空耳(そらみみ)草紙5

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以前連載していた月刊雑記『月刊カノープス通信』内『今月の勘違い』からの選り抜き集、
第二弾(2004〜2005年分)です。
収録基準は、私が自分でもう一回読んで笑っちゃったかどうかです(^^ゞ


夫:「今日、テレビで『トリック』やるよ。しかも、映画バージョン
息子:「えっ、上が婆さん?」


私:「明日、学校行くんでしょ?」
息子:「えっ? ラッコでゴンでしょ?」


私:「とんかつのつけあわせはやっぱり千切りキャベツだよね!」
夫:「えっ、天狗のキャベツ?」


私:「靴は下駄箱に入ってるよ」
息子:「えっ? ブタ箱?」


私(チラシを見ながら):「あ、これ、安いよ、9950円だって」(何が9950円だったかはもう忘れました(^^ゞ)
夫:「えっ、風船950円? それは高い!」


私(スーパーのチラシを見て):「赤卵(あかたまご)48円だって!」
夫:「えっ? バカどもが48円?」


これも子供たちが見ていたアニメの音声で、 「激辛カードを3枚!」というセリフが聞こえたような気がしたのですが、これは、「デッキからカードを3枚」だったらいしです。


夫:「ここ、やまと糊で貼ったから」
私:「えっ!? 生玉ねぎ貼った?」


家事をしながら子供たちがテレビを見ている音声だけを聞いていると、 「二本足馬茶」という言葉が聞こえました。
(えっ?)と思って慌てて画面を見たら、「にごらせ旨茶」のCMでした。


お風呂に入浴剤を入れようとした小二の息子が、『温泉のもと』の容器を見て、
「えっ、納豆の湯?」と驚きました。
 どういうことかと思ったら、その『温泉のもと』には『伊豆の湯』と書いてありました。二年生にはまだ『伊豆』は読めないんですね(^_^;)


これも息子の読み間違い。こちらは5年生の上の子ですが、テレビアニメのサブタイトル『慕情』を見て一言。
「……ばくしょう?」
確かに、『爆』と『慕』は、ちょっと似てますね。名画『慕情』を下敷きにした、とってもしんみりしたお話だったのに、『爆笑』とは……(^_^;)


夫がテレビを見ている音声だけを聞いていたときのこと。外国(フランス?)でセレブな生活をしている日本人を取上げた番組で、
本物の西部劇を満喫……」という言葉が聞こえました。
(えっ? なんでフランスで西部劇なの?)と不思議に思ったら、「本物のセレブリティを満喫」の聞き違いでした。
しかも、その後で、その人が本物のセレブしか入れない名門ゴルフクラブに入っているという話題になり、そのゴルフクラブの名前が『三文ゴルフクラブ』と聞こえて、またびっくりしたら、『サンノン・ゴルフクラブ』の聞き間違えでした。


フランス・ネタ、ついでにもう一つ。上のネタと同じ番組だったか別の番組だったか忘れましたが、テレビのナレーションが「パリ・ライフを満喫」と言ったのを聞いたカレー大好きの夫は、「えっ、カレーライスを満喫!?」と、思わず画面に向き直っていました。


私 (一緒に料理をしているとき夫が鍋を不安定な場所に置いたので)「鍋が不安定で怖い」
夫「えっ、鍋が育ってて怖い?」
……それはたしかに怖いですよね。


息子(テレビに映った人を見て)「あ、タラコくちびる!」
私「えっ、外国人ビル?」
夫「えっ、サイコデビル?」
……ちなみに、『サイコデビル』という謎の悪役風の名前は、別に知っているアニメキャラの名前などではなく、全く心当たりのないでっちあげの単語だったらしいです。


夫が額屋さんにシャドウボックス用というちょっと特殊な造りの額を注文したら、品切れで手に入らないかったときの会話。
夫「額、手芸屋さんならあるかなあ?(シャドウボックスは手芸の一ジャンルとして扱われるので)」
私「えっ、シベリア産?」
……額にも産地がいろいろあって、産地によって生産量や品質や人気度が違い、稀少な人気産地のものは売り切れていても、あまり人気のないシベリア産のものなら在庫があったりもするのかと、一瞬のうちにだだ〜っと想像してしまいました(^^ゞ


