いた

白く乾いたコンクリ−トの陸橋の上に
あなたと私は 立っていた
強い風が吹いて あなたの髪が舞った
小さな言葉は 風がさらった
     ――(サヨウナラ)――

だからあなたは 今も私のとなりにいる
甘やかに ありふれて
あの日から 決して私の目を見ない

風にちぎれた あの年の
遠い 夏の 雲の行方を追って

私たちの透きとおった夢は
       去っていったのだろうか――

『月刊カノープス通信9月号』次ページ(雑記)

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