夫「明日出る前に準備を……」
私「えっ、ストーンヘンジがどうとかって言った?」
夫「えっ、ストームけんじって誰?」
私「えっ、ストーム原人?」


新聞の見出しに「名古屋弁席の禁煙見送り」を書いてあるように見えたので、『なごやべん席』っていったいなんのことだろうと驚いてよく見たら、『名古屋枡席』、つまり大相撲名古屋場所の枡席の話でした。
一瞬、名古屋の電車か何かには名古屋弁をしゃべる人の専用席か優先席があるのかと想像してしまいました(^_^;)


夫がテレビの音楽番組を見ていると、
「それでは、ラベルの『田端の女王ナントカカントカ』です」というナレーションが聞こえたので、びっくりして字幕を見たら、『田端』ではなく、『パゴダの女王レドロネット』でした。ラベルが『田端の女王』という曲を作曲してたらびっくりですよね!


動物園で不思議な模様の亀を見ました。その亀についての会話です。
私「紐で作ったような亀だったよね!」
夫「えっ、シマリス食ったような亀?」


テレビを見ていると、化粧品か何かののコマーシャルで『野生のアミノ酸が……』と言っていました。
なんだろうと思ったら、どうやら薬用アミノ酸の聞き違いだったらしいです。


小学4年生の息子が玄関で宅急便を受け取り、
ななじゅうへーの○○さんからだって!」と言って夫のところに持ってきました。
夫は、
(『70へぇ』ってなんだろう、『トリビアの泉』と関係あるのか?)と不思議に思いつつ荷物を受け取って差出人を見ると、『函館市七重浜』の○○さんからの荷物だったのでした。
 どうやら、『浜』を『兵』と見間違えたらしいです。


小3の息子は、このあいだまで『微生物』のことを『美生物』と勘違いして、美しい生き物のことだと信じていたそうです。


私(お祭りに行ってきた子供たちに向かって)「ソースせんべい食べたでしょ?」
夫「えっ、総ステンレス食べた?」


テレビのニュースで「大勢のあんぽんたんが詰めかけ……」と言ったような気がして、えっと思ってみたら、サッカーの試合の話でした。どうやら「大勢のサポーター」の聞き違いだったようです。


通りがかりに飼い猫にじゃれつかれた私と夫の会話。
私「猫が、人が通るたびにちょっかい出す〜!」
夫「えっ、ピテカントロプスにちょっかい出す?」


子供たちが見ているテレビの子供向けバラエティ番組で紹介していた、視聴者からのお便り。
『私はキンニクシツのコーナーが大好きです。もっと毎回やって欲しいです』。
……『筋肉質のコーナー』って、何? そういえば体操コーナーがあったけど、あれのこと? そういえば、ショッキングピンクの体操服姿の体操のお兄さんが、毎回、『筋肉、可愛いv』みたいなタワケた合言葉を言っていたしなあ……と、そこまで考えてから、ふと気づいたら、たぶん『心理テストのコーナー』だったんですね(^_^;)

先日、胆石の手術後で入院している夫を見舞った時のこと。
その日は、妙に待合室が空いていると思ったら、そういえば日曜日で、外来の休診日だったのでした。
でも、それにしては、何人かは、待合室に患者さんが座っていました。
そのことを夫に言うと、夫の返事は、
リンカーンじゃない?」
(へっ?)と思って、とっさに、リンカーン大統領の銅像が待合室を歩き回っている映像を思い浮かべながら、
「……リンカーン?」と聞き返したところ、夫は大笑い。
入院患者じゃない?」の聴き間違いだったのでした。
お腹の手術からまだ二日後だった夫は、この勘違いのせいで笑ってしまい、お腹の傷が痛くて、とっても苦しんでいました。ひいひいと苦しみながら笑っていました。ゴメンナサイ。


12月8日のことです。夫がラジオを聴いていると、
「今日はチョン・デノンの命日です」と言っていたので、(『チョン・デノンって、誰? 誰か有名な韓国人か中国人……?)と思ったらジョン・レノンの聴き間違いだったのでした。
韓国人または中国人の『チョン・デノン』氏……。確かに、なんとなく居そうな雰囲気ですね(^_^;) 漢字で書くとどういう字なのでしょうか。


夫は、この季節になると必ず街に流れるユーミンの名曲『恋人がサンタクロース』の一節、「♪恋人がサンタクロース、背の高いサンタクロース」を、ずっと、「手の早いサンタクロース」だと信じていたそうです。そんなサンタクロース、嫌ですね(^_^;)


ある雨上がりの会話です。
私「雨、止んだね。雲の切れ間が見えたよ」
夫「えっ、ホモの車が見えた?」


テレビの大河ドラマを見ながらの夫と私の会話です。
夫「土方歳三は五稜郭で死んだんだよ」
私「えっ、ゴーヤ食って死んだ?」
それって、食中毒ということでしょうか……(^_^;)


やはりテレビを見ながらの夫と息子の会話。
夫「このあいだ、『ライオンのごきげんよう』って番組でさあ……」
息子「えっ、『ライオンのワキ毛よ〜』?」


私(新聞の家庭欄を読みながら)「へぇ〜、低温火傷は水で冷やしても意味がないんだって」
夫「えっ、テレホン・ヤクザは耳がない?」
『テレホン・ヤクザ』って、いったいどんなヤクザでしょう……。


息子「『100万人の友達』って歌、知ってる」
夫「えっ、サツマイモの友達?」


夫が焼肉屋に入ったとき、隣のテーブルの人が、連れの人に、「上カルビって、いくら?」と聞いていました。夫はそれを、一瞬「ジョン・カビラって、いくら?」と聴き間違えてびっくりしたそうです。


夫がエスニック料理店さんに入ったとき。ウェイターさんはみんな外国人らしく、日本語の発音がちょっとなまっていました。そこへ入ってきたお客さんとウェイターさんの会話。
お客「このセットって、飲み物、つくの?」
ウェイター「お飲み物はラッシー(←インド風のヨーグルト・ドリンク)です」
お客「えっ、飲み物、無いの?」(『ラッシー』『無し』と聞こえたらしい)
ウェイター「いいえ、ラッシーです」
……夫は、口を挟みたくてうずうずしてしまったそうです(^_^;)


二日続けて冬にしては暖かかった日の、二日目の朝の夫と私の会話。
夫「あったけえや、また
私「えっ、ハタケヤマだ? 畠山って誰?」

夫と、海岸沿いの道を車で走っていたら、向こうからウェットスーツ姿のサーファーが歩道を歩いてくるのとすれ違いました。浜にいるのを見てもなんとも思わないサーファーですが、陸上を歩いているその姿には、微妙に違和感がありました。そのときの会話。
私「陸で見るサーファーってヘンだよね……」
夫「えっ、陸デビル? なにそれ?」
『陸デビル』って悪魔の一種でしょうか? それは確かにヘンですね!


私「イチジクのジャム買ってきたよ」
息子「えっ、ヒジキのジャム?」

テレビで政府首脳同志の会談のニュースを流していたときのこと。
『○○氏と○○氏は和やかに握手を交わしてズッコケ・ムードを演出しました』というナレーションが聞こえて、(えっ!?)と思ったのですが、後から考えるに、たぶん、『雪解けムード』の聞き間違いだったらしいです(^_^;)


ある夜、かかってきた電話に息子が出て、取り次いでくれました。そのときの息子の説明。
「お母さん、電話。なんか、やぼ用がナントカって言ってたよ」
えっ、野暮用? いったい誰からの、何の電話でしょう……。
不思議に思いながら出てみると、それはなんてことないセールスの電話で、相手の人の言葉は、『夜分恐れ入ります』だったのでした(^_^;)


テレビの中のヒーロー「装着!」
私「えっ、横着?」
夫「えっ、太田君?」


テレビの中のヒーロー「ワイド・ソード!」
夫「えっ、まいど・ソード?」


ゲームをしていた息子「ねえ、ゼネラル・マッピーって何?」
私「えっ、銭洗い弁天?」(ところで『ゼネラル・マッピー』って本当は何なんでしょう……?)


テレビアニメ『遊戯王』を見ながらの子供たちの会話を夫が小耳に挟んでの勘違いです。
息子「ねえ、ナントカ・ドラゴンは『自然文明』?」
夫「えっ、自然分娩?」
……そりゃあ、ドラゴンの出産は自然分娩でしょう……(たぶん)。


夫のところに、『みく』さんという女性名を語った出会い系スパムメールが来たときの会話。
夫「誰だよ、『みく』っちゃ……」(←語尾は千葉弁です)
私「えっ、ダメだよ耳食っちゃ?」


うちでは、よく、安売りの時に纏め買いした食パンを冷凍保存します。ピザトーストなどをする時は、凍ったパンで作った方が便利なのです。ある日、私が凍らせてあったパンでピザトーストを作ろうとした時の会話。
私「冷凍パン使うね」
夫「えっ、冷凍パンツ買う? 冷凍パンツって何?」


私「私、先にお風呂に入っちゃおうかな
夫「えっ、行方不明になっちゃおうかな?」


先日、テレビで映画『リング』をやった時の会話。
夫「今日、お父さんは9時から怖いテレビを見るから、お前たちは早く寝たほうがいいよ」
息子「えっ、怖いテレビって何を?」
夫「『リング』を
息子「えっ、『貧乏』?」
……確かに、それは怖いです……(^_^;) 我が家にとっては、日々、生活を脅かされている一番の脅威で、まさに『今そこにある危機』ですから(^_^;)


テレビアニメの次回予告で、『そろばん天才』がナントカと言っていた時の会話。
夫「えっ、シルバー戦隊?」
息子「えっ、ごますりセンター?」


テレビのニュースで季節の話題をやっていました。
テレビ「春の訪れを告げる……」
夫「えっ、猿のお告げを告げる?」


テレビCM「少女漫画誌、売り上げナンバーワン!」
夫「えっ、城島タダシ売上ナンバーワン?」
……城島タダシって誰でしょう?


ネットサーフィン中に大河ドラマ『義経』のファンサイトを見つけた夫との会話。
夫「『義経』が流行ってるねえ。今、ネット見てたら、『義経』のロケ地の一覧とかあったよ」
私「えっ、義経のドケチの一覧?」
 ……てっきり、歴史上の源義経は実はドケチで、糧食の買い付けの際にえげつなく値切ったとか、武具や馬の代金の支払いをさんざん渋ったとか、実は弁慶に給料を払っていなかったとか(いや、そもそも弁慶が義経に雇われてたのかどうか知りませんが(^_^;))、いつも古い着物につぎを当てて着ていたとか、そういう、彼の生涯におけるドケチの数々が逐一調べ上げられ、リストアップされているのかと思いました……。


私「ロッカールームが暑くてさあ……」
夫「えっ、ドクター・ムーン? 誰、それ?」


夫「エキゾチックショートヘアーって種類の猫がいてね……」
息子「えっ、イチゴチック?」
夫「違うよ、エチゴチックじゃないよ」 
……『苺チック』だったり『越後チック』だったりする猫って、どんな猫なんでしょう……。


私「お父さんが家でパソコンやってるからね」
息子「えっ、お父さんがたそがれてる?」


テレビ「中尊寺の金色堂では……」
夫「えっ、チエさんちの金色堂!?」(←チエさんというのは共通の知人の名前です。う〜ん、あの人なら、自宅の庭に金色堂があると言われても一瞬納得してしまうかも……)


テレビ「今日の○○特集では、氷菓子の魅力に迫ります!」
私「えっ、高利貸しの魅力!?」


息子「あ、山手線だ!」
私「えっ、山本さん?」


夫「『風と彫刻の丘美術館』で特別展をやってるんだけど……」
息子「えっ、『魔娑斗チョップの丘』?」


テレビ「カフェのようなオシャレな家を建てたくて……」
夫「えっ、亀のようなオシャレな家?」


テレビ「最強の男は誰だ!」
私「えっ、最強のオタク?」


テレビ「なぜそんなことになったのか。その根本原因は……」
夫「えっ、ぽんぽん芸人?」


テレビ「飼い主が突然クマに襲われたら、助ける犬はどのくらいいるのか!?」
夫「えっ、飼い主がに襲われたら!?」


夫「あれからもう五十年だって」
私「えっ、武勇伝? どんな?」


夫「このあいだ、○○さんちで毛ガニ食べちゃった」
私「えっ、手紙食べた?」


私「このあいだ、警察犬がね……」
夫「えっ、ビフィズス菌?」
息子「えっ、余裕で腹筋?」

(『月刊カノープス通信』2004年1月号〜2005年12月号より)


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